土曜の休日、いつでも出かけられるように俺は部屋著から外行き用の服に著替えて興味もない政治の話をしているニュースを見る。

何だか妙に張してしまってなにかしてないと落ち著かなかったので今までは麗華と一緒に家事をしていた。なぜか一緒に家事をしている麗華の表は、すごい嬉しそうだった。

家事を全て終えてしまった俺は、ただただテレビを見るしかなかった。麗華は、部屋で自主勉強をしているようだが今の俺に勉強できる心のゆとりはない。まぁ、勉強する気なんてさらさら起きてないんだが。

今は、ちょうど正午になろうとしている時間帯。

晝食って取った方がいいのかな？それとも一緒に食べるから何も食べない方がいい？

って、こんなことで悩んで乙か！

と、心の中でんだ時、家のインターフォンが鳴った。

俺は、そのインターフォンがなった瞬間に玄関へ向かう。

そして、家のドアを開けるとそこにはこの前見た黒い車があり、その前には優と黒いスーツを著たお付の人っぽいが立っていた。

「お兄ちゃん、お待たせしました。」

優は、嬉しそうな笑顔で俺にそう言ってきた。

「いや、こっちこそ、わざわざ家に來てもらって悪いな。」

「いえいえ、私の方がったんですから構いませんよ。それよりも一旦車に乗ってください。お話は車の中でしませんか？」

「ああ、そうだな。」

俺は、優に促されお付の人がドアを開けて優が車に乗ってから俺も乗る。

車は、外見から分かっていたがものすごい高級車で車はものすごい広い。

俺は、とりあえず優の向かい側に座る。お付の人は、運転手の席へ行きエンジンを掛ける。

そして、俺の家から出発してから間もなく優が話しかけてきた。

「お兄ちゃんとこうやってどこかへ行くのは懐かしいですね。」

「そ、そうか………ごめん。俺、記憶がなくて優のことあまり覚えてないんだ。」

俺は、記憶が無いことを正直に話す。

「知ってますよ。」

「え！？知ってるの！？」

「はい、と言うよりも知ってて當然です。」

「………なんで？」

「だって…………お兄ちゃんの記憶がなくなったのは………私のせい……ですから……」

「………え？」

優は、歯切れ悪く俺の記憶がないのは自分のせいだと言う。

「それって………どういう……」

「…………お兄ちゃん、昔、私の家族とお兄ちゃんとお兄ちゃんのお母さんで海へ行ったことは覚えていますか？」

「海？…………」

もしかして、あの夢で見たやつかな。俺のことをお兄ちゃんと呼んでいた小さい子どもがいたし………

「記憶にはないけど………たぶん夢で見たことはあると思う。」

「………どこまで見ましたか？」

「えっと………俺と優で海にって……それで……っ！」

2人で海にったことは覚えてるのにその後のことを思い出そうとすると急激な頭痛が俺を襲った。

「大丈夫ですか！？」

「あ、ああ、ごめん………それで………」

「お兄ちゃん、無理しなくていいです。その後のことは無理に思い出さなくていいです。」

俺が頭を抱えその後の記憶を無理やり思い出そうとしていたら優に止められてしまった。

「でも……」

「お兄ちゃんがその後を覚えてなくて當然です。お兄ちゃんの記憶って時間が経てば元に戻るんですよね？」

「あ、ああ、そうだな。お醫者さんは、そう言ってた。」

「……でも、たぶんその後の記憶はずっと分からないままだと思います。」

「な、なんで？」

「…………その事を話しても私のことを……嫌いにならないでくれますか？」

優は、俺の過去について話すのをし躊躇っているようだった。恐らく今さっきの自分のせいで俺が記憶を失ったってのが原因だろう。俺の過去のことを話すとどんな風にして俺の記憶が失ったのか分かるから。それで俺から嫌われると思ったのだろう。

「もちろん、嫌うわけないだろ。」

だが、俺が優を嫌う理由なんてない。俺のことを想ってずっと探してくれていたんだ。それで優が過去のこと、絶対に悪気があってなにかしたわけじゃないってのが分かる。それに昔の優は、3歳くらいの年頃なんだからそれで俺が怒るのはさすがにない。

「………ありがとうございます、お兄ちゃん。お兄ちゃんが私のことを信頼してくれているのはすごい伝わってきます。」

「ああ、信用してる。………だから、話してくれないか？」

「…………はい。」

優は、目を伏せてしの間、黙っていたけど最後は了承してくれた。

「俺は、優のことを嫌いになんてならない。これだけは約束してやる。だから、思いきって話してくれないか？」

俺は、了承してくれてはいたがまだどこか不安がっている優に後押しするようにそう言葉を掛ける。

「…………お兄ちゃんのお母さん、今のじゃなくて前のお母さんですよ。………そのお母さんを殺したのは私です………」

「…………………………え？」