《腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが 特別編 〜転校生と始める學園生活〜》27話 課題を終わらせよう!

ピピ…ピピ…

いつものアラームの音で僕は目が覚めた。

夏休みにり2週間が経とうとしていた。

そのまま1階に降りる。

「おはよう、陸。」

「おはよう…。」

母親に挨拶をする。

そして…

「…おはよう、父さん。」

「…ああ。」

この人は僕の父親だ。

「最近勉強の方は進んでいるのか?」

「…言われなくてもやってるよ。」

「そうか…。」

父とはいつもこんなじだ。

厳格な父親とはあまり仲が良くない。

「陸、今日は家で勉強するの?」

「いや、今日は…図書館で勉強する。」

「あら?友達と?」

「まあ…。」

「…お前に友達がいたのか?」

父親が訪ねてきた。

「…いちゃ悪いか?」

「なんだと?」

ピリピリした空気が食卓に充ちた。

「ちょ、ちょっと…二人とも…。」

「…ふん…遊びすぎて績が落ちるような馬鹿はするなよ?」

「言われなくても。」

「…ふん…。」

父親は自室へと戻って行った。

「行ってくるよ、母さん。」

「気をつけるのよ?」

「分かってる。」

「もう行きましたよ、あなた…。」

「…それがどうした?」

「相変わらず素直じゃありませんね…。本當は陸に友達が出來て嬉しいくせに…。」

「そ、そんなこと…思ってない…。」

「ふふふ…。」

「何を笑う?」

「いいえ…別に。」

僕は待ち合わせのカフェへと向かった。

10分前か…。ちょうどいいな。

「お、いたいた。陸。」

待ち合わせの人の1人がやってきた。

「おはよう、陸。」

「ああ、おはよう。…優。」

彼は藤山優。

僕の…ゆ、友人だ。

「いやー、早いな。」

「丁度だろ?それよりちゃんと課題は持ってきたよな?」

「ああ、もちろん。」

「どれぐらい進んだ?」

「まあ、毎日1ページってとこだな。」

「それならまあ…心配ないか…。問題は…」

「そうだな…。」

2人の元に足早に1人のが近づいてきた。

「おっはよー!ユウ!陸くん!」

「おはよう、ミーシェ。」

「おはよう。」

は山田ミーシェ。

も僕の友人だ。

最近はこの3人で一緒にいることが多い。

以前の僕ならば他人と一緒に遊んだりすることはなかったがこの2人とは一緒にいて楽しいと思える。

「さて、ちゃんと課題は持ってきてるよな?」

「え?なんのこと?」

「…てめぇ…。」

「う、噓だって!ちゃんと持ってきてるよ!」

「どれぐらい進んでる?」

「え?課題の事?やだなぁ陸くん。私がやるわけないでしょ?」

「…清々しいな。」

「お前それどんな気持ちで言ってんの?」

「え?何?!もしかして二人とも…進んでるの?!」

「當たり前だろ?」

「そんな…まさか…」

「珍獣を見るような目で見るんじゃない…。」

「進めるのが當たり前だろ?」

「う…だってぇ…多すぎるもーん!こんなの夏休み中に終わらせろとか…お前は馬鹿か?中山。」

中山とは擔任の中山先生のことである。

「馬鹿じゃない。現に僕はあと1ページで課題が終わるぞ?」

「え…?り、陸くん?」

「どうした?」

「君…人間だよね?」

「そんなに驚くことか?もう夏休みにって二週間だぞ?終わってるやつだっているだろ。」

「確かにな。」

「噓だぁ、それは流石にないって。」

「まだ手をつけてないのが驚きだな。」

「そうだぞ?そうやって最終日に俺たちに泣きついてくるのがオチだ。」

「さ、流石にそんな事しないし!」

「じゃあ最終日になっても見せないからな?」

「え?噓…。」

「本當だ。」

「そ、それだけはご勘弁を!」

「だったら計畫的にやるんだな。」

「えぇー…!…分かった!明日からやるから!今日は遊ぼうよ!」

「ダメだ。そうやってやらないだろ?君は。」

「そ、そんなこと…。」

「あるな。とっとと図書館行くぞ。」

「そ、そんなぁ…。」

渋るミーシェを連れて、3人は図書館にやってきた。

「陸くん、ここってどうやるんだっけ?」

「ん?ここはこれを掛けて…」 

「ふむふむ…」

「お前…1度スイッチれば凄いよな…。」

「でしょ?」

「それを最初からやってしいもんだ。」

「そ、それを言ったらダメだよ…陸くん。」

「優はどうだ?進んでるか?」

「ああ、英語はもう終わったよ…。」

「ねえ、陸くん。答え寫してもいいかな?!」

「別にいいが…。いいのか?」

「え?」

「そうだな!」

僕に変わって優が答えた。

「もし答え寫して終わらせても勉強にならないからな?それで休み明けの実力テストで赤點とって居殘りになったら笑ってやるよ。」

「え?待って、実力テストって?」

「ん?言ってなかったか?この學校は休み明けに実力テストがあるんだ。範囲はこの課題だぞ?」

「え…聞いてないよ、そんなの。」

「まあ逆に言えばこの冊子が範囲だからな?これさえ完璧に出來れば赤點はまずない。」

「わ、私…頑張ります!!」

ミーシェは気合い十分で課題を解き始めた。

「ぜぇい…ぜぇい!お、終わったぁーー!」

「…」

「…1ページ…な。」

「うっ…うう…。」

ミーシェの目が涙ぐむ。

「こんなの30ページとか絶対無理ぃ!!」

「おい、し靜かにしろ。ここは図書館だぞ?」

「だってぇ…こんなの無理ぃ!」

「…」

「ううっ…」

「…はあ、仕方ない。あと1ページ終わらせたら休憩にしよう。僕がなにか奢ってやるよ…。」

「ほんと?!」

「ああ。」

「っしゃー!…終わったぁ!」

早…。

「よーし!休憩じゃー!」

「…たく、凄いんだか凄くないんだか…。」

「まあそれで課題が進むんならいいんじゃないか?」

「まあ…そうだな。」

3人は図書館をあとにし、レストランへと向かった。

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間に合わないので次回に続きます!

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