《ボクの彼は頭がおかしい。》面倒な人たち3

その後、彼から本日の目的を詳しく聞いた。

王と牛くんの仲があまり上手くいっていないということなので、2人の関係修復に手を貸してあげようと、つまりはそういうことらしい。

的な作戦があるわけではないけれど、遊園地という特別な空間を利用すればどうにかなるでしょ、とのこと。

よし、僕も五月と頑張ってみますか。

(ちなみに、牛くんも僕と同様本日の詳細を知らされていなかったらしい。それでも彼が不満のを一切示さなかったのは、やはり何といっても藤堂さん(王)の権力によるものである)

「仲直りしたみたいね」

僕たちが先ほどまでとは打って変わって意気揚々と戻ってくると、王はしホッとしたような顔をした。

意外と心あるのかもしれない、この人。

「記念すべき第1回、早瀬カップルと牛ピーカップルによるラブラブ激アツWデート!ただいま開幕ですっ!」

右腕を突き上げながら元気よくぶ五月。

うん、第2回はなるべく無しの方向でお願いします。

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あ、早速偏屈になってしまった…………いやこれぐらいならセーフ…かな。

「最初はやっぱジェットコースターだろ!?よっしゃ、行くぜ」

五月のテンションに呼応するかのように一瞬で盛り上がる牛くん。

それを見て微かに笑っている藤堂さん。

…なんだかちょっとだけ、楽しい一日になりそうだと期待が持てた。

「吐くまで乗るよー!」

五月さん、元気なのはいいんですけど、わざわざ吐きたくはありません。

數時間後。

(この數時間の間に僕は2回吐いた)

今は遊園地のレストランで晝食タイム。

午前の部はなかなかの果をあげたと言っていいと思う。

牛くんと藤堂さん、見たじでは楽しそうにしてたし、それに何より、僕自が心のそこから楽しいと思えた。

やっぱり五月がいるだけで、他の連中がどんだけ格ひん曲がってても楽しくなるものなんだなぁ。

あっぱれ。

「午後からは別行にしよーぜ」と、いきなり牛くんが提案した。

「いいね、いいねそれ!」

大げさにうなずきながら同調する五月。

おいおい五月、別行なんてしてもいいのかい?

牛くんカップルの仲を復活させる計畫はどうするんだ。

晝食後。

「ちょっとトイレ行ってくるわ」

レストランの前で再集合の時間や場所について話し合っていると、牛くんがトイレに向かった。

「僕も行ってきます」

2人で並んで立つ。

「何で別行なんか提案したの?」

「お前らのためだよ。オレたちに気使ってばっかじゃ楽しくないだろ」

え、牛くんのくせに、なんかちょっとかっこいい。

「別に気を使ってたわけじゃないし、それに楽しくなかったわけじゃないから」

「へいへい。ま、午後からはお前らはお前らで楽しんどけ。こっちも久々にイイじだから、たぶんどーにかなるよ」

爽やかに言い切る牛くん。

なんか面白くない。調子狂うなぁ。

トイレを出ると、しい陣が僕たちの帰りを今か今かと待ちわびていた。

「じゃー6時にり口のとこ集合ね!」

五月の最終確認とともに、別行タイムが開始される。

…ついに來たか、この時が。

うへっ、うへへへへ。

「ニヤニヤしすぎ。気持ち悪い」と、隣を歩く五月。

「そういう君だってニヤニヤしてるじゃないか」

「バレたか」

片目をつぶって笑う彼

あまりの可さに鼓が激しくれる。

「…とりあえず何に乗りたい?」

最近びてきた(彼にしては長いほう。肩に屆いてるからね)五月のらかい髪をでながら尋ねる。

「早瀬くん」

「はい?」

「…冗談です」

「……あ、うん」

「今は我慢してあげる」

「ありがとうございます」

「ふふ、変な早瀬くん」

はそう言って僕の手をとった。

「面白そうなのがあったら片っ端から乗っていこ!じゃ、最初はアレ」

に引っ張られ、ついた先は『チビっ子集まれ♪ぴょンぴょンマジックトランポリン☆』

…マジですか?

これ乗りじゃないよね?

15分後。

「いやぁ楽しかったね。まだ地面が揺れてる気がする」

トランポリンではしゃぎ過ぎてフラフラの五月さん。

「確かにちょっと楽しかったけど、でもやっぱり恥ずかしかったよ」

稚園児や小學生に囲まれて、たくさんの保護者に見守られながら飛び跳ねた僕たち(高校生)。

いま思い返すと泣きそうになる。

「顔真っ赤にして跳んでる早瀬くん可かったー」

「やめなさい」

「はーい……あ、次はアレね!」

五月が指差したのは、この遊園地で最大級のジェットコースター。

午前中はこっちのエリアまで回らなかったから、まだ乗ってないんですよね。

「すごく高いんだね」

一杯首をばして下を見ながら言う。

ただいまジェットコースターのあの最初の部分、あれ、あのゆっくり上っていって頂上に到達しようとしている部分、です。

「風が気持ちいい」と、隣の五月。

「そうだね」

「あ、知ってる?爪楊枝の上の部分って、ポキッて割って爪楊枝置きに使うためにあるんだよ」

いきなりすぎる彼の謎の発言。

あ、あれだ、ビビってるんだこの子。

「五月さん、説明があまりに下手すぎて何が言いたいのか分かりません」

「いやいや分かるでしょ、だからあぁぁぁああぅうぉぉぉぉぉおおおおいっっッぉぉおおねぇぇちゃぁぁぁああん!!!!!!」

あなたにお姉ちゃんはいませんよ。

なんて心の中で冷靜にツッコみ、ほぼ垂直の、落下の始まったこの狀態をする。

そう、これは生まれた時からのさだめ。

怖くなんてない。

むしろ快

隣の五月を見る。

「空気うめぇ空気うめぇ!」

魚みたいに口をパクパクさせてました。

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