《これって悪役令嬢?!私の生き方貫きます!》月明かりの庭で

暇だぁ~!!!

なんか、クッキーとか無いかな?

今日の豪華ビッフェ食べ損ねてるし。

もしかしたら、余ってるものあるかも。

廚房に向かう。

こっそり抜け出し、辺りを見回して

よしっ、誰もいない。

すり足、さし足、忍び足...

廚房にると、大當たり~!

余ったデザートが沢山置いてある。

よっしゃ!

あっ、袋、持ってきて無いわ。

しょうがない、ガウンで包むか。

カップケーキをこれでもか、というくらい

ガウンにくるむ。

部屋に戻る途中、庭に繋がる廊下から

月明かりが差し込む。

ほ~。綺麗~。

庭の花がキラキラしてる。

吸い寄せられるように、足が向かう。

あそこで、し食べていこうかな。

月明かりの中、大きな木の下に向かう。

う、うま~。外で食べると何倍も味しいのは何故だろう?

今度、ロイとピクニックでもしよっと。

なんて考えてたてら、

「誰か、いるのかっ?」

ビクッ。

~廚房でカップケーキを盜み、

ルーファス王子婚約者マリー嬢、國外追放~

そんな見出しが頭ををよぎる。

聲を押し殺す。

「誰だ。出で來い。來ないなら、

こちらから行くぞ。」

剣を抜く音がする。

殺される~、カップケーキ盜み食いの罪で~。

目を瞑る。

「もしかして、マリーか?」

目を開けると、ルーファス王子が立っている。

「な~んだ。あんたか」

「なんだとはっ。なんだ!」

「なんだ、だから、なんだだよ!」

「だから、なんだっ!」

........................。

「ぷはっ、はっはっはっはっ」

二人で笑い出す。

「俺が、悩んでいたのが、バカみたいに

思えるな」

「何か、悩んでたの?」

はぁ~。ため息がもれる。

「今日お前に、命の大切さの事

言われただろ」

「あぁ、あれね」

「俺は、今まで、大切だと思う

ほとんど無かった。

そんな気持ち知ろうともしなかった」

「うん、うん」

「俺には人としてのが通っていない

のではないか?それで王子として

國を支えられるのか?とな」

今日はよく話す。月明かりのせいかしら。

「バカね~。いいのは顔だけなの?

知らなかったんだから

しょうが無いじゃない。

これから、知っていけば、いいだけでしょ。

それよりも、知らない事を知らないと。

正直に話すあんたは、嫌いじゃないわ。」

ルーファス王子の顔が笑ったように見えた。

「さっ、冷えるから戻りましょっ!」

立ち上がる。

「っ!!!」

「おまっ、何て格好してるんだっ!」

月明かりで部屋著がけてのラインが

バッチリ見えてる。

王子が上著をマリーにかける。

「そんな、無防備な格好で外を歩くな!」

いきなり、抱きかかえられる。

「な、なによ。下ろしてっ!一人で歩ける!!」

「ダメだ。諦めろ」

暴れるのは諦めて、

カップケーキだけは大切に

抱えるマリーだった。

むろん、心臓が破裂しそうなのは

言うまでもない。

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