《ボクの彼は頭がおかしい。》一丁
「やっぱり今日の山登りは中止にしよう」
「賛です」
「暑いもんね」
五月の家に來ています。
晝間のもっとも暑い時間帯。
外に出る気はなく、とりあえずクーラーの効いたこの部屋でのんびり。
「飽きた。この狀況に飽きた」
ベッドの上、飛び跳ねながら言う彼。
「僕もそう思う」
快適だけど暇だ。
「よし、面白いことしよう」
「っと、言いますと?」
「早瀬くん、お風呂掃除をしてきてください」
「はい?」
「一階のお風呂の掃除をお願いします」
「え?」
「え?」
分かりましたよ。
やってきますよ。
數分後。
部屋に戻ると、彼は水著になっていた。
一瞬下著かと勘違いした自分が恥ずかしい。
「では、參ろうか」
僕を引きつれ、風呂場に向かう彼。
「水浴びでもする気?」
「そのとおり」
「おぉ、やりますか!」
「なにそのテンション」
ごめんなさい興して調子にのりました。
「ほーれ、がけて……ひっひっひ」
彼が水をかけてきた。
あなたですよね?
Tシャツがずぶ濡れ。
ズボンもずぶ濡れ。
では、君も。
お返しにシャワーを奪い、かけてあげた。
「冷たぁぁぁあい!」
彼の悲鳴。
ちょっと喜んでいるじが、なんとも男心をくすぐる。
もっとやってやろう。
こうして、狹い風呂場での、壯絶な戦いが幕を開けた。
※ 以下、音聲のみでお楽しみください。
「やったな!」
「おわ、おわわわわっ」
「くすぐったいって!!っ」
「はっいや冷たぁっ、ぐっ」
「え。大丈夫?」
「もう……終わりみたいだ」
「そ、そんなのウソよ!」
「すまない五月。君とは…これで……」
「早瀬くぅぅぅううん!!!!!!……それっ」
「うおッ、いやだから冷たいって!」
「へへっ。どうだどうだッ」
「人がせっかく迫真の演技をしてたっていうのに。おかえし!!」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!」
どだばたどたどたばたとばたばた。
…しーん。
「え、なに?急にどうしたの?」
「だまって」
「はい」
~中略~
「冷たさにも慣れちゃったね」
「けっこういたし」
「あがろっか」
「そうしましょう」
を拭き、ジュースでも飲もうとリビングに向かった。
ぼく→パンツ一丁
五月→水著
五月母がいた。
不敵な笑みを浮かべながら、こちらを見ている。
いつ、帰宅したんだ。
「こんにちは。お邪魔してます」
繰り返しになるが、僕はパンツ一丁だ。
「いらっしゃい、早瀬くん」
五月母は今にも吹きだしそうな顔をしている。
僕は凍っている。
五月も凍っている。
室の空気も凍っている。
一秒、二秒、三秒、四――
「ラブラブでいいわねぇ」
こらえきれなくなったのか、五月母笑。
それにたいして僕が何も言えないでいると、突然、五月が抱きついてきた。
「そうよ!わたしたち、ラブラブなの!」
顔を真っ赤にしながらぶ彼。
楽しそうに笑っている五月母。
そしてパンツ一丁の僕。
星三つです。
後は野となれご令嬢!〜悪役令嬢である妹が婚約破棄されたとばっちりを受けて我が家が沒落したので、わたしは森でサバイバルすることにしました。〜
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