《擔任がやたらくっついてくるんだが……》月が綺麗
道のど真ん中に僕は立っていた。
辺りを見回すと、どうやら寂れた田舎町みたいだ。
屋に雀がとまっている古い家屋、畦道、田んぼで農作業をしている人。どれもが初めてのはずなのに懐かしい。
僕はそれらを眺めながら、何処を目指すでもなく歩き続けた。
*******
何処かから戻ってきたような覚と、頭をさらさらとでられるで目が覚める。
部屋の照明がやけに明るくじて、目を細めると、聞き慣れた聲が降ってきた。
「大丈夫?」
やわらかな聲音にわれるように、今度はしっかり瞼を開くと、先生がこちらを見下ろしていた。
「せ、先生……」
「大丈夫?」
さっきと同じ質問を繰り返す先生の顔を見て、今の自分の狀況に気づく。
先生は僕を覗き込むように見下ろし、後頭部には自分の枕を遙かに凌ぐ癒しの。こ、これは……間違いなく……ひ、ひ、膝枕!?
「す、すいません!っ!」
慌ててを起こそうとすると、がしっと肩を押さえられ、また先生の膝枕に後頭部がぴったりとくっつく。
Advertisement
先生は、今度は咎めるような目で見下ろしてきた。
「まだ起きちゃ駄目よ。寢てなさい」
「あの、何で僕は先生から膝枕を……」
「覚えてないの?君は思いきり鼻を出して倒れたのだけれど」
「は、鼻!?」
そういえば鼻の辺りがムズムズするような……あれ?何で鼻なんて…………あ。
確か、若葉がバスタオル1枚で出てきて、それを追いかけて先生もバスタオル1枚で出てきて、若葉が転んで、先生のタオルが落ちて、それから……………………ああっ!!!!!!!
その時の景が、霧が晴れるように蘇ってくる。
床に落ちたバスタオル。
転んだ若葉。
先生のキョトンとした顔。
そして、紅していく頬。
首から下、水滴が艶めかしく伝っていく真っ白な……
「…………」
「どうかしたの?」
間違いない。
間違いなく僕は先生の……を……見て……。
その事実を認識しただけで、ドクン……ドクン……と鼓が鳴る。
や、やばい……思い出さないようにしなきゃ。
「……祐一君?」
「い、いえ、もう大丈夫です!」
「そう……」
立ち上がり、先生の方を向くと、當たり前だが服を著ている。風邪をひいた時に見たと同じだ。
……あの服の下に……いや、待て。思い出すな。
一人懊悩している僕の方をじっと見つめながら、先生は手招きした。
「……祐一君。とりあえず座りなさい。また鼻が出たらどうするの?」
「は、はい……」
とりあえず畳の上で胡座をかくと、先生がぴたりと背中をくっつけてきた。
また頭の中で先生のが蘇りそうになり、頭をブンブン振って、何とか記憶を振り払う。
すると、先生は僕の隣に座る位置を変えた。
それだけで、何となく先生が話しかけてくる気配がした。
「祐一君…………見た?」
「……ごめんなさい」
……そうだ。テンパり過ぎて、謝罪を忘れていた。
頭を下げるためにを離そうとすると、肩に手を置かれ、きを止められる。
「いえ、あれは君が悪いわけじゃないから。でも……」
「?」
先生の手が僕の手にそっと重なる。
左手から火照ったがやんわり冷めていくのをじたが、これはこれで別の張が……。
おそるおそる隣を見ると、先生もこっちを向き、口を開いた。
「これは、責任を取ってもらうしかないわね。だってを見られたんだもの」
「ええ!?で、でも……いや、確かに……」
いくら事故とはいえ、のを見たんだから、逃げずにその責任は取らなきゃいけないんだが……いや、僕じゃ力不足もいいとこだけど。でも……。
正直不安しかないけど、僕は言うべき言葉を頭の中から絞り出し、深呼吸して、覚悟を決めた。
「わ、わかりました!」
「……冗談よ……え?今、何て……」
「せ、先生!その……僕、まだ全然先生と釣り合いが取れる男じゃないですけど、そ、その……」
「…………え?あ、その……」
先生は、珍しくポカンとした表でこちらを見ていた。
艶やかなは、震えるようにき、何やら空気が掠れるような音が聞こえる。
「……あ、あれ?先生?」
その表に、僕は肩かしにも似た気分になる。あ、これ冗談だ。
先生は向こうを見てから、ブンブン顔を振り、バシバシ頬を叩き、こっちに小さな笑みを向けた。やっぱり冗談だった。相変わらずわかりにくい。
「…………ふふっ、じょ、冗談よ。気にしないで。し、夜風でも浴びましょうか?」
「あ、はい……そういえば、若葉は?」
「宿題があるそうよ」
「ああ、なるほど……」
*******
「ふっふっふ……今日中に全部終わらせれば、夏休みはお兄ちゃんと……ふあぁ、眠い……」
*******
サンダルを履いて庭に出ると、夜風がさらさらと頬をで、吹き抜けていった。一人なら、ふらりと散歩にでも出かけたかもしれない。
先生の方を見ると、漆黒の長い髪が風に泳ぎ、夜の闇に溶けてしまいそうに見えた。
「……月が綺麗ね」
「はい」
その視線を追うように夜空を見上げると、數多の星が瞬き、その中央にまんまるい月が仄かに夜の街を照らしていた。
「……月が綺麗ね」
「は、はい」
うん?大事なことだから二回言ったのかな?
