《俺の許嫁は!?》45話 回想は続きます

「結構昔のことなんだ。俺が確か10歳くらいの頃の話だ。」

俺は、靜香と優奈に自分の過去を語る。

優奈は、いつも俺の話となると真剣に聞いてくれるのだが靜香は、俺の話とかいつもどうでも良さそうなのだが今回はすごい真剣に聞いてくれる。

まぁ、過去について語るとかあまりしたくないのだが……靜香がこんなに真剣だから仕方なくする。

「俺は、友達と一緒に祭りに來てた。優奈も一緒だったんだけど確か途中で帰った時のことなんだが……覚えてるか?」

「ん〜………あ!あの時の事ね!私のお母さんがお父さんの所に行くよって急に言い出してそれで祭りまで最後までいられなかった時のことだね?」

「ああ、まぁ、俺が話してるのは優奈が帰ったあとのことなんだが……こっからは、本當に俺の記憶が曖昧なんだ。」

「それでもいいから、話して。」

「………分かった。」

靜香、隨分と強引だな。俺たちは、祭りの會場ではうるさいので先程の夕食を食べたところに戻った。

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そして、俺は、記憶が本當に曖昧なことを二人に話す。もしかしたら所々間違っているかもしれない話。もしかしたらまずそんなことすらなかったかとも思える話。そんな俺の過去の話。

〜〜〜回想〜〜〜

「あれ〜?みんな、どこだ〜?」

俺は、人混みの多さからみんなを見失ってしまい一人で祭り會場を歩き回る。

10歳くらいの頃の俺だからまだまだ長も低く周りの大人が巨人じゃないかって思えた。

周りの大人の人のせいで今、俺がどこにいるのかさえ分からない。俺は、どこに向かってるのだろうか?

先行く道が見えない。でも、止まれない。今は、この人の波に流されないと。

俺は、どうやって帰ればいいのかわからない。どうやってこの人混みから抜ければいいのかわからない。怖い。恐怖で手や足が震えてしまいそうだ。

だが、歩き続けないと。

その時だった。

「うぇ〜ん!お母さ〜ん!お父さ〜ん!」

一人、人混みから外れて木の下で泣いているの子がいた。

そのの子は、ピンクの浴にまとっていた。そのの子は、まだ3歳ほどの可らしい子どもだったと思う。

10歳の俺が怖いんだ。さらに小さい子が怖くないわけがない。

俺は、そのの子にどうじたのか分からないがとにかくそのの子のところに向かった。あれだけ怖った大人の人の間を通りそのの子の元へ向かった。

「大丈夫か?」

「うぅ……ずっ……」

「へへっ!もう俺が來たから大丈夫だ!ほら、まずは、このハンカチで顔を拭くぞ。」

俺は、自分の持っていたハンカチでその涙と鼻水で濡れた顔を拭う。

當時、俺はあまり力加減のかあまり知らずとにかく顔を拭おうと思って思いっきり顔を拭いてしまった。

その結果、痛がらせてしまったのかまた泣き出した。

俺は、オロオロとしてどうすればいいか考えた。自分のり何かないかった。すると俺のポケットにあめがっていた。

「あめ……食べるか?」

「ずっ……うぅ……食べる……」

俺は、ようやく話せたことが嬉しくて急いでそのあめの袋を開けてそのに渡した。

そのは、あめを口にれると味しかったのか笑顔が見れた。

「ようやく笑ったな。悪かったな、今さっきは。」

「ううん、もういいよ!あめ、ありがとう、お兄ちゃん!」

「おっ……」

お兄ちゃんという単語は、麗華から何度も聞いていた。だが、やはり新鮮だったのか俺は、一瞬がドキッとしてしまった。

俺は、ドキッとしてしまったことを悟られないようにに話しかける。

「お前、親とはぐれたのか?」

「う、うん……うっ……うぅ……」

「あっ、ちょ、泣くなって。俺が一緒に探してやるからよ!」

「本當?」

「ああ!まずは、落ち著くまでここにいようぜ!」

俺が落ち著くまでと言ったのはにではなく俺自のためにだった。俺は、今もなお、足がすくんでしまい歩き出せない。

そのは、俺が怖がってることを悟ったのかどうかはわからないが俺の手をギュッと握ってくれた。

その手は、ふにふにしてて溫かくてすごい心を落ち著けてくれる。

「はぁ〜ふぅ〜……もう行くか?」

「うん!行く!あ、その前にお兄ちゃん。」

「ん?どうした?」

「私、お前じゃない!???って名前がある!」

「ははっ、そうだったな。名前、ちゃんとあるんだよな。じゃ、行くぞ!???!」

「うん!」

そのの名前は、どう考えても思い出せない。

俺は、の手を握り大人の人たちにぶつからないように気をつけて歩く。

當時、俺は、迷子センターなんてあるものが知らず、適當に歩くことしか出來なかった。実際、俺も迷子だったんだから。

でも、不安がってるところなんて見せられない。

このは、俺を頼ってくれてるんだ。するとそこで俺は気づいた。握ってるの手がすごく震えていたことに。もしかしたら俺の手も震えてるかもしれない。だけどここは、強がらないといけない。だってお兄ちゃんだからな!そんな気持ちを持って俺は、聲を発した。

「………なんか、遊んでいくか?」

気を紛らわせようとしただけのただの言葉。でも、當時の俺にはここまでしか考えられなかった。

は、俺の提案が嬉しかったのか元気な聲て応えた。

「うん!遊ぶ!お兄ちゃんと!」

「よし!なら、どれがいい?」

「ん〜………あ、あれ!」

そのが指さした屋臺は……

的か……」

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