《腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが 特別編 〜転校生と始める學園生活〜》22話 夜の水面に涙は映らない

私じゃ…ダメだよね…優くん…。

「…菜々?どうしたの?」

「あ、由希ちゃん。大丈夫だよ?もう一曲行こ?」

「…そうね…。ミーシェ、何がいい?」

「もう1回さっきの!」

「…また?好きだね。」

「うん!やっぱり今日みたいに満天の星空の下なら歌いたくなっちゃうよ。」

「やろうよ、由希ちゃん。」

「…分かった。せーの…」

「見上〜げてごらん〜夜の〜星を〜♪」

あーあ…歌ってるミーシェはやっぱり綺麗だなぁ…。優くんが見とれるのも分かるな…。

「敵わないな…!やっぱり…!」

「菜々ちゃん?どうしたの?」

「なんでも…ないの…。」

「…菜々…。」

「私ちょっと…顔洗ってくる…!」

「菜々ちゃん…。どうしたのかな?」

「…大丈夫よ。…藤山くん、悪いけど見て來てくれない?」

「分かった。」

「っ…ダメ…みんなの前では…笑わなきゃ…!」

葉わない。私のが葉わないのは…優くんとミーシェを見てれば分かる。でも…でも!やっぱり…

「諦められるわけ…ないじゃん…!好きなんだもん…!」

「江ノ島?大丈夫か?」

「!」

なんで?なんでよりによって…こんなとこ…見られたくない…。

「優…くん…。」

「怪我でもしたか?」

「ううん、そんなんじゃないの。ちょっと顔洗ってただけ。」

「そうか?タオル持ってくるよ。」

「え?い、いいよ!私自分で行くから。」

「そうか?」

ダメ…早く帰って…そうしないと…

「江ノ島…。泣いてる…のか?」

「!、な、泣いて…なんか…わた…私は別に…」

「…ハンカチならあるぞ。ほれ。」

「だから!私は…」

「いいから。持っとけ。」

「!」

そのセリフ…中學の時も言ってくれたよね?

でもきっと優くんは…覚えてないんだろうなぁ…。

「こうやってお前にハンカチを差し出すのは…何回目だろうな。」

「…え?」

「中學の時もお前はそうやって泣いてた。」

「うん…。」

「力になれるかは分からないが…何か困ったことがあったら言ってくれ。できる限り協力するよ。」

「…っ…ずる…いよ。優くん…。」

「…江ノ島?」

「その優しさ…変わってない…。そんなの…そんなの!どんどん好きになっちゃうじゃん…!」

「江ノ島…。」

「そうだよ?私は…私を助けてくれた優くん。あなたが…好きです。」

「っ…江ノ島…。」

「分かってる。葉わないだってことぐらい。でも…!好き…だもん…。だから!振るならちゃんと振って?そっちの方が…気が楽になる…から…。」

「…分かった。俺は…お前とは付き合えない。」

「うん。…はーあ…そうだよね。」

「悪いな。」

「ううん、いいの。分かってたから。…戻ろう?優くん。」

「そうだな。」

「あ、ちょっと忘れしたから…先行ってて?」

「…分かった。」

江ノ島は水面を見る。

「暗くて…私の顔見えないや…。優くんには私の顔見えてたのかなぁ…。…っ…う…ううぅ…!」

それはれてしまった聲。

「ふふ…分かってはいたけど…結構きついなぁ…。」

が苦しい。

「こんなの…初めて…。」

「…よいしょっと…」

「!…由希ちゃん?」

江ノ島の隣に松山が座った。

「なんでここに?みんなは?」

「…ミーシェが寢ちゃったから…。運んでもらってる。」

「そ、そう。私もすぐ戻るから。だから由希ちゃんは先に…!」

松山は江ノ島の頭に手を置いた。

「…菜々はよく頑張ったよ。」

「っ!…う、ううぅ…由希ちゃぁん…」

「…」

松山にしがみつい泣く江ノ島を松山はただ無言で迎えれた。

「私…私!ダメ…だったよ…」

「…そう。」

「こんなの…初めてで…よく分かんないよ…!」

「…今日は泣きたいだけ泣きなさい。」

「うん…!」

「優、江ノ島はどうした?」

「え?ああ、今松山が行ってるよ。」

「そうか…それよりもあれを何とかしてくれ。」

既に消えているキャンプファイヤーの前で大の字で寢ているミーシェを指さして小宮は言った。

「…たく、あいつは本當にどこでも寢るな…。」

「くー…くー…」

「おーい。ミーシェ?」

「むにゃ…」

「ダメだな…。」

「どうする?」

「いい。俺が運ぶよ。」

「分かった。頼んだぞ。」

「ああ。」

「よっと…」

優はミーシェを背中に乗せる。

「むにゃ…んん…」

「ふ…」

今俺が…こうしてみんなと一緒にキャンプに來れてるのもこいつのおかげなんだよな…。

優はそのままテントにりミーシェを寢かせた。

「んふふ…お姉ちゃん…。」

「…おやすみ、ミーシェ。」

「んふ…ユ…ウ…」

翌日。

「おいミーシェ。忘れないか?」

「大丈夫!」

「みんな、最後に寫真撮ろ?」

「…いいね。」

「そうだな。」

「でもどうやって撮る?三腳なんてないだろ?」

「あ!私に任せて!」

ミーシェは江ノ島からカメラをけ取るとレンズをこちらに向けた。

「みんな、寄って寄って。」

「あ、ああ。」

「ほら!もっとこっち。」

ミーシェは優を引っ張る。

「陸くん見切れてるよ?」

「これでどうだ?」

「うーん…陸くんとユウは肩を組んで。」

「お、おう。」

「ユウ、私この勢結構きついから支えてくれない?」

「わ、分かった。」

「よーし…はい!チーズ!」

パシャ!

こうして5人のキャンプは幕を閉じた。

―――――――――――――――――――――――――――――――

昨日はすいません。

書こうと思ったんですが…気付いたら朝でした…。

はい、寢落ちしました。

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