《これって悪役令嬢?!私の生き方貫きます!》幻の島6

アランの話しも終わり、マリーは仕事を始める。スージーが

「マリー、まさかあんたさっきアラン王子に何かしたんじゃないだろうね?」

「何かって?」

「朝禮の途中で追いかけていっただろ?その後ルル姫の機嫌が悪くなってね」

「えっ?だってルル姫ってアラン様の事好きでも何んでも無いんでしょ?」

「私もそう思ってたんだけどね...心ってのはそう簡単にはいかないみたいだね」

なじみで自分の事を好きだと思っていた人が、急に見ず知らずの使用人に取られるなんて複雑よね...でも勝手じゃない?自分は運命の人見付けといて」

「それが、複雑な心じゃないか」

「なんか、漫畫みたいね....」

「なんだい、漫畫とは?」

「こっちの話しよ....そうだっ!漫畫みたいに、焼きもちを妬かせてルル姫の気持ちを煽るはどうかしら?」

「マリー、何言ってるんだよ。やめときな。マリーに何の得があるのさ」

「スージー、私諦めが悪いって言ったわよね。失敗するとしてもやってみなきゃ分からないわ。私ならリックの料理が食べれなくなるなんて絶対、嫌だもの」

マリーはわざとリックという名前を出してみた。

「ん?マリー今なんて言ったんだい?」

マリーは、やったわ。確定ね。と心の中で呟く。

「リックの事かしら?」

スージーが食いるように聞いてくる。

「そうだよ。そのリックって人は、どういう人なんだいっ!」

「落ち著いて。スージー。私に協力するなら話してあげてもいいわ....」

「で、でも.....」

マリーはスージーの目を見て、靜かに話し始める。

「スージー。あなたの旦那への思いはそんななのかしら?私なら、なりふり構わず突っ走るわね。する人を諦めるなんて出來ないわ。だって後悔したくないもの」

「マリー.....」

マリーはスージーの手をそっと握る。

「スージー。一人でよくこの島で頑張ったわね。でももう大丈夫よ。自分の気持ちを押さえ込まないと、どうにもならなかったのよね?」

マリーは笑顔を向ける。スージーの目からは涙が流れ出す。スージーは頷くと

「マリー、その人の事教えておくれ」

「もちろんよ。リックは王家専屬の料理人よ。それであなたと同じ漂流者よ。當時はあなたを探してボロボロだったらしいわ」

「リックは生きているんだね....」

「元気にしてるわ。私なんてリックの料理の大ファンなのよ?」

「そうかい。リックの料理は絶品だからね...」

「私だって、リックの料理が食べれてないんだからっ」

「マリーって、まさか....使用人じゃないのかい?」

スージーはマリーに土下座しようとする。

「ちょっと、スージーやめて。今はあなたと同じ使用人よっ」

マリーはスージーにウインクする。スージーに笑顔が戻る。

「マリー、あんたって人は.....」

「さあ、スージー、今日もお掃除頑張るわよっ」

「ああ、そうだね」

スージーは元気を取り戻し、仕事にとりかかる。

ルルは、ルーファスを連れ部屋へとやって來る。

「ねえ、ルーファス、あの使用人ってどんな子なの?」

どうやら、さっきの景を気にしてるみたいだ。

「マリーの事ですか?」

「そ、そうよ。あなたの國では分の低い者でもあのような態度を許しているのかしら?」

「ははは。いいえ。そう言う事は無いのですが、特にマリーは分の事を気にして行はしませんね。それは男問わずです」

ルーファスの顔が優しい顔になる。

「もしかして、あなたも....」

「どうかしました?あなたはアラン様の事など、どうでも良いのでしょう?ましてや俺の事もただの飾りと見えますが」

「そ、そんな事は無いわっ!私は運命の人を呼び寄せたのよっ。それでこの島のしきたりを変えるんですものっ。あっ.....」

ルルは思わず言ってしまい、まずい。という顔をした。

「そう言う事でしたか....」

「違うわ。私はあなたと結婚するのよ」

「そうですか。ではそう致しましょう。でも私はあなたをする事はありません。それでも構わないと言う事ですね?」

ルーファスはルルの信念を聞きたかったのだ。もちろんルルと結婚するつもりなど無い。マリーを信じているから。

「ええ。そうよ....アランなんて....」

ルーファスは、薄く笑う。

「何がおかしいよのっ」

「いいえ。特には....」

「ルーファス、庭でも行きましょう」

ルルはルーファスを連れて庭に出る。

二人は庭に出ると、マリーとアランが話しをしてる姿が見える。

「な、何なの?アラン....」

ルーファスもマリーを信じるとは言え

「あいつ.....」

拳を握るしめる。

一方マリーとアランは

「アラン、言い事?ルル姫は私に嫉妬してるわ。それを逆に利用するのよ。分かった?」

「だが....俺の事など....」

「アラン、ルル姫の事好きなんでしょう?男らしくしなさいっ!」

「分かった.....」

「來たわよっ」

マリーとアランはとても仲良さそうに、話し始める。突如アランは何を思ったのか、マリーを抱きしめる。

「ちょ、ちょっと、アランやりすぎよっ!」

しかし、アランはマリーを離そうとしない。ルーファスは我慢も限界になり、マリーに近付くと

「おい、マリーを離せ....」

ルーファスはアランの肩を摑む。その時、ルルが、前に出て來て、アランの頬をひっぱたく。皆は唖然として、固まると

「ルーファス、行きましょうっ」

と言ってルーファスを引っ張り連れて行く。殘されたマリーとアランは、頬を押さえながら

「マリー、これで良かったのか?」

「ま、まあ、大丈夫なんじゃない....」

アランとマリーは、過ぎ去る二人の背中を見つめるのだった。

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