今日は金曜日。

今日も平和に學校生活が無事に終わり帰りの支度をする。

「一君、帰ろ〜。」

すると既に帰りの支度を終えた優奈がやって來た。

「ああ、そうだな。」

俺は、そう言ってぱぱっと教科書などをカバンの中にれた。

そして、カバンを持った瞬間、ポケットにしまっておいたスマホが通知を知らせる音がした。

「一君、ちゃんと學校ではマナーモードにしなくちゃダメだよ。」

「授業中はちゃんとマナーにしてるよ。でも、バイブだけだとよく分からないからな。學校が終わってからは戻してるんだ。」

「そういうのは學校を出てからしてね。先生にバレたら私も一緒に注意されるんだから。」

「悪い悪い。次からは気を付けるよ。」

俺は、優奈にそう言ってスマホの畫面を見た。

ホーム畫面には優からのメッセージが來たことを伝えるバナーが來ていた。

優から……ということは明後日のことかな。

そう思いながらラインを開く。

『明日、會えませんか？』

優のメッセージは、それだけだった。

明日は特に用事など何もないので「いいよ」と返事をした。

するとすぐに返信が帰ってきた。

『ありがとうございます！では、明日、迎えに行きますね。』

俺は、その後に「何かあったの？」と質問した。それに帰ってきた返事は

『です。』

……………まっ、って言ってるのだからいっか。

ま、まぁ、次の日に運會なんだからあんまり遠出もしないだろうしな。

「さっ、帰ろうか。」

「ん？どうしたの、一君？顔が引きってるよ。」

「さ、さぁ、どうしてだろうな。あはは……」

「ん？」

優奈は、俺に向けて目を點にして首を傾げていたが俺は気にせずバックを持って教室から出ていった。優奈もすぐに俺についてきた。

その日は無事に帰って普通に過ごした。

そして次の日、朝10時頃に家のインターフォンが鳴った。

「それじゃ、行ってくるな。」

「行ってらっしゃい、お兄ちゃん。」

麗華に挨拶を告げて家を出た。

「お兄ちゃん、お久しぶりです。」

家から出るとすぐに優が現れてぺこりと挨拶をした。

「ああ、久しぶり。って言っても毎日連絡してるだろ？」

「もう本のお兄ちゃんに會えたのですからただの連絡だけでは満足できません。」

優は、をくねくねとさせながらそんなことを言っている。

「それで今日はどうしたんだ？」

「あ、あれ？スルーですか。ぶぅ〜……」

「ほらほら、そんな頬を膨らませてないで。」

俺は、そう言って両手の人差し指で優の膨らんだ頬を突いた。すると優の口からプシューと息が出ていった。

「もう1回聞くが今日はどうしたんだ？」

「今日は、明日のためにお母さんからおつかいを頼まれたんです。主に弁當の材ですね。それをお兄ちゃんに手伝ってもらおうと思いまして。」

「そういうことか。分かったよ。」

「あっ、し待っていてください。」

「ん？」

優は、車の方に行き、運転席に座っていたお付のと何か話していた。

そして、話が終わったのかこっちへ優が戻ってきた。

「どうしたんだ？」

「いえ、なんでもありませんよ。それでは行きましょうか。」

優がそう言ったのと同時に車にエンジンが掛かる音がして俺たちを乗せずにき出した。

「あ、あれ？あの車で行くんじゃなかったのか？」

「たまには歩くのもいいと思ったので。ダメでしたか？」

「いや、別にダメじゃないよ。逆にああいう高級車に乗るのは結構張するからそっちの方が助かる。」

「ふふ、それなら良かったです。では、行きましょうか。」

優は、そう言って右手を俺に差し出してきた。

「ん？」

俺は、それが何の意図か分からず首を傾げてしまった。

「手、繋いでいきましょ？」

「ああ、手を繋げってことね。確かに車とか通って危ないからな。」

「違いますよ〜。私がお兄ちゃんと手を繋ぎたいから繋ぐんです。」

「そ、そうか。ま、まぁ、なんでもいいけど。」

俺は、し照れを隠すように優から顔を逸らして差し出された右手を俺の左手で握る。

優のこういう言には嬉しいけどどう反応すればいいのか分からず困ってしまう。

だが、優は手を繋がれたことに対し喜んでいるようだ。

優の手、結構もちもちしててらかいな。

「優、なんで今さっきからそんなにぎにぎと俺の手をってるんだ？」

「えへへ、お兄ちゃんの手のを確かめているんです。」

優は、そう言って今度は両手でにぎにぎとってきた。

ん〜、なんか、手をマッサージされてるみたいで気持ちいいな。

「って、こんなことしてないでそろそろ行くぞ。」

「はっ、つい夢中になってしまってました。」

優は、そう言ってえへへ、と可らしい笑みを浮かべた。

こういう表にドキリとしてしまうということは俺は、やっぱりロリコンなのかな？まぁ、もうなんでもいいや。

「では、行きましょう。」

「ああ、そうだな。」

俺は、優の歩幅に合わせて歩道を歩いて行った。