《甘え上手な彼3 秋編》第13話
いつものように芹那に冷たい態度でいる優一。
丁度その時、優一が一組の前を通りかかると一人の子生徒が何やら注意深く一組の中を覗いていた。
「あれって……」
「あ! 優一さんまた他のの子見てる!! 浮気ですか!」
「お前はちょっと黙ってろ……」
「んー! ん!」
優一は芹那の口を押さえ、柱のに隠れてその子生徒の様子を見る。
中を見ているのは優一のクラスメイトの朋香だった。
何やら険しい表で中を見た後、その場を去って行った。
「……はぁ……なんでこう面倒事が次から次へと……」
「んー! ん~!!」
「お、悪い」
「はぁ……はぁ……もう、優一さん! そう言うのは二人っきりの時だけって……」
「口を押さえただけで興するな、この変態」
「はぅ! 今の良いです! もう一回お願いします!」
「帰れ!」
*
授業が終わり、今は放課後。
高志と泉、そして繁村は赤西の機の周りに集まっていた。
「な、なんだよお前ら……」
「赤西悪いことは言わん! あの癒とかいう奴ともう別れろ!」
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「お前のためを思って言ってるんだぞ」
「また良い出會いがあるよ」
繁村に続いて高志と泉が赤西に癒と別れるよう説得を始める。
しかし、赤西は聞く耳を持たず、笑いながら高志達に言う。
「おいおい、いくら俺に彼が出來て羨ましいからって、そんな事言うなよ~」
ニヤニヤと照れながら答える赤西に若干イライラする一同。
しかし、このままでは赤西に不幸が起こってしまうかもしれないのも事実。
「確かに彼が出來て嬉しい気持ちもわかるが……あいつはヤバイんだって!」
「それに、クラスの連中からもそろそろ殺されるぞ」
「見ろ、あそこの連中なんてお前をどこに埋めるかの相談を始めてるんだぞ?」
「まったく、お前ら馬鹿だなぁ~。障害なんて二人で乗り越えられるさ」
何も知らずにそんな呑気な事を言う赤西。
そんな赤西に、繁村はとうとう癒の本を伝える。
「あのは! お前を財布としか思ってないんだよ! バックには喧嘩の兄貴も居るし! 今のうちに手を切っとけ!」
「おいおい繁村、男の嫉妬は見苦しいぜ~」
「お前にだけは言われたくないんだよ!!」
「赤西、ここは繁村を信じて……」
「高志まで……いくら癒が宮岡より可いからって……」
「おい今なんっつた?」
「八重君! 抑えて! 抑えて!」
紗彌の事を言われ、頭にきた高志を泉が止める。
全く話しを聞こうとしない赤西に、高志達はどうしたものかと頭を悩ませる。
「悪いけど、今日は部活も無いから一緒に変える約束してるんだ」
そう言って赤西は帰り支度を始める。
そんな赤西を高志達がなんとか止めようとすると、赤西のスマホにSNSの一つの通知が屆く。
「ん? なんだ………えぇ~!」
「どうしたんだ? 赤西?」
「癒が今日は一緒に帰れ無いって……」
どうやら連絡は癒からのものだったらしい。
これは不幸中の幸いと思った高志達は、赤西の説得を続ける。
そんな高志達を他所にクラスでは……。
「あれ? 朋香は?」
「なんかホームルーム終わって直ぐに出て行ったわよ、用事があるとかで……」
「珍しいわね? 用事って何かしら?」
「男だったりしてぇ~」
「あぁ~、朋香ならありそ~」
朋香は既に教室には居なかった。
いつもなら仲の良いクラスの友人と話しをしてから帰宅するところなのだが、今日は直ぐに教室を後にしていった。
*
放課後、人気の無い工場の跡地に子高生が二人來ていた。
一人は長い足にふわっとウェーブの掛かった長い茶髪が印象的な子生徒。
もう一人は黒髪にクリッとした大きな瞳が印象的な子生徒。
どちらも可く、殺伐とした工場の跡地には不釣り合いだった。
「なにかなぁ? 私に用って」
「別に大した用じゃないわ……ただ、うちのクラス馬鹿をあんまりからかわないでっていうお願いをしたかっただけよ……」
「えー、別にからかってないよ?」
「とぼけるのもいい加減にしなさいよ。私はね、アンタみたいにの腐ったが大っ嫌いなのよ」
「あー、もしかして……私が健輔君のこと取っちゃったから起こってます~?」
「は、はぁ?! そ、そんな訳無いでしょ! あんなウジ蟲! ゴミ蟲! いや、もうただの生ゴミなんて!!」
「そ、そこまで言わなくても……」
朋香のオーバー過ぎる照れ隠しに、思わず癒は赤西に同してしまう。
「と、とにかく! 私はアンタみたいに男を食いにしてるアンタみたいな奴が大っ嫌いなのよ!」
「いや、アンタも結構酷い事言ってたわよ……」
お前が言うなよという視線を朋香に向けながら、癒は肩を落とす。
「そんな事言われてもぉ~、騙される方が馬鹿じゃん? それにぃー、あっちがお金出してくれるって言うしぃー」
「アンタのそういうとこがムカつくのよ」
「そんな事言ってもぉ~どうせアンタも同じような事してきたんでしょ? ギャルっぽいし、遊んでそうって、噂だよ~」
皮たっぷりに言う癒を見て朋香は更に腹を立てる。
「私の事なんてどうでも良いのよ……とにかく、あいつで遊ぶのやめて貰える?」
「えぇ~まだ、遊ぶってほど遊んで無いし~アンタが黙っててくれれば私も健輔君も幸せでしょ~?」
「何馬鹿な事言ってるのよ、私が黙ってる訳……」
「うん、知ってるわ、それにこういう困った時には……」
癒がそういうと、大學生くらいの男達が廃工場の奧から出てきた。
「お兄ちゃんになんとかして貰ってきたしね~」
「アンタ……本當に最低ね……」
「ウフフ……なんと言われようと私は気にしないわ~。じゃあお兄ちゃんあとよろしく~」
「ん……結構ヤバイかも……」
ジリジリと近づいてくる男達。
癒はそんな朋香を見ながら楽しんでいる。
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