《人間嫌いな俺とビッチなお化け役の依頼と返答

鍋島がイメチェンをした放課後。

「帝都高校祭まで殘すとこあと1週間!悔いのないよう頑張るぞー!」

「「おー!!」」

海堂リーダーの掛け聲共に作業がスタートする。今日から殘り1週間。私たちがするお化け屋敷の準備もいよいよ大詰めを迎えていた。

「あのー鍋島くん!お化け役してくれないかな?」

唐突に鍋島がクラスメイトに聲をかけられていた。

「お化け役?俺が?」

「ダ、ダメならいいの。他の人に頼むから....」

はぁ、ほんと世話が焼けるなぁ。お化け役するって言ってたし私が言ってあげるとす......

「いや、やってもいい。なんか胡桃もしたい

らしいからあいつもってやってくれ」

「う、うん!ありがとう!あっ、自己紹介が

まだだったよね。私は神野里だよ。よろしく!」

「自己紹介って....もう2年の秋だぞ?ま、話したことなかったもんな」

な、鍋島がコミュニケーションを取ってる!?

なによ、里もデレデレしちゃって!

「鍋島ーちょっと話す暇があるならこっち手伝いなさいよー!」

「なんかんでるっぽいから」

「彼さんがお呼びだねー」

「別に俺は胡桃と付き合ってない」

「へーそうなんだ。てっきり付き合ってるものだと思ってたよ。髪型も変わったしー」

「いや、これは姉貴が原因だ。あいつも俺には全く興味ねえから」

「なーべーしーまー!」

 私のこと無視してまだ話すとはいい度じゃない。髪型変わって格も変わったってわけ?

「とても興味ないようには見えないんだけど?」

「なんでだろうな。ま、お化け役は俺もするからよろしく頼む」

「うん!ありがとう!」

やっと里のとの會話を終え、こっちに來た。

「さっきからなんだ胡桃?目立つから人を大きな聲で呼ぶな」

の子と2人きりで話してる方が目立ってるわよ!普通に話せてるじゃない!」

「さっき、俺普通に話せてたか?」

「話せたけど?」

「そっか、ならいい。お前以外の誰かとあー

して普通に話すのは久しぶりだっからな」

「もしかして張してたの?」

「ばっか、あれだけのことで張なんかする

かよ」

その言葉が照れ隠しが含まれているのが私にはすぐにわかった。

もしかしたら鍋島なりに頑張ろうとしているのかな?

「でもちょーっとぎこちなかったかもね」

「余計なお世話だよ」

「意見求めたのはどこの誰かなー?」

「ったく、さっさと作業するぞ」

「あー逃げるんだ!私の勝ちだねー」

「うるせえビッチ。いいからここ持て」

「だから人をビッチというなー!」

「ふっ、ビッチはビッチだよ」

 こうして私だけに見せてくれる表があるのはすごく嬉しい。

人と関われるようになったらその表はみんなに見られちゃうのかな?

 

はぁ、何故だか最近見え隠れする汚いを私は必死で打ち消すのだった。

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