《俺の許嫁は!?》98話 今はデート中のようです

優と2人で出掛けて近くのショッピングモールまでやって來た。

「ふふっ、お兄ちゃんとデート〜。」

優は、このように今さっきからとてもご機嫌らしい。

「一応言うがこれ、デートじゃないからな。買いだからな。」

「うふふ、分かってますよ〜。お兄ちゃんと2人でお買い〜。」

「………まぁ、いいか。」

俺は、ため息を吐きつつ優と手を繋いだまま、ショッピングモールの中を進む。

「まずは何を買うんだ?」

「そうですね、大きいものを先に買ってしまうとあとが面倒なので軽いものから買っていきましょう。」

優は、そう言ってメモ帳を取りだした。それには綺麗な字で何を買うのか示されていた。恐らくお義母さんに持たされたのだろう。

「まずはお兄ちゃん用のお箸を買いに行きましょう。」

「は?俺用の箸?別にそんなのいいよ。割り箸とかを自分で持ってくるから。」

「ダメですよ。運會以外にも必要になる時が來るかもしれないんですから。」

優は、そう言って問答無用というように歩いていった。

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俺は、し申し訳ないなと思いながら優について行った。

そして、俺たちがやってきたのは々なものを置いている雑貨屋だ。

「こう々と置いていると目移りしちゃって必要のないものまで買ってしまいそうです。」

「確かにそうだな。おっ、これ、麗華が好きそうな柄のハンカチだ。あ、これは優奈に…………」

「むぅ〜………」

俺が々と見ていたら優が頬を膨らませてジト目でこっちを見てきた。

「な、何?」

「今は、私とデートをしているのですから他の人の名前を出さないでください。」

「い、いや、これ、デートじゃないんだけど……」

「いいえっ!これは、私とお兄ちゃんのデートです!」

「ちょっ!?み、優!聲!聲でかい!」

ほら〜、優が大聲出すから周りにいたお客さんとか店員さんとか小さな聲で話し始めたよ?って、攜帯取り出して俺が不安になるような會話をしていそうなんだけど!?

やばい、ここにはもう居られない。

優、一旦箸は後だ!まずは、ここを離れるぞ!」

俺は、そう言って優と一緒に雑貨屋を出ようとしたが優が頬を膨らませたまま歩こうとはしなかった。

「ど、どうしたんだ、優?」

「デートの最中に私以外の人のことを考えるなんて酷いです。」

「い、いや、今はそんなことを言ってる暇ないんだって!」

「ふん………」

ああ、本當に怒ってる。

このままじゃ、どっちみち買いが出來ないな。

仕方ない。優か周りの人たち、どちらかを説得する必要があるのだけれど、周りの人たちは、不特定多數だから簡単に説得できる気がしない。

そうなると手段は、1つしかないな。

優、俺が悪かった。一旦この場から離れてくれたら今日は何でもしてあげるから。これで許してくれないかな?」

「なんでもですか!?なんでも………なんでもいいんですね?」

「お、おう、あんまり金を持ってないから高価なものは買えないけど。」

「別に何かしいものはありません。お兄ちゃんにしてしかったことがあるんです。」

「そ、そうか。とりあえず、この場から離れよう。」

「はいっ!」

優は、俺の手をぎゅっと握りしめて一緒に店を出てくれた。

ふぅ〜、なんとかこれで一難去った。

そして、また俺の目の前に一難。

「ふふ、お兄ちゃんにあれをして貰えるなんて……夢みたいです。」

優は、口元を緩めてニヤニヤしている。

たしかに何でもしてあげるって言ったけど……何をさせられるんだ?

俺が型唾を飲み込むと早速優がこっちに振り向き二パァーと笑った。

「お兄ちゃん!こちらです!」

優は、そう言うと俺の手を引っ張ってショッピングモールの中を移した。

優に連れられるまま約5分弱。連れてこられたのはショッピングモールにある喫茶店だった。

「さぁ、りましょう。」

「もう晝にするのか?」

「いえいえ、お晝は後でちゃんと食べますよ。この喫茶店のキャンペーン商品を頼みたいんです。」

「キャンペーン商品?なんだ、それ?」

「とりあえずりましょう!」

優は、そう言うとまた俺を引っ張って店の中に連れ込んだ。

するとお店のお姉さんがやって來て俺たちを席まで案する。

そして、お店のお姉さんがお辭儀をして去ろうとした瞬間、優が呼び止めた。

「もう注文してもいいですか?」

「あ、はい、大丈夫ですよ。それで、ご注文の品はなんでしょうか?」

「キャンペーン商品で!」

「え?きゃ、キャンペーン商品……ですか?」

「はいっ!」

優は、満面の笑みで頷いた。

だから、そのキャンペーン商品ってなんだよ。

「ちょ、ちょっとお待ちください。」

お店のお姉さんが一旦廚房の中にって何やらしごつい人と話してる。

そして、話が終わったのかお店のお姉さんがまたこっちにやってきた。

「店長から許可が取れました。キャンペーン商品を1つですね。以上でよろしいでしょうか?」

「はいっ!」

「それでは失禮します。」

お姉さんは、またお辭儀をすると廚房の方へ行った。

……………キャンペーン商品って別にそんな危ないものじゃないよね………ね?

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