《後輩は積極的》第3話
からかうように話す彼に俺はため息を吐く。
本當の事を言えば、もうそろそろ俺だって彼がほしい。
しかし、大學は大學で別なから、俺は面倒事を押しつけられており、それどころではない。
「はぁ……合コンでも行ってみるかな」
「え? そんな予定あるんですか?」
「まぁ、人數合わせだけどね」
「やめた方が良いですよー、先輩モテなさそうですし」
「うるせぇ! 俺だってせめて夏休み前までに彼くらいだな……」
「私が居るじゃないですかぁ〜」
「財布代わりにされるのはごめんだよ。ほら、ついたよ」
「あ、いつの間に……じゃあ先輩、またバイトで」
「はいはい、ちゃんと勉強するんだよ?」
「わかってます、それじゃあ先輩……おやすみなさい」
「おう、おやすみ」
俺は彼を送り屆け、家に帰宅する。
*
私が先輩に興味を持ったのはいつだっただろうか?
気がついたら、私は先輩を好きになっていた。
優しくて、頼りになるバイト先の先輩は、多分私には微塵も興味がない。
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「先輩のバカ……」
今日も私はスマホで撮った先輩に向かって不満をらす。
初めてのバイトで困っていた私を助けてくれた先輩。
それから私は多分、先輩に引かれていったのだろう。
私はベッドに寢っ転がりながら、先輩にSNSでメッセージを送る。
分かれてからまだ數分しか経っていないのに、私はもう寂しさをじていた。
會いたい、聲を聞きたい。
目を瞑っても、考えるのは先輩の事ばかり。
「合コンなんて……行くなよ……ばーか」
ベッドの上で頬を膨らませながら、私は寫真の先輩にささやく。
「先輩……明日もシフトだよね?」
そんな事を考えながら、私はシフト表を確認する。
案の定先輩は明日も今日と同じシフトだった。
「……明日は現國かな?」
ついでに勉強する科目決め、私は制服をぎ著替えを始める。
部屋著に著替え、私は機に座ってノートを開く。
一応は験生、バイトもいも大切だが勉強も大切だ。
志校はもちろん、先輩と同じ大學。
「絶対合格する……」
そして先輩と楽しい大學生活を送りたい。
それが私の目標だった。
*
「合コン?」
「あぁ、今度あるんだけどたまには次郎もどうだ?」
大學での授業を終え、廊下を歩いていた俺に友人がそんな話をしてきた。
昨日実ちゃんに言われた言葉を思い出すと、このおいは願ってもないチャンスだった。
「しかもだな、この合コンにはだな……」
「參加する」
「え!? 即答! め、珍しいな……まぁ、ありがたいけど」
「悪いがこれからバイトなんだ、詳細は後で教えてくれ。それじゃ」
「あ! おい!」
俺は詳細を聞く前にその場を離れる。
「あいつ……まったく、まぁ良いか子高生が來るって聞いて嫌な顔はしないだろ……」
バイトまでは後二十分。
自転車でバイト先までは十五分掛かってしまう。
「やばいなぁ、間に合うかな?」
俺は自転車をこいでバイト先に向かう。
合コンの話を咄嗟の判斷で了承したのは良かったが、相手の詳細を聞かなかったのは失敗だったなと思った。
「まぁ同じ大學生とかだろ」
俺はそう勝手に思いながら、合コンに著ていく服を考えていた。
*
「え? 合コンにつきあってほしい?」
「そうなの! お願い!!」
私は友人からのそんなお願いにし困っていた。
聞けば、その子の友人のバイト先の先輩が言ってきた話らしいのだが、この子はどうやらその子はそのバイト先の先輩に気があるらしい。
同じようなをしている私は、協力してあげたい気持ちもあったが、合コンと言うものにあまり良いイメージを抱いていなかった。
「うーん、でも……」
「お願いよぉ〜私ののために!」
「でも……」
「この間ノート寫させてあげたじゃない!」
「うっ……わ、わかったわよ……」
「ありがとぉ〜流石実!」
友人はそう言うと機嫌良く自分の席に戻って行った。
まさか私が合コンに行くことになるなんてと考えながら、スマホで時間を確認する。
「先輩………そろそろバイトかな?」
私は早く學校が終わってくれないかと考えながら、私はため息を吐いて時計を見つめる。
*
「合コン?」
「あぁ、友達にわれてな、どんな服著ていったら良いんだ?」
「それを僕に言われてもなぁ……」
廚房で野菜を切りながら、俺は小山君に合コンで何を著ていったら良いのかを尋ねる。
この小山君、実はなかなかにモテる。
役者を目指しているだけあって、顔立ちは良いし、何回か合コンにも行った事があるらしいので聞いてみた。
「普通で良いと思うけど?」
「普通がわからないんだよ」
「そこまで気合いれる必要もないと思うけど?」
「それは顔が良いやつだけだって……」
「そんな事無いと思うけどなぁ……」
「服裝のアドバイスくらいくれよ、明日休みだろ?」
「別に良いけど……あっ! の子に見せる服ならの子に選んでもらったら? たとえば実ちゃんとか」
「勘弁してくれよ。あの子に合コンに行く服を選んでくれなんて言ったら、笑われる」
「そんな事を言っても、僕よりも的確なアドバイスが出來ると思うけど?」
「良いから頼むよ。それとあの子には緒で頼むぜ」
「はいはい、わかったよ」
野菜を切り終え、俺は仕込みを終えて、レジの前に立つ。
その數分後、狙ったかのように彼はいつものように笑顔でやってきた。
「はい、ポテトとドリンクね」
「まだ何も言ってないじゃないですか!」
「毎回同じでしょ?」
「そんな事ないですぅ〜!」
「じゃあ、何にする?」
「えっと……カフェオレとナゲットで……」
「あんまり変わってないでしょ」
「良いじゃないですか! 私の勝手です!」
毎日のように揚げなんか食って、この子は太らないのだろうか?
俺は実ちゃんからお金をけ取り、レジを打つ。
「じゃあ、席でまってますねぇ〜」
「はいはい」
笑顔を見せる実ちゃん。
こんな可い子なら、合コンに行っても人気なんだろうな……。
俺はそんな事を考えながら、冷凍のナゲットを油の中にれる。
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