《甘え上手な彼3 秋編》第31話

朋華に尋ねられ、赤西はため息じりに答える。

「いやなんかよぉー、最近の俺とお前はなんだか良いじらしいぞ?」

「は? 良いじってどういう意味よ?」

「なんか、周りからは付き合ってるみたいなじに見えるっぽいぞ?」

「は、はぁ!?」

朋華は赤西の言葉に顔を赤らめ、持っていたスナック菓子の袋を床に落とす。

「おいおい、売り落とすなよ」

赤西はそんな朋華の落としたスナック菓子の袋を拾い、朋華に手渡す。

「な、ななな! なんで私とアンタが!」

「さぁな、お前が俺の腕を気にして、世話を焼くからそう見えるんじゃねーの……さて、じゃあ買ってくるか」

赤西はそう言うと、カゴを持ってレジに向かう。

朋華はそんな赤西の背中を見て、頬を赤く染めながら、し頬を膨らませる。

會計を済ませた二人はコンビニの外に出て、二人揃って旅館に戻り始める。

「はぁ……こんなとこ見られたらまた……」

「な、なによ……」

「いや、やっぱりお前、俺の腕なんか気にするなって……また誤解されるぞ」

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「誤解って……何よ……」

朋華は赤西の言葉に、立ち止まって尋ねる。

赤西はそんな朋華と向き合う形で朋華に言う。

「俺とお前が付き合ってるかもっていう誤解だよ、そんな誤解されたら、俺もお前も人なんて出來なくなっちまうよ」

あっけらかんと答える赤西に、朋華はしイライラしていた。

自分を鼻から対象として見ていない。

そんな赤西に対して、自分だけがドキドキしていたと思うと、朋華はなんだか赤西に馬鹿にされている気分だった。

「何よ!! 私だってアンタなんかとカップルなんて大きなお世話よ!」

「ハハ、そうだよな。俺とお前は、こんなじが一番だもんなぁ~」

朋華の言葉に赤西は笑いながらそう答える。

そんな赤西の顔を見て、朋華は更に怒りを覚える。

「お前はモテるから良いよなぁ~」

その後も赤西は朋華に言葉を続ける。

「俺なんか、こんなんだからモテないし……はぁ~、修學旅行中に告白とかされねーかなぁ~」

そんな話しを続ける赤西に、朋華は半ばやけくそ気味に言い返す。

「アンタなんてモテるわけ無いでしょ………馬鹿だし、スケベだし……」

「うるせぇよ! ま、でも言うとおりなんだがな……俺だって今の自分がモテるなんて思ってねーよ」

「そうよ……アンタを好きになるなんて……」

「そうだよな……ろくなじゃ……って、え……」

赤西がそう言いかけた瞬間、朋華は赤西の襟を摑み、無理矢理自分の方を向かせると、そのまま赤西のに、自分のを重ねる。

赤西は急な出來事に困する。

朋華はそんな赤西の顔からを離し、涙目で赤西を見上げる。

「ろくなじゃないわよ………どうせ私は」

そう言うと、朋華は走ってその場を離れて行った。

赤西はそんな朋華の背中をただ黙って見つめていた。

そして、今さっき起こった出來事を自分の中で整理する。

「え……俺……キスされた?」

赤西は自分のに手を當てて、どんどん顔をが赤くなるのをじる。

そして、朋華が言った言葉の意味を理解し、赤西は自分の顔がどんどん熱くなるのをじる。

そして、赤西は朋華の好きな相手に気がつく。

「俺かぁぁぁぁぁぁ!!」

あまりの気恥ずかしさに、ばずには居られなかった赤西だった。

赤西がんでいる頃、朋華は顔を真っ赤にして旅館まで走っていた。

なんで自分があんなことをしてしまったのかと朋華は激しく後悔していた。

ダッシュで旅館に到著し、朋華は旅館のトイレに掛け込む。

「はぁ……はぁ……」

朋華は息を整えながら、鏡に寫る自分の姿を見る。

顔は真っ赤で、髪は走ったせいでぼさぼさ。

おまけに赤西の発言にイライラして、ついあんな事をしてしまった。

「もぉ~………!!!」

朋華は自分のやってしまった事を思い出し、恥ずかしさで死にたくなってしまった。

「これも全部、あいつが馬鹿なせいよ!!」

誰も聞いていないというのに、朋華は思わず赤西のせいにしてしまう。

しかし、やってやったという達しあった。

これでなくとも、赤西の考え方は変わる。

自分の事を一人のの子として見てくれると朋華考えていた。

しかし、同時に明日からどんな顔で修學旅行を過ごせば良いかわからない。

「はぁ……本當に……馬鹿だよ……私……」

一人トイレで自問自答を繰り返す朋華であった。

赤西が買い出しに行った後、高志達は部屋でトランプをしていた。

「しかし、アレだな……うちのクラスは、基本的に男がアホだから、子と仲が悪いのかねぇ~」

「優一、そういうお前も男だぞ?」

「あぁすまん、俺以外の男な」

「おいコラ、喧嘩売ってんのか?」

そんな話しをしながら、繁村は優一の手札から一枚カードを抜き取る。

繁村は「げっ」とたじの表でカードを見ると、自分の手札を混ぜて土井に手札を向ける。

「まぁ、それにしてもうちのクラスは結構酷いよな? 男間での亀裂がさ」

「でも、男子は男子と、子は子とで仲が良いから、余計に男間で亀裂がってるんだろうよ」

土井はそう良いながら、繁村のカードを引き抜く。

繁村は悔しそうな表で土井を睨み、土井は高志に自分の手札を差し出す。

「でも、うちのクラスの子はレベル高いよな? 西城しかり、宮岡しかり」

「紗彌が一番可いけどな」

「あぁ、はいはい」

トランプをしながら、高志達はクラスの子の話しで盛り上がっていた。

そんな中、突然高志のスマホが音を出して震え始めた。

「ん? 誰だろう?」

高志はスマホを取り出し、著信の相手を確認する。

電話してきたのは紗彌だった。

高志は直ぐさま電話に出て、部屋の外に移する。

「もしもし? どうした?」

『あ……いや……その……なんか、聲……聞きたくなって……』

「あ……そうだったのか……な、何してたんだ?」

『えっと……お菓子食べて、みんなでお喋りかな? 高志は?』

「お、俺も同じようなじだよ。俺たちはトランプしてたけど」

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