《ボクの彼は頭がおかしい。》晝休み
「五月…さすがにこれは恥ずかしい……」
「いいじゃん」
「いや、みんないるし…」
「誰も見てないって」
「見てるって」
晝休みになった。
五月のクラスに行こうと思い、立ち上がる。
「早瀬くん!」
教室のり口に彼がいた。
なるほど、今日は僕のクラスで弁當を食べる日らしい。
いつもならば一つの機を挾んで向かい合って食べるところなのだけれど、今日の彼はいつもと違った。
僕の前の席には座らず、それが當たり前であるかのように、なんとまぁ僕の太ももの上にチョコンと腰をおろしたのだ。
「えぇっと、どうツッコめばいんですか?」
「早瀬くんったらもう~」
「いやいやそっちのツッコ……ってそんなんじゃなくて」
「むむ?何でそんな真っ赤になってるのかな?」
「…普通に恥ずかしいからです」
ここが教室ってことは當然クラスメートがわんさかいらっしゃるわけでして、ということはみんなに見られているというわけで。
ここが二人だけの世界だったのなら喜んでこの狀況を楽しめるんですけど、うん。
めちゃくちゃ可い五月がこうしてデレデレしてきているわけで、僕のに彼の細くて小さな背中が預けられているわけで、彼が左腕を僕の首にぐるっと回して思いっきり抱きしめてきたりするわけで、僕の理は――
「いやいやいやダメだって!みんなに迷だって!落ち著け五月!」
「そう?みんな気にしてないよ?」
「どんだけ図太いんですか!絶対気にしてるから!」
「…仕方ないなぁ。みんなー、今から早瀬くんとイチャイチャしちゃいたいんですけど、いいですか?」
彼がクラスメートたちに向かって尋ねた。
何聞いちゃってるの五月さん。
教室中の全員がこちらを向き、ニヤニヤしながら一斉にび返す。
「いいともー!!」
「これでいいかな?」と、いたずらっぽく微笑を浮かべてみせる五月。
「は、はい」
僕がそう答えると、彼はフフッと笑って素早くを回転させ、僕のほうに向き直った。
(むろん乗っかったままで、僕の太ももをまたぐようにして)
超超超至近距離での五月。
彼の両腕は、僕の首の後ろでギュッと結ばれている。
そしてこの瞬間に気付いた。
恥ずかしがっているのは僕だけではない、彼も同じだった。
明のある頬が綺麗な紅を発している。
――なんてある程度の冷靜さを保てていたのはこの辺まで。
心臓はバクバクいってるし五月の甘い匂いがダイレクトアタックしてくるしで、僕はもう完全にノックアウトされておりました。
「早瀬くん…これからも……ずっと……」
「うん…」
「わたしの……舎弟でいてね」
「もちろんだよ。五月」
あとから冷やかしてきたクラスメートによると、僕たちはこんな會話をしていたらしい。
はて、まったく記憶にない。
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