僕の部屋。機で勉強中。

ついでに言うと、ただいまテスト期間真っ最中。

この間の結婚式場のスパイ活のおかげで、勉強計畫への影響が半端じゃないです。

「メロンパン食べたい」

不意に、僕のベッドに寢そべっている五月がぼやいた。

あ、言ってなかったけど部屋に五月もいます。

テスト期間はいつもこんなじです。

僕は勉強にを出し、彼は隣でゴロゴロ。

なのに點數に差は無い。おかしい。

「メロンパン食べたい」

もう一度彼がつぶやいた。

仕方ないなぁ。

僕は機械のように稼働していたシャープペンシルのきを停止させ、黙って立ち上がり一階に降りた。

臺所でメロンパンを探す。

…しかし見つからない。

二階へと戻る。

「ごめん五月。あんパンしかなかった」

僕がそう言うと、彼は憂いげに、そしてちょっとっぽくこう言った。

「メロンパンじゃなきゃ…ダメなの」

「いやなにその聲と表」

「だってメロンパン食べたいんだもん。お願い早瀬くん！買ってきて！」

彼はベッドから飛び起き、そのままの勢いで僕にギュッと抱きついてきた。

らかい頬をり付けてくる。

反撃の手段が…ない。

あぁ、イイ、にほい(匂い)。

そしてプニプニの頬。

からの、にほい。

――気づくと僕はコンビニのレジに並んでいた。

手には三つのメロンパンと危ない雑誌。

いかんいかん。

とりあえず危ない雑誌を所定の位置に戻し、メロンパンはそのままにレジへと向かった。

五月の頬り、恐るべし。

購を済ませ、店外に出た。

すぐに異変に気付く。それは天候の異変。

雨。

雨は基本的に嫌いじゃないんだけど、今日は傘を持っていないので事が違う。

お気にりの青いシャツがずぶ濡れに…くそう。

まぁ仕方がないか。

と、數秒かかって意を決したその時。

どこからともなく、黒くて大きな傘が差し出される。

「え…」

五月だった。

「はい、どーぞ」

そう言って傘を手渡してくる。

無言のままにそれをけ取る。

僕が一歩歩き出すと、彼もそれに合わせるようにピタリと寄り添った。

もしかすると何でもないことなのかもしれないけれど、僕にとってはものすごく嬉しい出來事だった。