《ボクの彼は頭がおかしい。》10月27日

水曜日。

學校に到著すると、僕はを作って話し込んでいるクラスメートたちの脇を通り黙って席についた。

無造作に教科書を取り出し、その中の1つを読み始める。

容なんてこれっぽっちも頭にってこない。

それでも読み続ける。

うん。僕は馬鹿だ。

『雫ちゃんのこと、どう思ってるの?』

唐突だったようで、前々から予兆もじていたこの質問。

なぜだか焦ってしまって、昨日の僕は上手く答えることが出來なかった。

なんでだろう。

僕はもちろん五月のことが好きで、対する雫さんのことは『妹』のような存在として見ているから的ななんて持ち合わせていない。

五月に投票できず、かと言って藤堂さんに投票するのも嫌だったので、だったら雫さんがいるじゃないかという…単純な考えが僕のあの行を引き起こした。

ただのそれだけ。

それ以上でも以下でもない…はず。

(もしかしたらもしかすると、當時、雫さんに対してちょっとした居心地の良さのようなものはじていたかもしれない。と今になって思う)

それが全てなのに、そんな簡単なことすら言えなかった。

『どう思ってるのって言われても…』という僕のみっともない返事を聞き、がっくりと肩を落として玄関に消えていく五月。

その背中を見送って、一人でトボトボ家まで帰り、だらだらとベッドの上で考え事をしながら朝になって、そして現在に至る。

時間の経過とともにいくらかの冷靜さが戻ってきた。

それにより見えてくる、僕のこれからなすべきこと。

しっかり謝る、それだけだ。

を不安な気持ちにさせていた僕が全面的に悪い。

しかし謝りにいくと決意はしたものの、こういう日に限って奇妙なほどに忙しかったりする。

教室の授業が多かったり、先生に呼び出されたり、友達に勉強を教えたり、委員會活があったり、急にお腹が痛くなってトイレにこもらなければならなくなったり。

結局この日、僕は五月に會うことができなかった。

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