《甘え上手な彼3 秋編》第14話

「だから何度も言ってるだろ!!」

「しつこいな! なんなんだよ!!」

高志達は放課後殘って、赤西の説得をしていた。

流石に赤西も三人のしつこい説得にイライラを募らせていた。

「繁村! しつこい男は嫌われるんだぞ!!」

「だから! お前にだけは言われくないんだよ!」

「んだとぉ!」

「なんだよ!」

なんだか半分、赤西と繁村の喧嘩になってしまっていた。

互いに互いの悪口を言い、お互いに傷つけあっていた。

「はぁ……まったくこいつらは……」

「なんか、何を言っても無駄な気がしてきたよ……」

呆れた様子で泉と高志がそんな事を呟いていると、高志は足下に何かあるのを見つけた。

「ん? なんだこれ?」

高志が見つけたのはお守りだった。

そこには通安全と書かれており、結構古そうなだった。

「おーい、これって誰のかわかるか?」

高志はクラスに殘っている生徒に尋ねる、しかし持ち主は現れなかった。

「おい、これ誰のか知ってるか?」

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「え? なんだこの古いお守りは?」

「あ………」

高志は赤西と繁村に尋ねると、二人は喧嘩をやめてお守りを見る。

赤西は見覚えがあるらしく、高志が持っているお守りを凝視する。

「これ……西城のだ」

「なんでわかるんだよ?」

「いや……昔、ちょっとな……」

「なら、西城の機にでもれておけば良いか」

「いや、ダメだ!」

「ど、どうした? 急に大聲で……」

「あ……いや、なんでもない……これは俺が屆けるよ」

「え? あ、おい! 赤西!!」

赤西はそう言うと、高志の手からお守りを奪い取って、そのまま教室から出て行ってしまった。

「たく……急にどうしたんだ?」

「さぁな、それよりも今日は俺たちも帰るか……そろそろ紗彌も委員會終わる頃だし」

「それもそうだな……しかし、あの慌てよう……なんか怪しいなぁ……」

「繁村君は疑い過ぎだよ。それじゃあ僕はそろそろ先に帰るね」

「おう、じゃあな泉」

「また明日」

高志達も赤西が居なくなり、學校に殘っている意味が無くなり、それぞれが鞄を持って帰ろうとする。

赤西はお守りをを持って、商店街を歩いていた。

「……あいつも……いまだに持ってたのか……」

高志はお守りを見ながらそう呟く。

赤西はこのお守りの事を知っていた。

それは赤西と朋香が小學三年生の時の事だった。

「あの頃はまだ……仲良かったよなぁ……」

赤西はふと、昔の事を思い出す。

それは今から八年前の事……。

「まってよぉ~けんくーん!」

「なんだよ、ともかはおそいなぁ~」

「だって……ぐす……けんくんが早いんだもん……」

「あぁ! わかったから泣くなよ!」

夕方の公園で二人の児が遊んでいる。

それは小學三年生の頃の赤西と朋香。

二人はこの頃までは仲が良く、よく二人で遊んでいた。

「ね、ねぇ……け、けんすけくんはずっと私と……な、なかよしでいてくれる?」

「うーん……ヤダ!」

「え……うっ……な、なんで?」

思いも掛けない赤西の臺詞に朋香は涙を堪えながら尋ねる。

「泣き蟲とはいやだ! だから泣き蟲なおせ! そしたらずっと仲良しでいる!」

「ほ、本當に!? や、やくそくだよ!」

「おう! まかせとけ!」

二人はこの頃は凄く仲が良く、學校でも休みの日でもずっと一緒だった。

しかし、そんなある日の事……。

「はい! けんすけくんこれ」

「なんだ? これ?」

「お守りだよ。これがあれば怪我もしないし、不幸にもならないって!」

「ふーん、ありがと!」

朋香が渡しのは、お揃いのお守りだった。

通安全と書かれたそのお守りを赤西も朋香も大切に持っていた。

そのせいもあってか、赤西も朋香も怪我や病気にかからず、元気に育っていった。

しかし、お守りでも防げない事が二人のに起きてしまった。

それはとある日の放課後の事だった。

朋香はいつものように赤西と家に帰ろうと、赤西を探していた。

「なぁ、けんすけってさー西城の事好きなの?」

「は、はぁ?」

「いっつも一緒だよなぁ~、ひゅーひゅー!」

「ば、馬鹿! 好きなんかじゃねーよ! 泣き蟲だし、足遅いし」

廊下の曲がり角で朋香はそんな赤西達の話しを聞いてしまった。

朋香は赤西本人からのその言葉に相當なショックをけた。

それからだった、二人はあまり一緒に遊ばなくなってしまった。

まだ子供だった朋香は、赤西のそんな言葉を聞いて、振られてしまったと思い、赤西と仲良くする事が出來なくなってしまった。

「う……う……グス……」

一人、工場の跡地で泣いていた朋香。

しかし、朋香は決して弱く無かった。

自分を振った事をいつか赤西に後悔させてやろうと、容姿に気を遣い、格も大人しい格から活発な格になった。

「絶対……絶対に後悔させてやる!!」

そんな事を考えながら、朋香は高校でも赤西を後悔させるためだけに、同じ高校を選んだ。 しかし、実際は後悔させたいからという理由はただの建前だった。

本當の朋香はまだ諦め切れないでいた。

「はぁ……あの馬鹿……まだこれ持ってたのかよ……俺はてっきり捨てちまったのかと思ったが……」

赤西はお守りを見ながら昔を思い出していた。

「昔か……戻れるなら……戻りてーな……」

赤西は昔のとある出來事を思い出していた。

それは、昔聞いた子の話。

小學生の頃、赤西と朋香の仲が段々悪くなり始めていた頃だった。

赤西は朋香を含めた子數名のコソコソ話しを聞いてしまった。

『ねぇねぇ、ともかちゃんってけんすけ君が好きなの?』

『え………ち、違うよ……むしろ……大っ嫌いだもん………』

好きだったの子からのこの言葉は赤西にとっては大ダメージだった。

「なんで……こうなっちまったんだろ……」

赤西はなんでこうなってしまったのか、ずっとわからずにいた。

大人しくかった朋香は、活発で活的になり、ギャルっぽい格好までするようになってしまった。

「はぁ……人生何があるかわからないって言うけど……本當だな」

赤西はそう言うとポケットにお守りをしまい、道を歩き始める。

そんな赤西の耳に通行人の會話が耳にってきた。

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