《擔任がやたらくっついてくるんだが……》ドタバタマッサージ

數時間前。

「アンタ、まだ言ってないの?」

「何を?」

「何って……アンタがしの弟君とが繋がってないってこと」

「……うーん、やっぱりまだ……ね」

私が大して離れてもいない大學に通っているのに一人暮らしをしている理由。

……このままじゃ抑えきれそうにないから。

昔からとっても優しくて強い男の子だった。

私が男子からからかわれていたら、すぐ助けにきてくれたし、病気で寢込んだ時はいつも看病してくれた。中學の時、の子にフラれてからは自分に自信をなくしたのか、し卑屈になったけど、それでも優しいところは変わらない。

最初は姉弟のままでいようと思った。

そもそも、そういう考えを持った事もなかった。

私自すごく小さかったし、裕くんが心つく前から一緒にいたから。

でも、ある日自分達の繋がりが違うものだと知った時。

自分ののときめきに気づいた時。

自分を押さえられる自信がなかった。

お父さんとお母さんには、まだ私が気づいたことは言ってない。

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でも、今はそれより……

「何でこんな事になってるの~!?」

「わっ、びっくりしたぁ……どうしたの、姉さん?」

「どうかしましたか、お義姉さん?」

「な、何でもないです……ていうかしれっとお義姉さんって言わないでください、森原先生」

まったく、油斷も隙もないんだから……さりげなく裕くんとの距離を詰めてるのも気づいてるんだからね!

「わぁ♪ここが淺野君の家かぁ。何だか落ち著くなぁ~」

こっちもこっちで油斷ならない。ふわふわして、なんかそこはかとなく気があって、おっとりしているから、わかりやすく年下男子からモテそう。いつ裕くんがコロッといってもおかしくないというか……。

「姉さ~ん、もしも~し」

「わっ、どしたの裕くん?」

「いや、姉さんがいきなりぼーっとしてるから……合悪い?」

裕くんが心配そうにこっちを見てる……まったく、誰のせいでこうなってると思ってるんだか……。

私は裕くんの両頬を、ちょっと強めに引っ張った。

「ね、ねえふぁん?」

「ふふっ、裕くんが悪い」

「ふぁ、ふぁんふぇ?」

「「…………」」

そんな私達の様子を、他の二人がじーっと見ている。こういうやりとりは『姉弟』の特権だから譲れない。

……ほんと、自分勝手だなぁ。

自分自に苦笑していると、視界の隅っこにあるものが映った。

「ん?」

「…………」

あれ?森原先生の位置がさっきより裕くんに近い?ていうか……あっ!!

「ちょ、ちょっと、森原先生!?何しれっと裕くんの手を握ってるんですか!?」

「あら、ごめんなさい。裕くん」

「えっ?」

「さりげなく裕くん呼びするなぁ~!」

「ふぁぁ……あの~、枕お借りしていいでしょうか~」

「この集まりを提案した張本人が寢るなぁ~!!」

*******

「はぁ……何だか疲れちゃった」

「だ、大丈夫?」

姉さんは言葉どおりの疲れた表をしていた。いきなり僕の頬を引っ張ったり、先生達に怒ったり、あれこれ忙しい人だな。そこがいいところではあるんだけど。

ていうか、先生がいきなり手を握ってきたのは何でだろう……?

ひんやりとしたが、しっかりと左手と脳裏に刻み込まれている。普段とは違う何かがそこにはあった。

「どうかした?淺野君」

「いえ、何も……」

しかし、いつものように問いかけてくる先生は、いつも通りだった。

だが今はそれより……

「♪~~~」

現在楽しそうにフンフンと鼻唄を口ずさんでいる新井先生だけど、さっきから自分の足で、僕の足をマッサージしている。

これがまたくすぐったくもあり、気持ちいいという絶妙な力加減である。目的はさっぱりわからないけど……。

僕の靴下と先生のストッキングを隔ててじる足のは、らかいんだけど、ほどほどにハリがあり、やけに気持ちいい。

前に森原先生にされた時は、相手を労るような優しさをじたけど、こちらは相手を虜にするような、小悪魔的なじが……。

「新井先生、さっきからコソコソと何をやっているのかしら」

「はうっ」

「「ひっ!?」」

森原先生の冷たい聲に、新井先生は跳ね上がり、僕と姉さんは震え上がる。

うわあ……オーラみたいなのが見えてるような……。

「あわわ、ち、違いますよ~、森原先生~」

「そう……何が違うのかしら?」

「これはですね~、そう!教師と生徒のスキンシップですよ~」

「ほう……これが健全なスキンシップと?」

「もちろんです~。なんなら森原先生もやってみたらどうですか~?」

「…………」

新井先生の言葉に、森原先生のきがピタリと止まる。もしかして、新井先生の言葉に怒ろうとしているのだろうか?

すると、森原先生は溜め息を吐き、僕の方にしなやかに足をばした。

「……仕方ないわね。じゃあ、淺野君。足を出して」

「はい!?」

「ちょっ、なにしようとしてるんですか!」

「安心してください。次はお姉さんに譲りますから」

「……じゃ、じゃあいいです」

なんか勝手に話が進んでる!?

そして、何故か新井先生の言う通りに、先生は早くも僕の足を自分の足でマッサージし始めた。ていうか、新井先生の時より、だいぶ絡まっている気が……。

ふくらはぎとふくらはぎだけではなく、太ももまで……。

「こら~!何嬉しそうな顔してるの、裕くん!?」

「い、いや、これは……」

「ふんっ、いいもんね!じゃあ、お姉ちゃんもあちこちマッサージしちゃうからね!!」

「あっ、姉さん!?ちょっ、何やって……!」

「じゃあ、私も~♪」

「新井先生まで!?ちょ、まっ……」

「きゃっ!」

「あっ!」

すると、誰かが足をらせたのか、一気に三人分の重とらかなが乗っかってきた。

な、何か今……掌にらかな……!いや、掌だけじゃないけど!てか、視界が塞がって、さらに呼吸が……!

「ん……」

「っ!?」

むせかえるような熱気の中、ふわりとした夢のようなが頬をでる。

頬とはいっても、にかなり近い場所。

何故かこのだけはずっと鮮明に思い出せる気がした。

 *******

「あれ?いないのかな?」

私は、淺野君の家の玄関で立ち盡くしていた。何故ここにいるのかというと、特に理由はない。何か嫌な予がしたから。そう、ただのの勘だ。そして、こういう予はよく當たる。

しかし、呼び鈴を鳴らしても誰も出ない。まあ、いないなら仕方ないか。嫌な予が外れただけだし。

そのまま踵を返そうとしたその時……

「ちょっ、せんせ……ああっ!」

「っ!」

今の聲……淺野君!?しかも先生って言ったような……。

的に扉に手をかけると、鍵はかかっていなかった。

私は、悪いと思いながらも、事実を確かめるべく、おそるおそる一歩一歩足を踏みれる。多分、茶の間の方だよね……。

うわあ、これってもうフラグ立ってるとしか……いやいや、決めつけちゃいけない。

私は思いきって、襖を開け放った。

……すると、そこには凄まじい景が広がっていた。

森原先生が……そして、何故か新井先生が……さらに、見知らぬ金髪のお姉さんが……か、か、絡み合って……

「な、な、何やってんのよ~!!!!」

そうばずにはいられなかった。

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