《俺の許嫁は!?》139話 お禮として
「ごちそうさま、靜香。」
「か、完食できるってことはもう大丈夫そうね。いちいち心配かけないでよね。」
「はい、すいません。」
靜香からトゲのある言葉が飛んでくる。
まぁ、でも、言葉にトゲはあるが俺の事をちゃんと心配してくれている。本當に優しい子だ。
「………それで……味の想は?」
「え?さっき言わなかった?」
俺は、確かに靜香に味の想を伝えたはずだ。ちゃんと靜香からの反応もあったし。
「こ、こういうのは何度だって言ったって構わないでしょ!それとも何?1度言ったらもう二度と言わなくていいの?」
「い、いや、そういう訳では無いけど……」
でも、2度目の想って結構恥ずかしいんだよな。
「ふふっ、一くん、せっかくだから言ってあげて。」
ずっと黙って俺たちのやり取りを見ていたお義母さんがそう言ってきた。
「靜香ちゃん、すっごい頑張って作ったのよ。そうよね、靜香ちゃん?」
「べ、別にそこまで頑張ってなんかないです!た、ただどうせ作るんなら味しいものをって思っただけで……」
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「ふふっ、たっぷりってことね!」
「ち、違います!」
お義母さんは、靜香と楽しそうにやり取りをしたあと、俺の方を向いてきた。目でこう言っている。
「ほら、早く想を言ってあげて」
と。
靜香もやはり気になるのか俺の方をチラチラと見てくる。
あ〜あ、さっき何も言わずに普通に想言っておけばよかった。なんか今さっきよりも恥ずかしいんだけど。
だが、ここで言わないのは作ってくれた靜香に悪いだろう。
「……お、味しかった……です…」
「ふふっ、良かったわね、靜香ちゃん。」
「べ!別に嬉しくなんてないですよ!味しいのは當然のことです!も、もっとほかの想はなかったのかしら!?」
「うっ、ご、ごめん。俺、あんまりそういうの得意じゃないんだよな。味しいものはやっぱり味しいとしか表現出來ないんだよな。」
靜香は、し不満げで肩が震えていた。
やっぱり味しいだけじゃ悪いよなぁ。
「あっ、そうだ。今日おかゆを作ってくれたお禮に何か今度俺も手料理を振る舞うよ。」
「え!」
「まぁ、あんまり料理したことないから味しいかどうか自信ないんだけど。それでもいいか?」
「…………ま、まぁ、作ってくれるのなら食べるわよ。」
と、靜香は、俺の提案をけれてくれた。
せっかくけれてくれたんだ。味しいものを作るようにしないとな。
…………あれ?そういえば俺、最後に料理したのいつだっけ?
料理関係は麗華に全部任せていたからな。し手伝ったことはあるが本當にしだけなんだよな。
「………俺、もしかしてインスタントラーメンくらいしか作ったことないかも。」
「えぇ!?」
靜香から驚きの聲が上がる。
うん、今考えると麗華がいない時は麗華が作り置きをしてるか、インスタントラーメンを作るかくらいしかしてなかったからな。
「わ、悪い。今よくよく考えると俺も料理したこと無かったわ。それでもいいか?」
「………え、ええ!いいわよ。その代わり料理の練習とかしちゃダメよ。私だって初料理を出したんだから同じ條件で出してよね。」
「いいのか?練習しなくて。味しく作るつもりだけど期待はずれなものが出てくる可能が高いぞ?」
「いいわよ。安心しなさい。出されたものはどんなに不味くても完食するから。」
まぁ、靜香がいいって言うんならそれでいいんだよな。
「ふふっ、良かったわね、靜香ちゃん。一くんの初料理が食べられて。」
「っ!べ、別にう、嬉しくなんか……」
靜香は、頬を赤らめそう言ったが徐々に語尾が弱くなっていった。
「ん〜、でも、たぶん一くんの初料理は優も食べたいと思うのよね〜。」
ああ、なんかすごい想像できる。
「もし、一くんが良かったらなんだけど優にも食べさせてもらえるかしら?」
「え、それは………」
俺は、答えに悩みチラッと靜香の方を見る。
「まぁ、別に私は構わないわよ。」
「靜香が大丈夫なら俺も大丈夫です。」
「ホント?良かったわ。ついでに私たちにも作ってもらってもいいかしら?」
「えぇ!?」
お義母さんは、そう言うと隣にいるお義父さんの方を向いた。
お義父さんもどうやら食べたいようでコクリと頷いた。
なんでみんな、そんなに俺の手料理なんか食べたいんだ?
まぁ、優なら絶対に食べたいって言うんだろうが。
ん〜、こうなったら麗華と一緒に料理を作ってみるか。いや、ダメだな。初料理を振る舞うって言ったんだから1回でも作ったら初料理ではなくなるもんな。
仕方ない。自分なりに調べるだけ調べてやるしかないだろうな。
「あの、もう一度言っておきますが俺、料理経験ないんですよ?」
「ん〜……そんなに不安なら優と靜香ちゃんも加えて3人で作ればいいんじゃないかしら?」
「え!?」
「優も料理はしたことないしきっと喜ぶわよ。」
いや、確かに喜びそうだけど……
俺と優は、料理を作ったことがない。靜香も今日初めて料理したわけでお粥しか作ったことがない。
間違いなくカオスな狀況になりそうだ。
「って、そうしたら俺が靜香にお禮を出來ないじゃないですか。靜香がお粥を作ってくれたお禮に俺も料理を作るはずなんですが。」
「ふふっ、それなら大丈夫なんじゃない?料理を作ってもらうより一緒に作った方がいいでしょ?靜香ちゃん。」
「っ!………………」
靜香は、急に自分に話を振られたからかビクッと肩を跳ねさせた。だが、特に何も言わずに目線を俺たちからそーっと外した。
「ほらね。」
「いや、無言でしたよ?」
「ふふっ、細かいことは気にしない。そんなに不安なら優奈ちゃんとも一緒に作ればいいし。」
「あ〜、確かにそれなら……」
まぁ、優奈が一緒にいてくれるのならそこまでカオスな狀況になりなさそうだな。
「決定ね!それじゃ一週間後のこの日にまたみんなで集まるってことで。」
「え?ちょ!」
俺が答えを出さずにお義母さんは、そう言いきってしまった。
「ふふっ、みんなの料理、楽しみだわ。」
あっ、こりゃもう何言っても無理そうだ。
「………まぁ、決まったものはしょうがないか。靜香、頑張ろう。」
「え、ええ、そうね。………ふふっ」
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