《キミと紡ぐ【BL編】》第3話

風が吹いて、先輩の前髪を揺らす。

額で踴る様子に、「払ってやりてぇなー」と思った。

「俺さー」

瞼を閉じたままで、先輩が口を開く。

目を向けて、しばらくその言葉の先を待つ。

けど、いつまで待っても続けないので、聞き間違いかと視線を逸らそうとした瞬間、先輩が目を開けた。

起き上がると、膝に肘を置いて頬杖をつく。

「……お前は知ってるかもしれないけど。和がチョコ渡したいって言った時、最初は屋上に呼ばれたんだよ」

「はぁ」

もちろん知ってる。

そん時先輩は、「寒いから」って嫌がったんだ。

「俺、それ斷ってさー。何でだろって後から考えたよ。寒ィのなんて、いつもの事だし」

「はぁ。……まぁ、そうッスね」

「お前――だったんだよなぁ。頭の隅に浮かんでたの。……お前に見られたくねぇって、思ってたんだ」

「は?」

俺? と思っていると、先輩がまっすぐ俺を見つめた。

「お前と屋上で別れた後だったけどな、気づいたの。お前の前では、渡されたくなかった。――和のでも。他の娘のでも」

「………………」

先輩から、目を逸らせられない。

そして先輩も、俺からしも目を逸らさなかった。

    人が読んでいる<キミと紡ぐ【BL編】>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください