《キミと紡ぐ【BL編】》第2話
「中野にハッキリ言っといてよ! ロックが好きなんだって!」
何をそんなにブリブリと怒っているのか、中々怒りが治まらない。「ああ、そうだな」と俺が等閑に頷くと、さつきは「仲間を得た!」とばかりに勢いよく言葉を発した。
「だいたい何よ、あの中野はッ! バカじゃないのッ? 大學の単位もヤバいクセにさッ。留年すんじゃない? アイツ」
晴に早く別れるよう言お! とレモンティを激しくかき回すさつきの前に、俺は小さな包みを置いた。それは綺麗にラッピングがされ、誰が見てもクリスマスのプレゼントだと判る代。
「……えっ」
驚きと喜びがり混じった顔で、さつきが固まる。
「クリスマスプレゼント」
そう言って、俺は座ったばかりの席を立った。水を持って來たウェイトレスに手を振って、いらない事を示す。
「それと、餞別」
いらないなら捨ててくれ、と伝票を手に取った。
どうせ、大して高くもないピアスだ。好きにしてもらって構わなかった。
レジへと向かう俺に、「……なんでぇ?」と、先程までとは打って変わったか細い聲が屆く。
「俺の、友達の悪口言う奴とは、付き合いたくないから」
今にも泣きそうに目を潤ませたさつきから目を逸らせ、俺は付き合ってから初めて、本心を彼に伝えた。
お月様はいつも雨降り
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8 106とある腐女子が乙女ゲームの當て馬役に転生してしまった話
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従姉妹の結婚式のために七年ぶりに地元に帰ってきた美也子。 そこで、昔から"みゃーこ"と呼んで可愛がってくれていた高校の頃の教師、深山先生と再會した。 「今すぐ、帰ってこいよ」 「みゃーこなら、勘違いしてもいいよ?」 深山先生はとても優しくて、かっこよくて。 「もっと俺を求めて。もっと俺に縋って」 でもベッドの中では、 ほんの少しだけ、意地悪だ。 【2021.6.12完結】
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