《人間嫌いな俺とビッチな帝都高校祭〜エピローグ〜

 姉貴の車に胡桃を乗せ、俺は1人で帝都高校祭閉會式へと向かった。

「~皆さんの頑張りは私たちの心を大きく震わせ....」

……

胡桃が怪我を押してまで屋上に行きたいと思っていたのは意外だった。

ジンクスの話を聞いてあいつのことだから、

「ま、惚れてもらうにはジンクス系がいいよね!」

それくらいの軽い気持ちだと思ってたが....

 彼はどうしてそこまで俺のことを気にかけてくれるのだろうか?

そして俺が結論付けた憧れというものは本當で正しいのだろうか?

 彼のことが好きではないと確実に斷言できなくなっているのは事実だ。

胡桃は、果たして好きでもないやつとの約束が守れないことで涙を流すのだろうか?

考えれば考えるほど俺は酷く混する。

「おい、鍋島ー胡桃がいないからってそんな難しい顔すんなってー」

「そうそう!今日のお化け役すごく良かったよー♪」

だが、それが上っ面の関係だとしても今の俺は1人じゃなくなっているのかもしれない。

それだけは事実だ。

「久しぶりの高校祭だったから張り切りすぎたかもしれねえわ」

「それに萌のことおんぶしてたもんねー」

「怪我した自分を運んでくれるなんて萌にとって本當王子様だよねー」

「もうそこはゾンビでいいじゃねえか」

「あっ、私たちが言ってたの気にしてるっぽいー?弄りだから気にしないでよー!」

「別に気にしてねえよー、早く片付けしなきゃ明日も學校くることになるぞ?」

「すーぐそういう現実的なこと言うんだから~そんなんじゃ萌に逃げられちゃうぞー?」

「そもそも捕まえてすらねーからな」

「しっかり重ねてたじゃーん」

「マジ表現の仕方、卑猥すぎるし~」

そして胡桃のおかげでしずつではあるが、

こうして一歩ずつ前に進めている気がする。

「どうするー?片付け一通りしたらみんなでカラオケでも行こうぜー!」

「でも萌がいないよー?」

「あいついねえのは痛いなぁ、ま、とりあえずこれは當日のお疲れさま會でまた後日全員で打ち上げはしようぜ!」

「「さんせーい!」」

「もちろん鍋島くんも參加だからね?」

ひょっこり現れた神野が俺をう。

「あぁ、俺なんかが行ってもいいなら」

「全然オーケーだよ。友達がこうしてってるんだからね」

クラスの中にはジンクスを信じてか、何人かのカップルがいそうな奴らはこの場にはいなかった。

きっと今頃は帝都高校祭終了祝いの花火でも見ているのだろう。

この高校祭で友達もでき、クラスともある程度打ち解けられるようになった。人と関わるのはまだ正直怖いがきっと俺はもう大丈夫だ。

ただ一つ、胡桃への気持ちが分からないことを除けばの話ではあるけどな....

「そうと決まれば片付け頑張るぞー!」

「「おうー!」」

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ただ、俺はこの時は知る由もなかった。

お化け役の時に聞こえた聲は沙霧本人の聲だったこと、そして彼の影がもう目の前に迫っていたことを......

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