《甘え上手な彼3 秋編》第19話

クラスマッチが無事に終わり、高志達二年生は今度は修學旅行の話題で盛り上がっていた。 行き先は京都と奈良に四泊五日、學生生活最大のイベントに二年生は大盛り上がりだった。 今も高志達は修學旅行の班決めを終え、自由行でどこを回るかを話しあっていた。

「高志と泉と同じ班か……まぁ、無難で一番良いかもな」

「無難ってどう言う意味だよ……」

優一が一緒の班になった高志と泉を見てつまらなそうに話す。

しかし、高志は優一と違ってこの班編制はかなり嬉しかった。

その理由は……。

「高志、同じ班だね」

「そうだな、紗彌」

「寫真いっぱい撮ろうね」

「俺は紗彌しか撮らないかもしれない」

「それはダメだよ? 嬉しいけど」

いつも通りイチャつく高志と紗彌。

そんな二人を殘りの班のメンバーが呆れた様子で見ていた。

高志の班は、優一と泉、そして子は紗彌と由華だった。

「おい、泉。あのバカップル置いて行こうぜ」

「ダメだよ、折角の修學旅行なんだから」

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「俺はあの二人を見ているとイライラする。特に高志」

「それは多分、クラス男子の半分以上が同じ気持ちだと思うよ?」

イチャつく高志と紗彌を他所に、優一達は修學旅行の打ち合わせを始める。

「んで、那須と泉君はどこ行きたい?」

「俺は金閣寺だな」

「僕は……清水寺かな」

二人にそう尋ねたのは由華だった。

京都の旅行用のパンフレットを見ながら、自由行の計畫を練っていた。

「紗彌と八重君は、どうせ二人で嵐山辺りに行くんでしょ?」

「え? なんで知ってるんだ?」

「由華……もしかしてエスパー?」

「そりゃあ楽しそうに二人で嵐山の寫真見てれば気づくわよ……」

「まぁ、良いんじゃないかな? 折角カップルで同じ班なんだし、出來るだけ二人が良いよね?」

泉の提案は高志と紗彌にとってはありがたかった。

最近の高志と紗彌の中はかなり良好だった。

だからこそ、この修學旅行で二人は互いに更に関係を進めたかった。

「修學旅行、楽しみだよなぁ~」

「確かにな、五日間あの変態の顔を見なくて良いと思うだけで、楽しみだ……」

「いや、変態って……お前の彼だろ?」

放課後、高志は職員室に行った紗彌を優一と泉と一緒に待っていた。

高志と紗彌の中が良好なのに対して、優一と芹那の関係は一向に進展していなかった。

「芹那ちゃんだっけ? 僕は可い子だと思うけど……何が不服なんだい?」

「何って……泉、お前は彼氏に鞭でを叩いてくれと言ってくるを正常だと思うか?」

「ごめん、確かに優一君は大変だね……」

「わかれば良い」

泉もすっかり教室に馴染んで來ていた。

最近は高志や優一と良く一緒におり、高志や優一を名前で呼ぶようになったいた。

「でもさ、それと芹那ちゃんを名前で呼んであげないのは別の話じゃない?」

「うるせぇな! 良いんだよ、俺らには俺らのペースってもんがあるんだよ」

そんな話をしていると、紗彌が由華と共に教室に帰ってきた。

「高志お待たせ」

「全然待ってないよ」

紗彌は戻るなり、真っ先に高志の元に駆け寄り、高志もそんな紗彌を笑顔で迎える。

そんな紗彌の肩を由華は摑んで自分の方に紗彌を引き寄せる。

「ごめんねぇ~、今日は紗彌を借りるわね~」

「え? 急になんだよ?」

「あ……高志……あのさ……今日は由華と買いしてから帰っても良い? 折角待って貰って悪いんだけど……」

「それは良いけど……買いって何を買いに行くんだ? なんなら付き合うぞ?」

「そ、それはダメ!!」

紗彌は突然大きな聲を出し、顔を真っ赤に染めた。

高志は突然の紗彌の聲に驚き、目を見開く。

どうしたのだろと高志が疑問に思っていると、紗彌の代わりに由華がニヤニヤしながら答えた。

「ウフフ~、ダメだよ~男の子が、子のの買いに付いて來ちゃ~」

「なんだよの買いって?」

「うふふ、そのうちわかるわよ。それじゃあ紗彌のこと借りていくからねぇ~」

「あ! おい!!」

そう言って由華は、紗彌を連れて教室を後にしていった。

「なんなんだ……一……」

高志が納得のいかない表で、紗彌達が出て行ったドアを見ていると、優一が口を開いた。

「てことは、お前はこれから暇な訳だな?」

「あぁ、そうなっちまった……」

「んじゃ、ちょっと俺に付き合えよ、泉もな」

「え? 僕も?」

優一はそう言って椅子から立ち上がると、高志と泉を連れて學校の空き教室にやってきた。 優一は戸を二回ノックすると、ドアに向かって靜かに囁く。

何を言っているのだろうかと高志と泉が思っていると、その後直ぐにドアの向こう側から聲が返ってくる。

「最高」

その言葉の後にドアが開き、高志達は教室の中にって行く。

中はカーテンを締め切り、薄暗くなっており、なんだか不気味な雰囲気だった。

「なぁ優一……この教室は……」

「ようこそ……裏寫真部へ」

高志の問いに答えたのは、優一ではなく教室にいたマスクを被った男子生徒だった。

((怪しい……))

高志と泉はそんな事を思いながらマスクを被った男子生徒を見ていた。

「今日の商品を見せてくれ」

「はいはい、いつもすいませんねぇ~……常連さんだが、一応會員カードを見せて貰えるかい?」

「ほらよ。今日は紹介で二人連れて來た、新規の會員カード二つも頼む」

「ありがとうございます、それじゃあ確認も取れたところで今日の商品を見せようか」

マスクの男子生徒はそう言うと、自分の後ろからA4サイズのプラ板だった。

そこには、子生徒の寫真がり付けてあり、寫真の下には値段らしき數字が書いてあった。

ここまでの流れを見て、高志は優一に説明を求める。

「お、おい……もしかしてこれって……」

「あぁ、これは寫真部が裏に経営している、裏寫真部だ」

「噂には聞いていたが……まさかこんなところに……」

「何なんだい? その裏寫真部って?」

泉は裏寫真部が何なのかわからず、高志と優一に尋ねる。

すると、マスクを被った寫真部の男子生徒が代わりに説明を始める

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