《ボクの彼は頭がおかしい。》11月11日

木曜日。

朝。

手紙に書かれていた通り、服を著て教室に一人の僕。

とりあえず自分の席に座って誰かさんの登場を待っている。

時間が早いためか、僕以外には誰もいない。

とても靜かな校舎。

うん。何で服なんだろう。

數分後。

覆面をかぶった男たちが教室にってきた。數は3人。

全員、手には謎の包みを抱えている。

「今からお前に小麥ぶちまけるから、片付けよろしくな」

覆面男の一人に、馴れ馴れしく話しかけられた。

イケメン臭とバカ臭がぷんぷんする。

さては、コイツu――「うわっ」

こなーゆきーねぇこころまーでしーろくそーめらーれたーならぁああああ。

おびただしい量の小麥を頭から浴びた。

真っ白。元が気持ち悪い。

教室の床はだらけ。

咳き込む僕を見て、覆面男たちは満足そうに頷くと素早く走り去っていった。

だから服か。

なるほどね。

なんか意地悪なのか親切なのか分かりませんね。

まぁいいや。掃除しよう。

ほうきを使うか雑巾を使うかで々迷ったけれど、やっぱり僕の相棒は雑巾なので、彼と頑張ることにした。

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自分も真っ白だということは後回しにして、懸命に教室を綺麗にしていく。

そのうち一人、二人、三人、四人とクラスメートたちが登校してきたが、誰一人として手伝ってくれる者はいなかった。

ちょっと寂しいけど仕方がない。

薄々気付いていたけど、僕はイジめられているらしい。

ほぼ間違いなく藤堂さんの指示でしょうね。

一通りの掃除が終わり、雑巾を絞りに行く。

廊下に出た瞬間、もっとも今の僕を見せてはいけない人と顔を合わせてしまった。

突然にあっさりと、再會の時が訪れる。

運悪く出くわしたのは、學校を代表するであり僕の元彼でもある「五月さん」だった。

完璧に目線がぶつかる。

びていた髪をバッサリ切ったらしく余計に可くなりすぎた五月と、小麥まみれの僕。

あーあ。

絶対質問攻めだ。

別れた彼氏だろうが何だろうが、目の前の相手が悲慘な目に遭っていたら必ず手を差しべる。

それが彼格で、僕は誰よりもその事を理解している。

――と思ったけれど、彼は僕から目を背けどこかに歩き去っていった。

あら。

…當然っちゃ當然ですよね。

助けてくれるんじゃないかと期待した自分を、やっちまいたい。

ちくしょう、涙が出てくる!

だっての子じゃないけど男の子だって泣きたい時ぐらいあるんだもん。

晝休みになった。

誰かが教室に雄たけびを上げながら飛び込んでくる。

「みんな來い!!大変なことになってるから!」

えらく焦った様子のその人。

クラスのみんなは彼につられて教室から出て行った。

先ほどまでの喧騒が噓のようだ。

教室に殘っているのは、唯一僕だけ。

(ちなみに小麥の処理は陸上部のシャワー室を無斷使用させていただきました。ありがとうございました)

弁當でも食べよう。

何の騒ぎが起こっているのか気にならないわけじゃないけど、でも僕にはきっと関係のないことだろう。

だって今の僕は、この學校の生徒にすらなれていないのだから。

「何やってるの早瀬くん!」

いきなり誰かが教室にってきた。

「あ、小雪さん」

「弁當なんか食べてる場合じゃないの。ほら、早く立って」

「え、え?」

僕は小雪さんに急かされ、何も分からないまま引っ張られていった。

たどり著いた場所は、人気のない校舎裏――ではなく、人気の『ありすぎる』校舎裏だった。

みんなこんなところに何の用だろう、と思っていたのもつかの間、すぐに狀況を理解した。

五月が藤堂さんと激しく言い爭っている。

特に五月の剣幕が凄まじい。

こんなにも恐ろしい彼を、僕は今までに一度だって見たことはなかった。

そんな二人の様子を一目見ようと、何百人という數の見人がここに集まっているらしい。

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