《俺の許嫁は!?》122話 心配なんかされたくない

靜香の家で目を覚ました翌日。

俺は、帰宅の準備を済ませ朝食を食べさせてもらっているところだ。

「もうちょっとゆっくりしててもいいのよ?」

と、忍さんはし心配そうに俺にそう言った。

「いえ、もうの方は大丈夫なので。いつまでもお世話になりっぱなしだと申し訳ないので。」

「そう?うちはいつまでもいてもらっても構わないわよ?ねぇ、あなた?」

「うん、そうだね。一くんならいつまでもいてくれて構わないよ。」

「さすがにそこまで甘えるわけにはいきませんよ。俺だってもう高校生ですから。」

高校といえば今日も含めて4日も休んじゃったな。

本當は昨日のうちに家に帰って今日から學校に行くはずだったんだけど和博さんたちから止められてしまった。

「學校には連絡いれてあるから大丈夫だよ。」

俺の表で學校の心配をしていることが分かったのか和博さんが優しい聲でそう言ってくれた。

まぁ、連絡いれていようがなかろうが欠席ということに間違いはないんだけどね。

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でも、和博さんたちには本當に良くしてもらってなんだか悪いな。

絶対に今度、恩返ししないとな。

「どうしたの、靜香?ご飯全然減ってないけど?」

忍さんが靜香に向けてそう言った。

靜香のお皿に乗っている料理はまだ1口2口程しか手を出していないように見える。

俺は、し心配で聲を掛けてみる。

「靜香、大丈夫か?もしかして、俺の看病で疲れたんじゃないのか?」

「………ううん……違う。ただちょっと食がないだけ。」

靜香は、そう言うもののしだけ顔が赤いのが分かる。

俺は、靜香のおでこに手を乗せた。

「………ん〜、ちょっと熱い気がする。本當に大丈夫か?」

「〜っ!だ、大丈夫よ!昨日まで寢込んでた人に心配なんかされたくないわよ!」

靜香は、そう言うとぶんぶんと顔を振って俺の手を払った。

今さっきよりも顔が赤いような気がするが……

「………靜香、こっちへ來なさい。熱を測るから。」

「お、お母様、私はだいじょ………」

「いいから早く來なさい。」

「…………はい。」

忍さんは、鋭い眼で靜香に言うことを聞かすと2人でどこかの部屋へ行ってしまった。

「朝から騒々しくてごめんね、一くん。」

「いえ、家だと食事は全部妹と2人で食べているのでいつも靜かなんです。だから、たまにはこういう明るい食事も楽しいです。」

「そう?なら、よかった。」

そういえば麗華は、どうしてるんだろう?

俺が倒れる前、俺が悪いことを言っちゃって麗華を怒らせたからな。

ちゃんと家に帰ったら謝ろ。

そこで熱を測り終えた忍さんと靜香がやって來た。

「熱はあったのかい?」

「ううん、平熱だったわ。ただ単に食がないみたい。」

「そう?靜香、大丈夫か?」

「は、はい、大丈夫……です。」

チラッと靜香は、俺の方を見る。

まぁ、熱がないなら恐らくは昨日のキスのせいなんだろうな。

昨日のことを思い出すとし顔が熱くなる。

年の離れた子どものの子にキスをされてドキッとするなんて……俺は本當にロリコンなのか?

いやいや、あれは急なキスだったからだ。心の準備さえ出來てれば………ドキッとはしなかっただろうか?

「……一くんも食事が進んでないように見えるけど大丈夫?」

「え?あ、はいっ!大丈夫です。し考え事をしてて。」

「程々にね。食事の時は食事を楽しまなきゃ。」

「は、はい、そうですね。」

今の俺は、靜香の事で頭がいっぱいだ。

これも靜香の策略なんだろうか。

だったら俺は、その策略にまんまとかかったやつだな。

その後、俺は和博さんたちに心配させないように朝食を全て食べた。だが、靜香は結局朝食には半分も手を付けず殘してしまった。

靜香のことは心配だが……今さっき、靜香に言われた通り、昨日まで寢込んでた俺なんかに心配なんかされたくないだろうと思い、帰りの荷を持って和博さんたちに挨拶へと向かった。

「本當にお世話になりました。和博さんたちには迷を掛けてばかりで何にも返せてませんが………いつか必ずこの恩は返したいと思ってます。」

「ははっ、大げさだな。恩とじる必要は無いよ。前に一くんにはだいぶ迷を掛けちゃったからね。」

「い、いえ、迷だなんて俺は思ってませんよ。とても楽しかったですよ。」

「そうかい?まぁ、そう思ってもらえてるのなら嬉しいよ。でも、こちら側は迷を掛けたと思っているから本當に恩返しとかはしなくて大丈夫だからね。」

「で、ですが……」

「恩返しをしたいというなら………靜香のお見合い相手をお願いしたいところだわ。」

急な忍さんの言葉に俺は、言葉に詰まってしまう。

「ふふっ、冗談よ冗談。靜香にはもう結婚は強要しないって決めたからね。靜香がをして好きになった人がいるならその人と結ばれればいいと私は思ってるわ。…………もちろん、そこに年齢差なんて関係ないと私は思ってるわよ。」

「うっ………」

忍さんって時々、全てを見かしたように言うから怖い。

「さて、あんまり長居させちゃうと休めないだろうからすぐに車を出すね。玄関前でちょっと待ってて。」

「はい、分かりま………」

「ちょっと待ってください!」

ドタドタと廊下で走る音がしたと思ったら靜香が扉を思いっきり開けて和博さんに待ってと言った。

「どうしたんだい、靜香?」

「私の方はもう車の準備が出來てるので一は、私の方で送って行きます。」

「ん?そうかい?でも、學校に遅刻しないかい?」

「大丈夫です。いつもゆとりを持って學校へ行ってますので時間には余裕があります。」

「ん〜、そういうことなら任せようかな。ということで一くん、靜香の方の車で帰ってもらってもいいかな?」

「はい、大丈夫です。」

「そ、それじゃ、行くわよ一。」

「う、うん、それでは本當にお世話になりました。」

「うん、それじゃ、またね。」

「いつでも來ていいからね。」

2人は、俺たちに手を振って別れを告げた。

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