《俺の許嫁は!?》68話 差出人不明の手紙には

父さんにボコボコに毆られてから約1週間。

學校には通ってるものの育の授業とかは休んでいる。

正直なところ、もう痛みも収まってきてるからやりたいのだが麗華があれこれうるさいからな。それに恐らく麗華から聞いたのだろうが優奈も俺の怪我のことを知っていて何かと面倒を見てくれる。

あの2人は、何かと俺の事を心配し過ぎなような気がするのだ。

そして、今日は土曜で學校が休みというのに優奈は、俺の家へと世話をしに來ているのだ。

「はぁ………麗華、優奈、お前ら俺のことを心配し過ぎだ。もう痛みもだいぶ引いたって言ってるだろ?」

「いいの!お兄ちゃんは、黙って看病されてれば!」

「そうだよ!一君!私、一君が秀一さんと毆り合いの喧嘩になったって聞いた時は本當に心臓が止まるかと思った思ったんだから!ちゃんと治るまで看病するよ!」

このとおり、2人は、全く引こうとはしない。

「もう痛みもだいぶ引いたって言ってるだろ?だから、気にしないでくれ。」

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一君、噓つかないでよ!し無理していることくらい分かるもん!一君とはずっといるんだからそれくらい分かるよ!」

「………はぁ、麗華は………」

「私も分かってたよ。右足……だよね?時々引きずって歩いてるところ見たことあるよ。」

「よく見てんな……」

確かに痛みが引いたと言っても完治したわけじゃなかった。時々、右足首が痛むのだ。

「まっ、でも、捻挫だと思うからそんなに心配しないでくれ。」

「「無理っ!」」

麗華と優奈は、即答なのに何故か聲が重なっている。

「あっ、そういえばお兄ちゃん。」

「ん?何だ?」

「この頃、よくポストに差出人無名の手紙がお兄ちゃん宛にってるの。見る?」

「差出人無名?………まぁ、一応見てみる。」

「じゃ、持ってくるね。」

麗華は、そう言って部屋を出て行った。

「なんだろうな、差出人無名の手紙って。」

「そうだね……差出人無名ってことは直接ポストにれたんだよね?だったら家の近くの人じゃない?」

「確かに……」

と、そんなことを優奈と話していると麗華が大量の手紙を持って部屋へと帰ってきた。

「はい、お兄ちゃん、全部で10枚くらいあるけど……」

「お、多いな……」

「うん……そうだね。麗華ちゃんは、この手紙の容、知ってるの?」

「ううん、さすがにお兄ちゃんより先に読んじゃダメかなって思って見なかったの。」

「そっか。なら、読もうかな。どれが一番最初に屆いたんだ?」

「えっと……あ、これ。」

「分かった。」

俺は、その手紙を取って封を開けて中をとる。

その中は、鉛筆で書いたような文字になっている。し丸みを帯びた字でとても可らしい。

「可い文字だね。」

「ありがとう、そうだな。」

優奈も文字を見てそう思ったらしい。

中學生くらいなると字を書く時はシャーペンで済むから鉛筆で書いてるってことは………小學生の子かな?

小學生………ってことは、靜香か?全く、手紙なんて灑落たものを持ってきて。

俺は、それからすぐに容の方を読んでいく。

一様、ごきげんいかがお過ごしでしょうか?私は、あなたと會えない日々が続きとても辛いです。私が今回お手紙を送った理由は近日、あなたに會いに行くかもしれないのでそのお知らせです。あなたと會える日を心より楽しにしています。それではまた會う日まで。』

手紙は、ここで終わっている。

………ってか、靜香、手紙だとめちゃくちゃ丁寧だな!ってか、俺に會いに行くためにこんな手紙を書くなんて………靜香も結構律儀なのか?まぁ、いつも突然會ってたし、ちゃんと會う理由があるならこうやって手紙を書くんだろうか?

「なんか……すごい丁寧な容だったね。私、小學生くらいの子かなって思ったんだけど……もしかして、私より歳上なのかな?」

と、麗華がそう呟いた。

「うん、私もてっきり小學生くらいの子どもだと思ってた。」

と、優奈も同意する。

「お兄ちゃん、なんか心當たりあるの?この手紙じゃ近々お兄ちゃんに會いに來るんでしょ?」

「ん?あ、ああ、確かにそうだな。でも、なんも知らないんだよな。」

恐らく靜香のこと………だと思うんだけど………

「まだ手紙もいっぱいあるから全部読んでみようか。そうしたら、誰か分かるかもしれないからな。」

「確かにそうだね。私たちも読むの手伝おうか?」

「ん〜………いや、俺だけで読むよ。俺宛の手紙なんだからな。」

もし、2人に見られてやばいことが書かれてあっても困るからな。

「そう?じゃあ、優奈さん、私たちは、私たちだけでなんか話でもしよっか。私の部屋に來て!」

「うん!それじゃ、また後でね、一君。」

麗華と優奈は、俺の部屋から出ていき麗華の部屋へと向かう。

俺は、2人が完全に出ていったことを確認してテーブルの上に置かれてある多數の手紙に目を向けた。

「さて、続きを読みますか。」

俺は、獨り言を呟きながら日付けが古い順から読んでいった。

だが、特に相手の人を特定することの出來る容は書かれていなかった。

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