《甘え上手な彼3 秋編》第18話

「………はぁ……お前にはバレるか……」

「當たり前よ、小學生の頃から一緒なんだから……」

「それもそうだな……あ、あとこれ」

「ん? あ……」

赤西は教室で拾ったお守りを朋香に返した。

あの時のドサクサで無くしたとばかり思っていた朋香だったが、見つかってほっとする。

「教室に落ちてたぞ……まだ持ってたのか……」

「ま、まぁ……捨てるのももったい無いし……」

照れた様子でお守りをけとると朋香はそれを握り締める。

赤くしていた顔を更に赤くし、朋香は赤西に照れ隠しで尋ねる。

「そ、そんな事よりも……今度彼をつくる時は気をつけなさいよ。始めて付き合って振られて、々わかったでしょ?」

「まぁな……確かに、本當に好きじゃない奴と付き合っても良いことなんてないしな……」

「あ、アンタ……好きな人とか……居るの?」

「居てもお前には教えねーよ」

「な、なんでよ!!」

「馬鹿にされるからだよ。それに……恥ずかしい」

「ば、馬鹿にしないから教えなさいよ!」

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「嫌に決まってるだろ! 大なんで俺がお前にそんな事……」

「良いから言いなさい!!」

「なんでキレるんだよ……」

徐々にいつも通りの二人に戻ってくる赤西と朋香。

この時、朋香は気がついていた。

やっぱり赤西と居るのが楽しいこと、そして何年経っても赤西が好きなんだという事に……。

「はぁ……そろそろ帰れよ、お前は明日も學校だろ?」

「言われなくて帰るわよ! ここに居たら妊娠しそうよ!」

「俺が何をすると思ってるんだよ……」

朋香は立ち上がり、部屋のドアに手を掛ける。

「ねぇ……健輔」

「ん……お、おう? きゅ、急にど、どうした?」

「べ、別に良いでしょ! 昔だって名前で呼んでたし! 早く直して學校に來なさいよ馬鹿!」

そう言うと朋香は勢いよくドアを閉めて病室を後にした。

殘った赤西は朋香の急な呼び方の変更に戸っていた。

「な、なんなんだ……あいつ?」

クラスマッチ當日、空は晴天に恵まれ、學校中はクラスマッチでもりあ上がっていた。

「勝つぞぉぉぉぉ!!」

「「「うぉぉぉぉぉぉ!!」」」

高志達のクラスの二年三組のクラスメイト達もクラスマッチに燃えていた。

男子はここで活躍すれば、人が出來るかもしれないという事をにいつも以上の気合いを見せていた。

そんな高志のクラスの中で、赤西は一人大人しくしていた。

「はぁ……俺もこの前まではなぁ……」

腕を折ってしまい、ギブスをした狀態で赤西は競技を見學していた。

ソフトボールの試合を校庭の隅で大人しく見ていた。

「つまんねー」

活躍も出來ないし、おまけに左手は使えない。

やることがなく、スマホを弄って暇つぶしをしていると突然隣に誰かが座った。

「何やってるのよ……こんなところで」

「ん? なんだ西城か……」

「なんだとは何よ……折角心配して來てあげたのに……」

「ん? 何か言ったか?」

「何でも無いわよ……男子達、頑張ってるわよ……さっきは三年生に勝ってたし……」

「まぁ、うちの男子はな……でも、端から見ててわかったよ。あれじゃモテない」

赤西達のクラスの男子達がモテない理由、それは必死過ぎてやり過ぎてしまっているからだ。

ルールには則っているものの、やり過ぎて子からは引かれ気味であった。

「ま、みんな彼しいんだろうな……」

「アンタはこの前の一件で隨分懲りたみたいね」

「まぁな……やっぱり誰でも良いってわけじゃないってわかったからな……」

赤西がそう言った時、丁度そのとき晝休みのチャイムが校に響き渡った。

「飯の時間か……さて、クラスに戻るか」

「あんた、その手で食べられるのか?」

「まぁ、利き手じゃないからな……食いにくいけど、パンなら……」

「そう………なにか困ってることあったら言いなさいよ、私に出來る事なら手伝うから」

そう言う朋香の顔を赤西は不思議な表で黙って見つめる。

「な、なによ?」

「いや……お前がそんな事言うなんて……熱でもあるのか?」

「な! ち、違うわよ!! 心配してやってるんでしょうが!!」

朋香は赤西にそう言うと、怒っていってしまった。

朋香もこの前の事に責任をじているのだろうと、赤西は気がついた。

「なんだ……変わってねぇじゃん」

赤西はそんな朋香を見ながら、朋香は何も変わっていなかった事に気がつく。

そんな朋香の後ろ姿を見ながら、赤西はホッとしたように笑みを浮かべる。

「さて……飯でも食うか」

赤西は立ち上がり、教室に戻って行った。

「高志……」

「ん? どうしたの紗彌?」

「なんか今回私の出番なく無い?」

「え? 出番? 一何の話し?」

「夏編でも私が出ない話の方がなかったのに、今回は凄くないわ」

「な、夏編? 紗彌どうしたの? 疲れてる?」

「しかも、私と高志のイチャイチャシーンもお母さんに邪魔されるし……」

「そ、それは……あれ以上はR指定が……」

「とにかく! 次の修學旅行編こそ! 私と高志のイチャイチャを……」

「あ、紗彌。もう時間だって」

そういう訳で、これにて赤西編ことクラスマッチ編は終了です。

次回からは修學旅行編をお送り致します。

修學旅行で何があるのか、語の鍵を握るのは転校生の泉君と最近の薄い由華!

はたして、修學旅行で一何が起こるのか!

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