「………全然眠れなかった……」

俺は、あれから結局モヤモヤが取れず目を閉じても全く眠れなかった。

だが、頭痛はもう無くなったのでけるようにはなった。

「お兄ちゃん、大丈夫？まだし、顔が悪いよ？」

「は、ははっ、大丈夫、大丈夫。もうだいぶ良くなったからな。」

「確かに朝よりは良くなったけど……やっぱりまだ寢てた方がいいんじゃない？」

「い、いや、本當に大丈夫だ。逆に寢すぎても良くないしな。」

というか一睡も出來ないからベットで橫になっていても仕方ないしな。

麗華は、合の悪そうな俺を心配して夕食作りに全く集中出來ていなかった。

「お、おい！麗華！魚！焦げてるぞ！？」

「え？あっ！わっ！た、大変！」

麗華は、慌てて焦げた魚を処理していた。

「………これじゃ、料理できないだろ？外食に行くか。母さんもいないし。」

「だ、ダメだよ！お金がもったいないしそれにお兄ちゃん、まだ合が悪いんだから！」

「ははっ、大丈夫だって。お金は、一応母さんからし貰ってるから大丈夫だよ。」

「で、でもぉ〜……」

「ほら、準備しろって。その服で行くのか？」

「も、もうっ！」

俺は、麗華を急かして出かける支度をさせる。

「さて、戸締りもちゃんとしたし出掛けるか。」

「ほ、本當にお兄ちゃん、大丈夫？無理しちゃダメだよ？」

「大丈夫だって。ほら、ドア閉めるぞ。」

「ま、待って！」

俺は、麗華が家から出てきたのを確認しドアを閉めて鍵をして麗華と一緒に出掛けた。

「こうやって二人で出掛けるのは久しぶりだな。」

「そ、そうだね……本當に久しぶり。」

「でも、偶にはこうやって兄妹水らずで外食ってのも悪くないよな。」

「う、うん！」

麗華は、とても可らしい笑顔で頷いた。うん、やっぱり麗華って可いよな。

「それで何食べる？」

「う〜ん……私は、なんでもいいよ。お兄ちゃんの食べたいところに行こっ！」

「そう言われてもなぁ〜。」

値が高いところに行くと絶対に麗華が遠慮して全く食べなくなるからな。安くて味しい店………

「やっぱりあそこかな。」

俺は、行き先を決めて麗華をその店まで案した。

「お兄ちゃん、ここって喫茶店？」

「ああ、よく學校の帰りに優奈たちと一緒にここでお茶とかするんだ。」

「へぇ………羨ましいな……」

「羨ましい？何が？」

「そんなのお兄ちゃんと………って、ち、ちがっ！そ、そうっ！中學じゃそういう寄り道とかダメだから！だから、寄り道とかできて羨ましいなって！」

「あ〜、なるほどな。まぁ、確かに俺も中學の頃はいいなって思ってたな。まっ、高校に行けばなんだかそれが當たり前になっちゃったんだけどな。」

「あんまり寄り道ばっかりしてお金、無駄遣いしないようにね。」

「ああ、分かってるよ。とりあえず店にろうぜ。り口で騒いでたら店にも迷がかかるからな。」

「そうだね。」

俺と麗華は、喫茶店にる。

するとお客がってきたことが分かるようにドアに設置されていた鈴が俺がドアを開けたことによりチャリンチャリンという音を鳴らした。そして、その音に気づいた店員が俺たちの方へやってくる。

「あら、一君。いらっしゃい。久しぶりね。」

「あっ、晴さん。お久しぶりです。」

「夏休みになって全く來なくなったからね。っていけない、いけない。店のり口で喋ってたら店長に怒られるわ。お客様は……お二人ですか？」

「あ、は、はい。」

「妹さんなのかな？それじゃ、案するね。」

俺たちは、晴さんに案された席につきメニューを見る。

「お兄ちゃん、あの綺麗なお姉さんは誰ですか？」

麗華は、俺が見ていたメニューを取り上げて俺にそう尋ねてきた。

「晴さんのこと？晴さんは、ここでアルバイトしてる人で結構お世話になってるんだ。」

「そうなんだ……ふ〜ん……」

「ん？どうした？」

「なんでもない。でも、あのお姉さん、よく私が妹だって分かったよね。」

「そりゃ、傍から見たらそう見えるんじゃないか？」

「…………人と見られたっておかしくないのに………」

「ん？なんて言った？」

「なんでもない！」

麗華がそう言った瞬間、晴さんが水を運んできた。

「ふふっ、仲がいいのね？」

「ええ、まぁ。」

「あなた、一君の妹の麗華ちゃんよね？よろしくね。」

「あ、は、はい。よろしくお願いします。って私の名前、知ってるんですか？」

「ええ、一君、結構あなたの話をみんなにしてるのよ。」

「ほ、本當ですか！？………お兄ちゃんが私のことを……えへへ、そっか。」

何だか今さっきまで不機嫌そうな顔だったけど晴さんの話を聞いて急に顔が緩んだ。

「おっと、あんまりお喋りしてちゃダメだよね。それじゃ、お客様、ご注文はお決まりですか？」

晴さんは、姿勢を正して俺たちに注文の品を聞く。俺は、オススメのハンバーグ定食を注文し、麗華は、スパゲッティを注文した。

晴さんは、注文の品を確認すると一禮して廚房へと戻って行った。

「お兄ちゃん、私のこと、よく話すんだ。」

「まぁ、々と麗華には世話になってるからな。自慢の一つや二つくらいするって。」

「そ、そっか。」

麗華は、し嬉しそうにモジモジとしていた。

俺は、そんな麗華を見つつ料理が來るのを待っていた。