《人間嫌いな俺とビッチな帝都高校祭Part3〜神野里の杞憂と高校祭デート〜

「ねえ、本當で胡桃さんのこと好きじゃないのー?」

「この前も言ったろ?俺たちはそういう関係じゃないんだって」

「じゃあもしまた告白されても付き合わないって

こと?」

また?そこに疑問を持ったが俺は続ける。

「誰が俺に告白なんてするんだよ」

「胡桃さんがもし好きって言ったら?」

子ってこういうバナ好きだよな。

でも、その割に胡桃は俺にそういうことを聞いて

こないし俺も彼のそういうところを聞いたことは

ない。

「まあそんなことはないと思うが、もしそんなことが起きても付き合うことはないと思う」

「えー?ほんとにー?」

「あぁ、理由は言えないけど俺は彼っていう存在があまり好きじゃないんだ」

「そっかぁ。お節介かもしれないけど好きじゃないなら、

その気持ちを伝えてあげたほうがいいと思うよ?」

「大丈夫だ、2人ともに好意はないしな。

でもなんでそんなに神野は気にかけてくれるんだ?」

「うーん、私あんまり胡桃さんのこと好きじゃないの。噓告白なんかするような人は最低だと思う。

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でもそれをされた鍋島くんが一緒にいるのが不思議

だったの」

噓告白のことは俺は誰にも言ってない。あのことを

言うつもりはなかったし、胡桃の立場を悪くするの

もと思ったからだ。

「噓告白のこと知ってたのか?」

「知ってたよ。鍋島くんが屋上に呼び出される前に

グループで話してるの聞いちゃったから」

「じゃあなんでこの後、神野が嫌う胡桃と俺を2人で會うようにしたんだ?」

「鍋島くんが彼に踴らされてないってわかったからだよ。ずっと阻止しようと思ってたけど大丈夫そう

だから」

神野の気持ちは嬉しい。嬉しいがなんでそこまで考えるんだ?

「なんで神野がそこまで?」

「中學のにね、好きだった男の子に私も同じような

ことされてすごく落ち込んだの。その時に私には助けてくれる友達がいたから、私もそうなりたかったの」

「俺もな、昔そんなような経験をしたんだ。人に裏切られるって悲しいよな。だけど、胡桃のことは俺も

気にしてないから大丈夫だ」

「そっか....それならよかった。お目當てのキーホルダーも貰えたし控え室に戻ろっか?」

「そうだな、々ありがとな」

「こちらこそだよ。高校祭終わってもこれからも仲良くしてもらえるかな?」

「それは逆に俺がお願いしたいくらいだよ」

 俺は自然に笑みが溢れる。

「改めてよろしくね鍋島くん」

  高校にって初めての友達ができた瞬間だった。

*********************

鍋島をまつこと20分、ようやく鍋島は私の元へとやってきた。

の子を20分も待たせるなんて普通じゃありえない

けど、特別大サービスで許してあげることにする。

「悪い、待ったよな?」

「すご〜く待ったからいっぱい楽しも!」

今日ばかりは素直になってもいいよね?

「まだ晝食べてないよな?確か1年は外で屋臺してるはずだしそっちに行くか?」

「前回は私が主導したんだから今回は鍋島が私のことを引っ張ってね?♡」

私はとびっきりの上目遣いを鍋島にお見舞いして

やった。

「ほんと、お前は好きでもないやつになんでそんな

仕草ができるか不思議だよ。それに俺、高校祭今年が初めてだからな?」

「なにその言い方ー!みんなにしてるわけじゃない

からねー!惚れてもらいたい相手だからだもん!」

「はいはい、可い可い。はやく行くぞ」

鍋島の態度は釣れないなぁ。いつもよりは幾分明るい気がするけど......

それに好きでもないやつに言うけど私そーいうこと鍋島にしかしてないし!

ほんと心がわかってないよね!

そんな考え事をしているうちに屋臺へと著いた。會話ほとんどしてないのに....

屋臺に著くなり人混みにはぐれないようにか、鍋島はこっちだと私の手を引く。

手を引くと言う表現だとパンチがないけどこれって

いわゆる手繋ぎだよね?

んな人と手を繋いだことの経験がある私だけど

今までではありえないくらいが高鳴る。

なんでこんなにドキドキしてるんだろ?

だけどそんなドキドキもわずかの數分で終わる。

鍋島は目的の場所についたのかその場で手を離し、

そして注文を始めた。

「おでんのセットを2つ、あっ、多めでお願いします」

「おでんのセットが2つで800円になります」

「ちょうどお預かりしますー、熱いので気をつけてくださいね!」

「あぁ、ありがとう」

ほんの一瞬の間に彼は注文を終え、私と向き合う。

「おでん2人分とか結構なボリュームじゃないー?意外と結構食べる方だったりするのー?」

「なんで1人で俺が食うんだよ。ほら、これは胡桃の分だよ」

そう言って2つに分けられたうちの1つを私に手渡す。

「これ私の....?」

「だからそう言ってるだろ?もしかしておでん嫌いだったか?」

「ううん、好きだけどどうしておでんを選んだのかなって気になって」

「屋臺のおでんは去年の俺のクラスが擔當だったんだ。

だけど俺は當日休んで姉貴が行った時にあんたの

クラスのおでん味しかったよって言ってたの覚えてて....去年は食べれなかったけど今年は俺は1人じゃ

ないからな」

「それにおでんは寒いをあっためてくれるしな」

そう言ってぎこちない、だけど確かに嬉しそうに笑う鍋島。もしかしたら彼はしずつだけど心を開きだしてるのかもしれない。

そう思うと私もすごく嬉しい。

「あっ、でもお金返さないと」

「金ならいいよ。元々ここまで付き合わせたし俺の食べたいもんだったからな」

 やっぱり彼はどこかできる男の片鱗を持っている。その行1つ1つに私はドキッとしてしまっている。

もしかして私、鍋島のこと......

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