《これって悪役令嬢?!私の生き方貫きます!》ライルについて
ルーファス王子と初めて會ったのは、
王子が6才の時だ。
孤児だった俺は、人生なんて、どうでも
良かった。むしろ、早く死にたい、とさえ
思っていた。
殺人マシーンのように、次々と人を殺し、
拷問も何のも無く出來る。
いつの間にか、周りから、殺人鬼と
呼ばれるようになっていた。
そんな時王子が
「ライル、僕の従者になる?」
訳が分からなかった。殺人鬼と呼ばれる俺が
王子の従者?
「いえ、私は王子のお側で、仕えするような
人間ではありません」
「お前の目は悲しそうな目をしているよ。
僕、知ってるよ。ライル、いつも人を
殺めた時、お花を手向けてるでしょ?
本當は、悲しいんでしょ?
殺したくないんでしょ?」
だからさ、これからは、僕を守ってよ。
人が悲しくならない、世の中にしていく
からさ。ライルの悲しみも一緒に持って
あげる」
小さな手が、私の手を握る。
なんと、溫かい手なのだろう。生まれてから、
これまで人の溫もりなど、じた事がなかった。
知らずうちに、涙がこぼれる。
「じゃあ、決まりね」
ニッコリと微笑むルーファス王子に
「ありがとうございます」と呟いた。
ライル視點_________
今日はルーファス王子の16才の誕生日會だ。
小さい王子がもう16才になられたのだ。
段々と、笑顔がなくなり、社場にもあまり出席されなくなった。
私が笑顔にして差し上げたいが、私もどうすれば良いか分からなかった。
そんな時、王妃から、婚約者を探せという
約束をさせられている。
王子は何か諦めたように、
「善処いたします」と答える。
王子には、幸せになって貰いたい。
権力目當ての令嬢などは、問題外だ。
そんな時、王子に啖呵を切った令嬢がいた。
名は、マリー・ウィリアム・マシューズ。
なんと無禮な令嬢なのだ。
この場で、斷罪してやろうか。
しかし、こともあろうに、王子が気にって
しまったのだ。
私は、絶対反対だ。あんな気の強い、
我が儘な令嬢は。
マリーを調べ始めると、悪い報しか
出て來ない。
やはり、マリーではダメだ。
王子の事を幸せに出來るはずがない。
程なくして、マリーの妃教育が始まる。
王子には、迷をかけないでしい。
と念を押す。
しかし、マリーは言い返して來る。
なんとも態度の悪い令嬢だ。
そして、極め付けは、王家に伝わる
神からの祝福だ。
王子と一緒に祝福をけたと
言うのだ。
ペンダントも半円になっていた。
歴代そんな事例は聞いた事も無い。
早く王子の目を覚まさなければ、
大変な事になると思った。
___________________
私は急いで、魔の住む館へとやって來た。
名はテレス。昔、城に在住していたのだが
余りにも魔力が強すぎて
國から危険人とされ、城から追い出されて
しまった。
面識はあった。
久しぶりに會ったが、気味が悪いくらい
変わっていなかった。きっと魔力で若さを
保っているのだろう。
「テレス。久しぶりだな。
何か、特定の人を忘れる薬はないか?」
「なんだい、挨拶も無しに、
いきなり用件かい」
「あぁ、急ぎなんだ」
「まずは、理由を言いな。それ次第だ」
ルーファス王子とマリーの事を話す。
「あの王子がそんな大きくなったのか。
そんなの簡単な事さ、この薬を一滴飲みに
混ぜて飲ませな」
「1番大切な者を忘れる薬さ」
「大丈夫なんだろうな。毒では無いだろうな」
「疑うってのかい?ほらごらん」
水のった、コップに薬を一滴落とす。
それをテレスが飲み干す。
「なんとも、無いだろう?」
テレスには大切な者などいない。
「確かに。大丈夫なようだな」
「禮は、テレスの言い値を聞こう」
「そうかい、なら功してからでいいよ」
「分かった。禮を言う」
ライルが館から出ていった。
「やっと、チャンスが巡って來たようだね」
ニヤっと笑うテレスだった。
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