《擔任がやたらくっついてくるんだが……》仕返し

「す、すいません。よく聞こえなかったみたいで。今……何て?」

「水著が流されてしまったの」

「う、上だけですよね?」

「それは……下も流されていたほうが良かったという事かしら?」

「そんなこと考えてないですよ!?」

水著が……流された?

やばいやばい。先生の言葉とで頭の中がパンクしそうだ。

一旦現狀を整理してみよう。

先生がいきなり抱きついてきた。

どうやら水著がげたらしい。

今は上半

先生は僕に抱きついている。

今、僕のに當たっている大っきくてらかいものは、先生の生の……!!!

「どうかしたの?」

「せせせ、先生……あの、あの……!」

「先生じゃないわ」

「ごめんなさい、唯さん……その、あ、當たってます!當たってますよ!」

「寶くじが?」

「違いますよ!絶対にそんなタイミングじゃないでしょ!しかも買ってませんし!」

先生に対して本気のツッコミをいれる日が來るとは思わなかった。これも冗談で言ってるんだよね?

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一方、先生は特に気にした風もなく、さらに抱きつく力を強めてくる。まるで押しつけようとしているかのようだ。

「っ!……だ、だから、唯さん……當たってます……」

「ちなみに、さっきのは冗談だから。結構上手いこと言えてた気がするのだけど……」

「いや、今はそれどころじゃなくて……」

「そうだよ!若葉を置いてけぼりにしないで!ていっ!」

何を思ったのか、若葉が背中にがしっと抱きついてきた。

その勢いで前のめりになり、先生にさらに著してしまう。

「若葉!?」

「なぁに?お姉さんはよくて、若葉はダメなの?そんなに大っきなが好きなの?」

「いや、違くて!」

「……違うの?」

「ゆ、唯さん!今はそんなこと言ってる場合じゃなくて!」

「どうしたの、お兄ちゃん?さっきから……あ、もしかして、若葉とお姉さんのが當たって、実は興してるの?」

「してないよ!」

「……興してるの?」

「先生まで!?実は2人で協力して僕をからかってるの!?」

「「いいえ」」

「あ、怪しすぎる……って、それどころじゃなくて、唯さんの水著を早く探さないと!僕、探してきます!」

かないで」

先生がまた抱きつく力を強め、もうがやばい。自分が理を保てているのが不思議なくらいの甘いに、手足が微かに震えていた。油斷して本能に負けたら、手を先生に向けてかしてしまいそうだ。

『平常心』と頭の中で何度も唱えながら(意味ないけど)、先生に話しかける。

「どうしたんですか?」

「君がいたら……その……見られてしまうわ」

「た、確かに……」

「君は……私のが誰かに見られても、いい?」

「嫌です」

頭で考えるよりはやく、口が勝手にいていた。

今頭の中で何かよくわからないがメラッと沸いた気がした。

「じゃあ、このままでいてくれないかしら」

「わ、わかりました……じゃあ、若葉。その辺に水著流れてない?」

「う、うん!探してみるよ!……々と怪しいけど」

「いやいやいや!僕何もしてないよ!?」

「ああもう、そういう意味じゃないの!!お兄ちゃんの鈍!!」

若葉は吐き捨てるように言って、ザブンと水中にを沈めた。

その姿を見ながら、僕は1秒でも早く、先生の水著が見つかるようにと祈った。このままでは思春期男子の脆い神がもたない。

しかも、一度自覚してしまうと、先生のが他の男に見られると考えた時の、何ともいえない不快の奧で蟠っているのがわかる。無論、そんな権利なんて僕にはないんだけど。

「祐一君?」

先生が心配そうに見上げるのに気づいて、散らかった思考を頭の隅に押しやる。

「大丈夫?」

「あ、は、はい、何とか……」

「……ごめんなさい。また迷をかけたわね」

「そんな……いつも迷かけてるの僕じゃないですか」

僕の言葉に先生は切なそうに目を細め、やんわりとかぶりを振った。

「君は生徒。私は教師よ。私が迷かけるなんて、あってはいけないことだわ」

「唯さん」

「何?」

「今は違いますよ。その……今は……」

「…………」

僕は先生の、真珠のように綺麗な黒い瞳を真っ直ぐに見て、噛まないように気をつけながら、はっきりと告げた。

「仲の良いご近所同士じゃないですか」

「…………」

「だから助け合うのは至って普通……あれ、先生?」

先生は俯いたままかなくなった。

正直自分としても、結構照れくさい事を言った自覚がある。かと言って、そこまで……

そこで、先生が顔を上げた。

涼しげで、鋭い雙眸にじっと見據えられ、周りの視線や音が遠ざかった気がした。

「祐一君」

「はい」

「ナイフのように鋭い言葉ってあるけど、君のは鈍すぎて鈍になってるわね」

「え?」

あれ?先生の背後にオーラみたいなものがユラユラと……

「…………ちょっとだけお返し」

何やらブツブツと、こちらには聞こえない音量で呟いた後、急に先生が勢いよく転んだ。それは、僕を押し倒そうとするかのような勢いだった。ど、どうしたんだ一……。

その勢いのまま、僕は先生を抱きかかえたまま仰向けに倒れ、視界があっという間に水に覆われる。

突然のことに何がなんだかわからず、を起こそうとすると、右の頬に、何かが當たった。

それは……花火大會の時に左の頬にれたものとよく似ていた。

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