優と一緒に喫茶店でキャンペーン商品を待つこと5分。

今さっきのお姉さんがトレイに大きなコップに注がれたジュースを持ってきた。

「お待たせしました。こちらが當店のキャンペーン商品『2人は甘いの味』です。」

なんですか、その商品名は。

もう名前からしてヒヤヒヤするのだが………

俺たちの前に置かれたのは大きなコップにジュースが注がれそれに二人用のハート型のストローが付いていた。

優の方をチラッと見てみると優は、目を輝かせてその商品を見ていた。

「2人で一緒にストローに口を付けて飲んでください。」

お姉さんは、そう言うとお辭儀をして廚房の方へ戻った。いや、完全に戻ってない。俺たちの様子を見屆けてる。

俺は、どうしたものかと考えていると優が早速ストローに口を付けて俺の方を見た。

「さぁ、お兄ちゃんもストローに口を付けてください。」

「な、なぁ、これってもしかしなくてもカップル専用のキャンペーン商品なんじゃないか？」

「そうかもしれませんねー。ですが、ここに出されたということは私とお兄ちゃんがカップルに見えたということです。出された以上、飲まないと作ってくれた店の人に悪いですよ。」

「まぁ、確かにそうだが………今からでも俺たちはカップルじゃないって教えて普通のストローを２本もらったほうが早いんじゃないか？」

「さぁ、早く飲みますよー。」

「話聞けよ！」

ってか、まず、俺と優がカップルに見えるものなのか？普通は兄弟とかに見られると思うんだが………

「もしかして、優、お前なんかこの店にした？」

「ぎくっ！」

「口でぎくって言ってるぞ！その反応、めちゃくちゃ怪しいからな！？」

「な、何もしてませんよ〜？」

「もう今から何言っても誤魔化されないよ。」

「………………」

優は、ストローから口を離し俯いた。

い、言い過ぎたのかな？ま、まぁ、しくらいなら飲んでもいいよな？それで満足してくれるよな？

「優…………」

「お兄ちゃんは、言いました。」

「ん？」

俺が優に話しかけようとした瞬間、優は、下を向いたまま話し始めた。

「お兄ちゃんは、私の言うこと、なんでも聞いてくれるって言ってくれました。違いますか？」

優は、そう尋ねると顔を上げて鋭い目で俺を見た。

「うっ、た、確かに言った。」

「ですよね？なら、なぜいきなり私のお願いを斷ったのですか？それはし違うのではありませんか？本當ならキスのひとつでも頼んで良かったのですよ？でも、さすがにそれはお兄ちゃんが嫌だと思ってこれにしたのです。お兄ちゃんのためを思ってここにしてあげたのになぜ、斷るようなことをするんですか？」

やばい。優の目にがない。これは前にも見た事あるな。優と一緒に車で優の家に行っている時の途中の車で見たあのヤンデレ狀態だ。これ名前をつけるなら「黒優」。まぁ、普段が白いかどうかと言われると首を傾げてしまうが。

「わ、分かった。分かったから。ほら、飲むぞ。」

俺は、そんな優にし恐怖を覚え思わずストローに口を付けた。

「最初からそうしていればいいんです。それでは、飲みますよ。」

優は、機嫌が戻ったのか笑顔でストローに口を付けた。

結構近いな。優の甘くて良い香りがこっちまで來る。それに喋る時に吐息まで聞こえてしまうくらいだ。

「それではいきますよ。せーのっ！」

俺は、優の掛け聲と共にジュースを飲んでいく。優もジュースを飲む。これ、傍から見たらどんな景なんだろう。明らかに俺、変態扱いけてるよな？

俺たちは、その後ストローから口を離すことなく一気にジュースを飲み干した。

「ふぅ、結構量多かったな。」

「そうですね。でも、お兄ちゃんと人っぽいことが出來て私は満足です。」

「そうか。なら、買いの続きに行くか。」

ここでも周りの視線が痛すぎる。まぁ、あんな事をやったんだ。仕方ない。

俺は、優を促しレジで會計を済ませようとする。

「あっ、お兄ちゃん、ここは私が払いますよ。私からったんですから。」

優は、そう言って財布を取りだした。

「ダメだ。こういうのは俺が奢るもんなんだよ。」

「ですが………」

「良いって。気にすんな。」

「………分かりました。ありがとうございます。」

優は、そう言うと財布をポケットしまった。

俺は、それを確認して勘定を済ませて喫茶店から出る。

「さて、買いの続きをするか……と言ってもまだ何も買ってないけどな。」

「あの、お兄ちゃん、買いの時は私がちゃんと払いますからね。」

「ん〜……でもなぁ、なんか、優みたいな小さなの子に買わせると罪悪が半端ないし、周りの目もすごい気になるんだよな。」

「そうなのですが……私、お母さんから買い用のお金をちゃんと貰っているんです。」

「あ、そうなのか。」

でも、どうなんだ。買うところを見る限り優のお金で買ってるように見えるよな。

俺が腕を組み首を傾げて悩んでいると優から1つ提案された。

「でしたら、このお財布はお兄ちゃんが持っていてください。そして、會計の時はそのお金で買ってくださいね。」

「あ、ああ、それなら別に変に見られないか。分かった、大事に預からせてもらうよ。」

「はい。」

優から財布を貰うとすぐさま俺の手を優が繋いできた。

「ふふっ、それでは行きましょうか。」

優は、そう言って俺を引っ張る。

それから俺と優は、明日に向けての買いをしていったのだった。