《腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが 特別編 〜転校生と始める學園生活〜》23話 メダルゲームの闇

「このソファーは2階に運んでくれ。」

「はい。」

8月。この月は學生にとっては1ヶ月丸々休みという、夢のような、誰もが待ちんでいる月である。

炎天下の中、キャンプでし焼けた優は引越しのバイトにを出していた。

「ぶつけるなよ。」

「はい。」

「2人で持った方がいいんじゃないか?」

「いえ、こう見えて力はある方ですから。」

優は軽々とソファーを持ち上げた。

「凄いな…じゃあ頼んだぞ。」

「はい。」

優は決められた位置にソファーを置く。

「よいしょっと…ふう…。」

暑いな…。

優はペットボトルの水を一口飲む。

「おーい、そっち持ってくれ。」

「あ、はーい!」

8月は沢山働けるからな…。よーし!稼ぐぞー!

「で?1週間連続でバイトをした訳か。」

「うー…」

優の前でポテトを食べながら小宮は尋ねた。

「調子乗りすぎた…もう何もしたくない…。」

「別に斷っても良かったんだぞ?映畫なんていつでも見れるからな。」

「約束は守りたいからな。」

「そうか。」

「で?ミーシェは?」

「そろそろ來るだろ。」

「おっ待たせー!」

「おお…!」

黒のワンピースにを包んだミーシェがハンバーガーが大量に乗ったトレイを持って、2人の元にやってきた。

「相変わらずすごい量だな。」

「ふふふー…1ついる?」

「いや、いい。」

「そお?…いただきます!」

ミーシェは満面の笑みでハンバーガーを頬張る。

「ん〜!おいひい!」

幸せそうで何よりだ。

「あ、ごめんね!すぐ食べちゃうから。」

「いいよ。ゆっくり食え。…頬にケチャップ付いてるぞ。」

「あ、ありがとう。」

「で?なんの映畫を見るんだ?僕は何も聞かされていないんだが…。」

「俺もだ。」

「ふふーん…じゃん!」

ミーシェはそう言ってポスターを2人の前に出した。

「ふーん…アニメか。」

「ミ、ミーシェ…お前このアニメ見てるのか?」

「うん!面白いよね〜!」

「お前…分かってるなぁ!推しは誰だ?」

「私はねぇ…この子かな…」

「おお!俺もだ。」

「だよね!可いよね?!」

「ああ、陸は?」

「僕は知るか。」

「そ、そうか…。」

「…今日は別の映畫にしないか?」

「「え?」」

「…その映畫を見る前にアニメを見ておく。置いてかれるのは嫌だからな。」

「陸…」

「陸くん…。」

「そうだな。」

「でも私そんなにお小遣いないし…映畫2本はきついなぁ…。」

「そんなにハンバーガー食ってるからだろ?」

「ご、ご飯代はちゃんとご飯用のお財布から使ってるもん!」

分けてんのかよ…。

「そうか…ならやっぱり今日の方がいいか?」

「でも…ちゃんと楽しんで見てもらいたいし…。」

「じゃあ今日は駅前のデパートで遊びに行こうぜ?昨日給料日だったからな。晩飯ぐらい奢ってやるよ。」

「おお…あなたは神か?ユウ。」

「それは助かるな。」

「じゃあ遊びに行こう!」

ミーシェは最後の1個のハンバーガーの包み紙をクシャッと丸めて立ち上がった。

「ここに2人と來るのは期末の打ち上げ以來だねぇ。」

「あの時は天城が邪魔しに來たからな…。さすがに今日はいないだろ。」

「どこ行く?ゲーセン?私そんな金ないからメダルゲームがいいな!」

「じゃあこうしよう。100円でメダル10枚買って最後に1番多く殘ってたやつの勝ち…でどうだ?」

「勝負か…面白い。」

「よーし!絶対勝つぞぉ!」

3人は100円を握りしめメタル販売機へと向かった。

優が選んだのはよくあるメダルを落とすゲームだ。

「…なんでお前らも俺と同じゲームなんだ?」

「これが1番楽そうだからな。」

「どうせなら同じゲームで公平にやろうよ。」

「そうだな。」

「よーし…。」

3人はいっせいにメダルをれた。

「おお…順調に増えてるぞ…」

「ユウ?調子はどう?」

隣の席にいたミーシェが尋ねてきた。

「ああ、絶好調だ。」

優のメダルれはパンパンだった。

「へ、へぇ…凄いね。ちょっと見せて?」

「は?なんでだよ?」

「いいから。」

「?…ほら。」

「わあ…よくこんなに取れるね!すごーい!」

優にメダルれを返す。

「ミーシェ…もう無くなったのか…。」

「え?そ、そんなことないし!」

「じゃあポケット裏返してみろ。」

「ギクッ!な、なんで?」

「ネタはあがってるぞ。」

「な、何も無いし!」

「往生際が悪いぞ。ミーシェ。」

「うっ!…うう…」

ミーシェはポケットからゆっくりとメダルを出した。

「たく…。」

「だ、だってぇ!なんでそんなに取れるの!?おかしいよ!イカサマだぁ!」

「なら場所換するか?」

「メダルもう無いもーん!」

「やっぱりか…。ならそれやるよ。」

「え?」

「ハンデだ。」

「ぐっ…ぬぬぬ…い、いらないし!」

「ならお前の負けだな。奢るって言う話は無しになるかもなぁ?」

「え?噓…。」

「どうだろうな。」

「し、仕方ないから貰ってあげる。」

「素直じゃねえな。」

「う、うるさい!」

ジャラジャラジャラジャラ…

「よし…いいぞ…。」

「おかしいよぉ!絶対この店イカサマしてるよぉ!」

隣でミーシェがガラスに顔を押し付けぶ。

「いや、してねぇよ。現に俺はこんなに取れてるぞ?」

「これで決まりだね。ユウがイカサマしてるんだ!」

「してねえよ!」

「全くしは靜かにできないのか?」

「陸くん…」

「お前はどんなじだよ?」

「僕か?僕は既に無くなったから2人のを見ていたよ。」

「え?」

「おま、それもっと早く言えよ?しぐらい分けてやるよ。」

「いや、ズルはしたくないからね。」

「だってよ。ミーシェ。」

「う…」

「勝負は優の勝ちだな。」

「ビリはミーシェか。」

「な、なんで?!1枚あるし!」

「ズル…しただろ?」

「そ、それは…。ううぅ…」

「…そんな顔しなくてもちゃんと奢ってやるよ…。」

途端に顔がぱあっと明るくなる。

いな!…クソ!

「わぁい!ユウ大好き!」

「お、おう…。」

「サイゼでいいか?」

「どこでもいいよ!」

「僕もだ。」

「じゃあサイゼにするか…。」

「ん?藤山か?」

「は?」

サイゼに行く途中、天城祐とばったり出會った。

なんか…デジャブ…。

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