「優、っていいか？」

俺は、風呂から上がったあと、優が待っている部屋へと向かいノックする。

「どうぞ。ってきてください。」

俺は、優の返事を聞き部屋の中へとった。

「お兄ちゃん、別にノックなんてしなくていいんですよ？」

「さすがにそれはマナーとして出來ないよ。」

「ふふっ、お兄ちゃんらしいですね。」

「それで話って？」

俺は、早速話を切り出す。

「………お兄ちゃん、今日はわざわざこの家に來てくださってありがとうございました。」

「別にお禮とか言わなくていいよ。俺も來て良かったと思ってるから。」

「そうですか……なら、良かったです。」

まぁ、さすがに泊まることになるとは思わなかったけど。

「お兄ちゃんにはたぶんこれから々と迷なことをかけるかもしれませんが……どうかこれからも付き合ってもらえないでしょうか？」

優は、今にも泣きそうな顔でそう言ってきた。優が今1番怖いのはきっと俺に嫌われることなんだろう。優は、し大人っぽいところがあるからな。迷を掛けたら俺に嫌われると思ってるんだろう。

俺は、優の頭を優しくでてこう言った。

「大丈夫、優。俺、迷をかけられたくらいですぐに嫌いになったりしないから。というよりも優は、まだ子どもなんだ。わがままをいっぱい言ってくれ。」

「お兄ちゃん………」

優は、ゆっくりと俺に近づきギュッと俺に抱きついてきた。

「お兄ちゃんがそう言うならわがまま言いますよ？」

「ああ、言ってくれ。」

「私、もう運會の件でわがまま言ってるのにまだ言ってもいいんですか？嫌いになりませんか？」

「嫌いになるわけないだろ。ほら、なんでも言ってくれ。」

優は、そう言うと俺のに顔を埋めた。

「………では……私が寢るまででいいのでずっとこうして離れないでくれませんか？ようやくお兄ちゃんと出會えたのでしでも離れるとまたどこかへ行っちゃうと思って不安になるんです……」

「大丈夫、俺はどこにも行かないよ。……あ、でも、優、お風呂はどうするんだ？」

「そういえばってませんでしたね。……お兄ちゃん、一緒に……」

「さすがにそれは無理かな。」

「むぅ〜………仕方ありません。すぐにってきてまた甘えるとします。」

「ああ、それだったら構わないぞ。」

優は、俺の返事を聞き嬉しそうな表で部屋を出て行った。

「………………」

の子の部屋に1人ってのはなんだか落ち著かないな。

優奈の部屋でも靜香の部屋でも1人になったことは無かったし。

と、そんなことを考えていると扉の方からノックする音が聞こえた。

「一くん、ちょっといいかしら？」

聲の主は、お義母さんだ。

「あ、は、はい。優は、いませんけど大丈夫ですか？」

「ええ、大丈夫よ。一くんとちゃんと話したいことがあってね。夫とも一緒に話したいからリビングに來てくれる？」

「はい、わかりました。」

俺は、お義母さんにそう言われ優の部屋を出てから一緒にリビングに向かう。

そして、リビングに著くと今さっき食事したテーブルにお義父さんが座っていてその隣にお義母さんが座った。

「一くんも座ってくれ。」

お義父さんから向かい側の席に座るように促される。

俺は、それに従いお義父さんの向かい側の席に座る。

「………それで話したいこととは？」

俺は、ここに呼ばれた理由をまず聞くことにした。

するとしの沈黙の後、お義父さんの方が口を開いた。

「………それなんだがな……一くん、君は優とどんな約束をわしたか覚えているかい？」

「約束……ですか？」

「ああ、確かあの約束は君のお母さんが亡くなる一週間前にした約束だったね。」

「…………それってもしかして………婚約のことですか？」

「それは覚えていたのかい？」

「いえ、これも夢で……それと優から何度も言われましたからね。」

俺は、そこまで言うとし苦笑する。

だが、お義父さんたちはあんまり表は変わらなかった。

「一くん、正直に言ってくれ。本當に優との結婚を考えているのかい？」

「それは…………」

考えたことは無いといえば噓になる。靜香の時に1回考えさせられたからな。

でも…………やっぱり親としては年の差という理由で反対するんだろうな。靜香の親は結構グイグイ來てたけど。

「………考えたことはあります。」

「っ！そ、そうか！」

「は、はい………でも、やっぱり無理ですよね？」

俺は、2人の顔を伺うようにしながらそう言った。俺の予想では難しそうな顔をされて俺の言葉に「ああ、そうだな。」って返ってくると思ったんだがなぜか2人は今さっきとは打って変わって嬉しそうにしている。

「あ、あの………」

「一くん！ぜひともうちの娘を幸せにしてくれ！」

「……………………………え？」