《人間嫌いな俺とビッチな睦月VS沙霧〜行き著く終幕〜

放課後、私と里は笑顔で鍋島を送り出した。

「鍋島はちゃんと向き合うことができるかなー?」

「2人は馴染なんでしょ?何があるのかは詳しく知らないけど、話せば分かるんじゃない?一緒にいる時間は誰よりも長かったはずなんだから」

そっか、そうだよね。鍋島が向き合った結果、例え2人が付き合うことになってもそれが鍋島にとっての......

いや、ダメ。あの子は鍋島の心をを支配したいだけ。

でもそもそも鍋島がまた付き合うなんてことあるのかな?東雲さんは鍋島にトラウマを與えた張本人、そんな相手のことを鍋島はまた好きになるのかな?

私なら......好きになることはないと思う。

てことは東雲さんの思は?

東雲さんは鍋島の心を支配したいって言っていた。側から聞いたら馬鹿らしいって思うかもしれないけど彼は本気だ。

 鍋島のトラウマの発端の日も東雲さんが企てた計畫だったのだろう。

 でも結果としてそれが仇となった。鍋島は東雲さんの気持ちに応える、すなわち心を支配されるようなことはないと思う。

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東雲さんの考え方は危険だ。自分のものにならないと思ったら何を言いだすか、何をしでかすか分からない。

もしそうなったら、

鍋島のが......

「里!このままじゃ鍋島が危ないかもしれない!」

「え?どういうこと?」

「あの2人を!このまま一緒にさせちゃいけない!」

「屋上にいこう!」

*********************

「おい!沙霧、よせ!」

沙霧の手にはハサミが握られている。

「いい?睦月。私は本気だよ?」

「一緒にれないなら生きている意味ないから」

そう言ってハサミを自分の手首に持ってくる沙霧。

「私は睦月のせいで死ぬ。それを睦月はけ止められるかなー?自分の発言から馴染を死に追いやる。さようなら睦月」

 頼むから待て!誰もそんなことはんでねえし、お前に死なれるのは困るだろ!

「沙霧!まて!」

俺は沙霧に飛びかかる。

そこからは何故か、急に時が止まったかのようにスローモーションへと変わった。

沙霧を抱きしめるような形で止めにった俺に沙霧が微笑んだのは気のせいだろう?

よかった......沙霧が自分の手首を切る前に止めれたみたいだな。

だが、ハサミが見當たらない?

「ふふっ、睦月なら助けてくれると思ってたよ。優しい私の睦月だからね。だけど今の睦月は私の方を向いていない、そんな睦月は睦月じゃないから」

ハサミは俺の腹部に深々と刺さっていた。

「沙霧、お前.....」

「ふふっ、私たちの邪魔は誰にもさせない」

「それにね~いいこと教えたあげよっか睦月!睦月がだーいじに信頼してる胡桃萌ちゃん!すご~い遊び人なんだよ♪」

……

「付き合ってはを開いてヤッて、快楽を求めてたんだって!睦月にも噓告白とか言いながらヤリ目的で近づいたんじゃない?」

「ふふっ、信頼してた相手が快に溺れた本當のビッチだなんて睦月可哀想だね~」

「俺には信頼できる人がいる。って言ってたよね。その信頼も一方通行だったんでしょ?」

「睦月、あなたは勘違いしたようだけどどこにいたって一人ぼっち。私が一緒にいてあげるしかないんだから!」

「はぁはぁ......さ、沙霧......」

「だけど一緒にれないようなら一緒にいれる場所にいけばいいだけよね。先に行って待っててね睦月」

 胡桃は俺のことを信用してくれてなかったのか?

俺の一方通行か......俺は結局1人だったんだな。

意識が朦朧とする中、頭の中で沙霧の高笑いが脳に響く。

 

ガチャっ!

「な、鍋島くん、お腹にハサミが......」

「東雲さん、あなた鍋島に何を!」

「救急車!私先生よんでくる!」

……

 何やら周りが騒がしい。高笑いと共に聞き慣れた聲が耳に屆く。

だが、意識が朦朧としているせいか、何が起きているかまではもう分からなかった。

……

 やっと俺は1人じゃないと思えたが、結局それも噓だったのか......

俺の意識はそのまま深い闇へと墮ちていった。

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