《ボクの彼は頭がおかしい。》ストーカー

全ての授業が終わり、昇降口へ向かう。

上靴を靴へと履きかえる。

そこで偶然、雫さんを見かけた。

「あ、こんにちは」

「あ、こ、こんちゃ」

おかしな挨拶を返す雫さん。

「最近どう?何か変わったことない?」

「じ、実は…………あ、えぇと、先輩…」

「ん?」

「あ!」

の視線が僕の右斜め後ろを見ていたので何かと思って振り返ると、そこにはスマイル100%の五月がいました。

「雫ちゃんお疲れぃ!」

「お、おつかれさまですサツ姉!」

二人して敬禮してるんだから、ワケがわからん。

ってかいつのまにここまで仲良くなったんだ。

サツ姉ってなんだよ。

「今日用事があるから先帰るね。じゃっ」

サツ姉は僕にそう言うと、目にも止まらぬ早さでいなくなってしまった。

「いつから五月とあんなに仲良くなったの?」と尋ねてみる。

「いつの間にか……です」

「そっか。あ、さっき言いかけてたのは?」

「……?」

「『実は』の続き」

「あ、あぁ」

ポンッと手をたたく雫さん。

途切れ途切れながら、近況を語ってくれた。

それによると僕の予想通り、彼は最近ストーカー被害にあっているらしい。

犯人はアイツしかいない。

あたりを見回してみる……

はい、発見しました牛くん。

「出てきなよ」と彼に呼びかける。

數秒後、ばっちり髪を整えた牛くんが柱の影から颯爽と現れました。

「おぉ早瀬、偶然だな。こんなとこ――」

「そういうのいいから」

僕が一蹴するも、牛くんはそんなの関係ねぇの如く、今度は雫さんのほうに向き直る。

「俺、あなたに惚れたみたいです」

いきなりの告白。

まさかの昇降口で。

しかも周りにたくさん人いるのに。

固まる僕と雫さん。

「俺と付きあってくれ!!」と高らかにぶイケメン。

固まる僕と雫さん。

「え、聞こえなかった?じゃもう一回。俺と――」

「ごめんなさい…」

牛くん半泣きになってそのままどっか逝った。

「今日バイト?」

「あ、はい」

「そか、じゃあコンビニまで送ってくよ」

「……どしてですか先輩?」

「うーん、何となく。じゃ、行こっか」

「りょーかいです」

大丈夫だろうとは思うけれど、何かがあってからでは遅いので念のため。

そう、念のため。

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