《ボクの彼は頭がおかしい。》バンド
「明日スタジオに集合ね」
「放課後?」
「當たり前でしょ。學校が始まる前に集まるなんてアホ以外の何者でもないでしょ。朝の四時頃からスタジオで練習するなんて無理でしょ。それに、まずスタジオ開いてないだろうし、今日徹夜するから朝から練習なんて無茶だし」
「何で徹夜?」
「早瀬くんにマフラー作ろうと思って…」
「ありがと、でも今夏だから」
五月の召集によって、バンドメンバーが一堂に會することとなった。
いつもどおりの練習場所、近所にある楽店を兼ねたスタジオである。
僕が到著した時には、すでに全員がそろっていた。
挨拶が済むと、五月が勢いよく立ち上がった。
「今日は練習の前に、バンド名を決めちゃいましょう!」
おぉー、といった歓聲なのか何なのか良く分からない聲が他のメンバーたちからあがる。
そういえばまだ決まってなかったような気がしないでもない。
「順番に自分の意見を発表していく事にしましょう。まずは仙人くんからっ」
五月から指名をけた仙人くん。
數秒の後、低い聲でこう答えた。
「Death a gonies」
「えぇっと、意味は……?」と五月。
「斷末魔の苦しみ」
彼の返答に、全員が凍りついた。
それから大雪くん(スタンダードなバンド名をいくつか言っていた)、牛くん(どんなやつか忘れた)と順に回っていき、僕はなぜか飛ばされ、五月の番となった。
「わたしね、たくさん考えてきたの。一つずつ言っていくから良いのがあったら止めて」
そうして五月はメモ帳を取り出しそのリストを読み上げ始めた。
三十分後。
五月の朗読はいまだ終わる気配を見せない。
真剣に聞いているのは大雪くんだけで(もしかすると仙人くんも)、僕はいちいちまとわりついてくる牛くんの対応に追われていた。
「なぁ早瀬、頼むぜ」
「無理」
「まだ何も頼んでねぇだろ!」
「無理」
「てめぇ……まぁ聞け。この間のの子の連絡先、お前知ってんだろ?教えてくれよ」
雫さんのことか。
死んでも牛くんには教えない。
というより雫さんは、攜帯を持っていない。
僕の想像だけど、彼に攜帯なんか持たせたら日本が滅びてしまうんじゃないかと、そう思う。
「知らないよ。自分で聞けば」と僕は答えた。
「おいおい知らないはずないだろ!」
なおも突っかかってくる牛くん。
面倒くさい。
あ、そうだ。
「大雪くん、牛くんが雫さんのこと狙ってるみたいだけど大丈夫?」
大雪くんに暴してみた。
「ああぁぁぁぁぁあああ!お前何でそれ大雪に言うんだよバカ!!」
イケメンの顔が歪む。
ざまぁみろ。
「雫はやめといたほうがいいと思うよ」と大雪くん。
あれ、僕が思っていたのと反応が違うんですけど…。
「やめといたほうがいい……それはつまり、雫ちゃんの心は俺が奪ってしまってもいいと、そういうことだな、大雪?」とニヤつく牛くん。
「どーぞご勝手に」と苦笑する大雪くん。
「年下の彼かーウヒヒ」
マジでキモいよ牛くん。
何でそんなに整った顔で生まれちゃったの?
追記。
バンド名は『平開化』に決まりました。
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