《キミと紡ぐ【BL編】》第2話

元旦って……というか、正月って、料理したらダメなんじゃなかったっけ?

「黒豆はダメでも、たけのこなら食えるだろ?」

そう言って、今度は湯気の立ち昇る鍋から熱々のたけのこを抓み出してくる。が垂れぬようにと手を添え、俺の前に差し出した。

「何それ。何かのお仕置きなの?」

それか、イヤガラセ?

掌に垂れたに、「アッチ、アッチ」と自分でも地団駄を踏んでいる。それなのに、「早く早く」と俺に口を開けろと言うのだ。

仕方なく掌を差し出すと、「じゃなくて口!」とぶ。當然のように迫ってくるたけのこに、渋々口を開けた。

容赦なく、熱々の、ホント熱々のたけのこが無造作に突っ込まれる。

「あちッ」

出そうとするのを、「わーッ、吐くな吐くな」と俺の口を掌で塞いだ。

「……お前…」

どうにか噛んで飲み込んでから、俺は恨みがましく浩行を睨み付けた。

「ウマかった?」

「熱かった」

「ウマかった?」

「ベロやけどした」

浩行は笑顔でまだ口を開こうとする。答えなければ延々と続くだろう臺詞に、俺は慌てて舌を突き出し返した。

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