《俺の許嫁は!?》107話 最初の催しは

保護者參加型「息を合わせろ親子の絆」が始まった。

最初は、親子で二人三腳で進むからなかなかのスローペースだ。

優、大丈夫か?きつくないか?」

「はい、大丈夫です。それよりももうちょっとくっ付いても良いですか?そっちの方が走りやすいです。」

「今も十分にくっ付いていると思うんだが………」

「まだまだですよ。」

「………分かった。」

俺は、優の肩に手を回す。優も俺の腰に手を回してさらにくっ付く。

さすがにこれは恥ずかしいが……周りもやっているから別に俺たちが特別くっ付き過ぎというわけではない。

だが、周りは親子で家族なんだ。

あれくらいは家族としてのスキンシップとしてあるのだろう。まぁ、今の俺にあんなふうに親にベッタリとくっつけと言われても無理だが。

そんなことを思いながら進んでいくと所々に進む方向の矢印がありそれに従って俺たちはさらに進んでいく。順位は周りにも人がいてお団子狀態だからよく分からない。1位じゃないってことは確かだ。

「おっ、最初の催しが見えてきたぞ。」

俺たちが曲がり角を曲がるとし前に一番最初の催しが見えた。

「もうですか。………はぁ〜。」

「なんでため息をついているんだよ。」

「なんでもありません。」

俺たちは、最初の催しがあるところへ行くとそこにいた先生に俺の足と優の足を結びつけてある人を解いて渡した。

「それでは最初にこれです。」

紐を渡した先生がこの催しでするものを説明し始めた。先生は、カゴの中から1つボールを持つとそれを優に渡した。

「これは、親が生徒を肩車してあの缶を當てるという簡単なものです。」

「肩車か。できないことは無いな。」

「ボールは投げたら取りに行ってください。當たらなかったら何度も挑戦していただいて構いません。功したらこのカゴにボールを戻して最初に貰った紙を私に渡してください。このスタンプを押します。」

「分かりました。説明ありがとうございました。」

俺は、先生に向かって一禮してから優を肩車するためにしゃがむ。

「さぁ、來い。」

「はい、お兄ちゃん!」

優は、俺に一旦ボールを渡して俺の肩にゆっくりと足を乗せる。

「ちゃんと摑まったか?」

「はい、大丈夫です。」

「それじゃ、立ち上がるな。」

俺は、ちゃんと確認を取った上で立ち上がり優にボールを渡した。

「お、重たくありませんか?」

「全然大丈夫だよ。むしろ軽すぎじゃないか?」

「そ、それならいいです。重たいと思われるよりはよっぽどマシです。」

「ははっ、そっか。それじゃ、行くぞ。」

「はい。」

俺は、優の足を持ちしっかりと安定させて歩いていく。

そして、缶の5メートルくらいのところにあるテープの前に止まる。

「それじゃ、いきますね。」

「別に焦らなくていいからな。何度でも挑戦できるから。」

「大丈夫ですよ。なんて言ったって今の私にはお兄ちゃんがついているんですから!」

優は、そう言うと「えいっ!」と聲を出してボールを投げた。

するとふんわりとボールが空中に投げ出されそれが1寸もズレることなく缶に當たった。

「おおっ!1発でクリアだ!すごいぞ、優!」

「えへへ、お兄ちゃんの前なんですから恥ずかしいところは見せれませんよ。」

俺は、優を肩車したまま、ボールを拾いそれをカゴに戻してから先生のもとへ向かう。

「クリアしました。」

「すごいですね。1回でクリアした人は、優ちゃんのところだけですよ。」

「おおっ、それはすごいな。やったな、優。」

「えへへ、頑張りました。」

「それでは紙を渡してください。」

「あっ、はい。」

俺は、ポケットに折り畳んでしまっておいたAと書かれた紙を取り出し先生に渡した。

すると先生もポケットにしまっておいたスタンプを取りだし近くにあるテーブルでポンッとスタンプを押す。

「はい、出來ました。それでは次も頑張ってくださいね。」

「はい。あ、ちなみに今、何人くらいが先にいるんですか?」

「そうですね………3グループ程でしょうか。」

「分かりました。教えていたたぎありがとうございました。それじゃ、行ってきます。」

「あっ!その前に優ちゃんを下ろしてあげてくださいね。」

「あ、そうだった。」

俺は、優を肩車したままだということを忘れて出発しそうになっていたところを先生にとめられた。

「ごめんな、優。今、下ろすから。」

俺は、そう言って1度しゃがんで優を下ろした。

「むぅ〜、別にあのままでも良かったんですが。」

優は、そんな愚癡をこぼしているが俺は問答無用で優を下ろした。

「さっ、次に行くぞ。」

「むぅ〜………はい。」

俺たちは、先生にもう一度一禮してから走り出した。

先生の言う通りならこのAグループでは4位ってことか。でも、全的にはどこら辺に位置しているのか分からないから油斷はできないな。

俺は、そんなことを考えながら優のペースに合わせて走っていくのだった。

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