「……8月の始めに、君には課題図書を百冊用意します」
「え!?何でですか!?何の脈絡もないですけ!?」
「夏休み中に読み終わるように」
ど、どうしたんだろう、いきなり……やっぱり、を見たことを怒ってるんだろうか?
必死に何を言おうか考えていると、先生がいた。
「せ、先生?」
「…………」
先生は今度は、僕の正面に立ち、至近距離から上目遣いで見つめてきた。同じシャンプーを使ったはずなのに、何でこんなに甘い香りがするんだろう……。
夢の中にいるようなふわふわした気分に、さっきの風景の殘像がちらつきながら、何だか不思議な気分になってきた。
しかし、そんな時間は長く続かなかった。
「そろそろ戻りましょう。君もお風呂にらないと」
「あ、はい……」
この後、風呂にった僕は、湯船に先生が浸かったことを想像し、一人悶々としながら全を洗った。
*******
「……見られちゃった……やっぱり、さっき……お嫁さんにしてもらったほうがよかったかも……ううん、やっぱりちゃんと順序を……」
「……でも、しくらい気づいてくれても……祐一君の鈍」
よくある?異世界物語
目が覚めると草原の中にいた僕。どうやら異世界にいるらしいことに気づいた僕は持っていた神様からの手紙を読みステータスを見て驚いた。武術に魔術その他使いやすそうな名前が並んでいたからだ。しかし、そんな僕にも一つとても大きな問題があって?
8 99TSしたら美少女だった件~百合ルートしか道はない~
ある日、理不盡に現れた神様によってTSさせられてしまった田中 由。 しかし彼の身の回りではそれを境に何故かトラブルが………いや待て、これはどう見ても神様のs………(田中談) さて、田中くんは普通の學園生活を送れるのか!?
8 165カノジョの好感度が上がってないのは明らかにおかしい
『好感度を上げすぎるとその人との関係がリセットされる。』 ある日、そんな無慈悲な呪いをかけられた彼は、戀人も友達も一切いない哀しい學園ライフを一人謳歌していた。どうせ消える関係に期待するなんて馬鹿らしい。そうのたまい、人と深く関わること自體を拒否してきた彼だったが、突然転校してきた少女や、様々な人々と接していく中で、彼は少しずつ変わっていく。 呪いと過去が交錯する中、彼は何を望み、何を失い、何を摑みとるのか。 ※カクヨムにも連載中です。
8 145僕の姉的存在の幼馴染が、あきらかに僕に好意を持っている件〜
僕の幼馴染で姉的な存在である西田香奈は、眉目秀麗・品行方正・成績優秀と三拍子揃った女の子だ。彼女は、この辺りじゃ有名な女子校に通っている。僕とは何の接點もないように思える香奈姉ちゃんが、ある日、急に僕に急接近してきた。 僕の名は、周防楓。 女子校とは反対側にある男子校に通う、ごく普通の男子だ。
8 133病気の私に舞い降りた突然の戀 〜実録戀物語〜
吉田由奈26歳 うつ病持ちでドクターストップで働けない彼女の唯一の趣味、それは配信アプリで配信をして、ファンのリスナーと他愛もない話をして過ごす事、そんな彼女に突如現れたリスナーSEROと言うニックネームを持つ佐々木涼太20歳との出會いで彼女は涼太との出會いで少しずつ変わり始める実話を元に描かれた戀愛物語
8 188獻身遊戯 ~エリートな彼とTLちっくな戀人ごっこ~
女性なら誰もが惹かれるイケメン銀行マンの穂高清澄(ほだかきよすみ)は、『ミスターパーフェクト』と呼ばれている。 取引先の社員である日野愛莉(ひのあいり)は、ひょんなことから彼とエッチをする関係になってしまった! トラウマから戀愛ご無沙汰だった二人は、胸をきゅんきゅんさせながら手探りの戀人ごっこにハマっていき──?
8 56