《ボクの彼は頭がおかしい。》10月31日

日曜日。

五月からの折り返しの連絡が來る気配は微塵もない。

電話に出ない事すら稀なのに。

この日は夕方になってようやく時間が空いた。

さあ、きっちり謝りに行こう。

バイトがっていたため、僕はコンビにから直接歩いて五月の家に向かった。

車のほとんど通らない住宅街を、暗くなり始めた周囲にまぎれるように歩く。

なんだか、寒い。

あ。そういえば明日から11月だ。

冬が近づいている。

しばらく歩くと、五月の家が見えてきた。

心拍數の上昇をじる。

手も足もちょっと震えている気がする。

寒さばかりのせいではない。

玄関までもうあと數十メートルという時になって、突然、彼の家から2つの人影が姿を現した。

的に電柱の背後に隠れる。

傍から見ればこの時の僕はなんとマヌケなことであっただろう。

しかし僕自には、この行はごく自然なことのように思われた。

目を凝らして2人の人を見定める。

…ん?

黒い影の正は、藤堂さんと牛くんだった。

藤堂さんはまぁ、五月と友達だから分かるとしても、牛くんはなぜですか?

解せぬ。

解せぬ解せぬ解せぬぅぅぅぅうう!

(普段の僕からは想像も出來ないほどの非クールな表現が今後も出てくるかもしれませんが、ただ五月がいなくて寂しいだけなので気にしないでください)

2人が見えなくなってから、五月の家の玄関に移した。

震える指でそっとチャイムを押す。

「ピンポーン」という音が、家の中だけでなく外にまで響く。

しかしそれだけ。

の家は靜まり返ったままで、ただ一つの生気すらじられない。

なぜ、どうして?

怒りの混じった焦りが噴出する。

つい先ほど藤堂さんと牛くんがこの家から出てきたばかりなのだ。

五月は間違いなく中にいる。

それなのに、何で…。

僕はもう一度チャイムを鳴らした。

しかし結果は変わらない。

「五月…」

思わず壁に向かってつぶやく。

僕の中の何かが、がたがた音を立てて崩れ落ちた瞬間だった。

    人が読んでいる<ボクの彼女は頭がおかしい。>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください