《甘え上手な彼3 秋編》第12話

朋香は最近元気がなかった、

何かモヤモヤするというか、なんだか何かが気になって仕方が無かった。

その理由を朋香は理解していた、しかしその理由を朋香は認めたく無かった。

「なんで私があんな奴を……」

ぶつぶつとつぶやきながら、朋香は子トイレに向かう。

そんな時だった……。

「……でさぁ~あの赤西って奴どうなの?」

子トイレの中からそんな話しが聞こえて來た。

朋香は思わずさっと柱のに隠れて聞き耳を立てた。

「え? どうって……ただ財布にして捨てるだけよ? いつもの通り」

「うわ~癒きっつ~」

「あぁいう今までモテなかった男って、簡単に奢ってくれたりするのよ。本當に男って単純で馬鹿よねぇ~」

話しをしていたのは、赤西の現在の彼である神谷癒だった。

告白していた時とは違い、言いたい放題に々な事を言っている。

「大、あんな男と私が付き合うわけないし~」

「あはは!! まぁそうだよね~」

癒は笑いながら、他の二人の子生徒と子トイレを後にしていった。

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朋香は柱のに隠れて居たため見つかる事がなかったが、話しを聞いた事により、の中のモヤモヤが大きくなってしまった。

「なぁ、優一」

「あん? なんだよ繁村」

晝休み、繁村は屋上に行き、高志達がお晝を食べ終わったタイミングで話しをしに來ていた。

その場には優一と高志の他にも紗彌に由華、そして芹那と泉がいた。

「いや、なんか人も多いし場所を移そうぜ。あ、高志と……あと泉も頼むわ」

「え? 俺もか?」

「それに……僕も?」

いながら三人は繁村に言われるままに、屋上近くの階段の踴り場に向かう。

「で、どうしたんだ?」

「赤西を始末する相談か?」

「そうしようとしたんだが……そうも行かなくなってな……」

「なるほど……」

「そう言うことか……」

高志と優一は何かを察し、同時に言葉を発する。

「「赤西と共に俺達も始末する気だな」」

「いや……二人ともいくらなんでもそれは……」

「そうしたいんだが……」

「そうしたいんだ……」

警戒態勢をとる高志と優一の橫で、泉は口をヒクヒクさせながら若干引いていた。

繁村はそんな泉を放って話しを進める。

「それがな……」

繁村は昨日聞いた話を三人に教えた。

赤西が実は騙されていること、そして癒のバックには危ないお兄さんの存在がある事。

「なるほどな……それで心配になって優一に相談してきたのか……」

「その割にはお前機嫌が良さそうだな?」

「そ、そんな事はないぞ! 全然、やっぱり騙されてやがったな、ざまぁー、とか思ってないからな!!」

「うん、心の聲も丸気聲だったわ」

「転校してくる學校……間違えたかな……」

心配しているようで、あまり心配していない様子の繁村を見ながら、泉は肩を落としてそう呟く。

「しかし、酷いな……」

「俺もよくよく考えて思い出したんだよ、前に先輩があのに酷い目に遭わされたって」

「んで、俺になんとかしろと?」

「あぁ、優一は喧嘩強いだろ? なにか起こってもお前なら……」

「お斷りだ」

繁村が言い終える前に優一は不機嫌そうにそう言った。

優一の思いも掛けない一言に、高志は優一に言う。

「おい、それぐらい良いだろ?」

「馬鹿言うな、そりゃあ赤西が頼んで來たなら、まだ話しは別だ。だがな、今の狀況じゃ、繁村のやってることは赤西にとっては大きなお世話かもしれないだろ?」

「お、俺は赤西を心配して……」

「なら、この事実をまず赤西に言ってこい。それで赤西が何かされたって言うなら、なんとかしてやる」

「そ、そんなん……言えるかよ……言ったところで信じねーよ」

「なら繁村。昨日の事は見なかった事にして忘れるんだな、元々安易に告白をけた赤西の責任だ」

「お、おい優一! そんな言い方……」

「そうだよ、いくら何でもそんな……」

「うるせぇ!! 元はと言えば、赤西がいきなり告ってきた奴と付き合うからこうなるんだろうが!!」

「お前はへたれ過ぎだけどな……」

「おいこら高志、何か言ったか?」

高志は優一が芹那から告白されたさい、なかなか首を縦に振らなかった事を思い出し、ぼそっと呟く。

それが気にったのか、優一は眉間にシワを寄せる。

「じゃあ、話しは終わりだ」

「あ! おい!!」

優一は繁村にそう言うと、屋上の芹那の元に戻っていった。

「まったく……優一の奴」

「那須君の代わりに僕たちで力になれないかな?」

「そうだな、々心配だし、俺たちは力を貸すぞ?」

殘った高志と泉はなんとか力になってやろうと繁村と相談を始める。

「悪いな……でも、高志も泉も喧嘩なんて出來ねーし……こうなったら早いとこ赤西に事を話して別れさせるしか……」

「上手くいくか? 赤西の奴、かなり喜んでたし……」

「そうだよね……」

三人ともあの赤西のあの浮かれ様を見ていたため、赤西がこの話を信じるか心配だった。

「こうなったら、クラスの奴らと協力して、別れなければ殺すと拷問して……」

「結局危ない目にあってるじゃねーか……てか、うちのクラス奴らの方が、彼持ちに何するかわからねーぞ……」

こうして、高志達は赤西の目を覚まさせるために行を始めた。

「あ、優一さん! お話終わったんですか?」

「ん……まぁな……」

「あれ? 高志は?」

優一だけが屋上に戻り、泉と高志が戻らない事に疑問を抱く紗彌。

優一は不機嫌そうな顔をして弁當箱を芹那に渡す。

「ん……味かった」

「えへへ~明日も作ってあげますからね~」

「那須、あんた芹那ちゃんに弁當作って貰ってるの?」

「まぁな……じゃあ、俺は教室戻る」

華の言葉に軽く答え、優一は教室に戻る。

「あ、まって下さいよぉ~!」

そんな優一を追って芹那も屋上を後にする。

紗彌と由華は殘りの二人は一どうしたのだろうというじで、顔を合わせる。

一方優一は廊下を歩いていた。

「優一さ~ん、早いですよぉ!」

「うるせぇ。お前も教室戻れよ」

「出來るだけ一緒に居たいじゃないですかぁ~」

「俺は居たくない」

「いつも通り良いじにSですね!」

「違うっつの……」

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