《嫁ぎ先の旦那様に溺されています。》洗濯がいっぱいです!?

「そうですか……」

櫟原さんは、短く答えてくると部屋から出ていく。

彼が部屋から出たあと、私は襖を閉めて私服に著替えながら考える。

たぶん、櫟原さんは高槻さんのフォローを――、私が仕事をしていく上で、ギクシャクしないように説明をしてくれたのだろう。

――でも、私は素直にけ取ることは出來ない。

だから……、まずは家事や巫としての仕事をしっかりとこなす事だけに集中することにする。

「――でも、明日の學校は大変そう……」

思わず溜息が出てしまう。

起きてしまった事は致し方ないとはいえ、気分的に重荷になるのは変わらない。

「――と、とりあえず!」

まずは、家事をしっかりと!

仕事だと思って割り切れば、食住付きの仕事は悪くない。

むしろ借金まで返済できるならホワイト企業並みなのでは!? と、思ってしまう。

私服に著替えたあとは、まずは洗面所へと向かう。

「あれ?」

洗濯籠の中には、洗濯がまったくっていない。

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唯一、っているのは私が今、自分で持ってきた服だけ。

「あの……高槻さ――総司さん」

「――ん? どうかしたのか?」

居間に行き、ノートパソコンと睨めっこをしている高槻さんに話しかけると、彼は眼鏡をかけてまま、私を見てくる。

眼鏡越しだからなのか――、その視線は、若干、らかいじをけてしまう。

「洗濯が――、洗面所の洗濯籠に洗いっていませんけど……」

「洗いモノ?」

「はい。服とかです。それなら隣の部屋にある」

「隣?」

私は居間の隣に通じる襖を開ける。

すると、そこには男の服が散していて――、まあ、男の人だから男の人の類しかないのは當然なのだけど。

むしろ、それよりも驚いたのは何日分の類? と、思えるほどの量。

「あの、たかつ――、総司さん……。普段は、洗濯はどうやって――」

「そうだな。都心に居る時は、クリーニング屋を呼びつけていたが――」

「そ、そうなんですか……」

クリーニング屋を手配するとか、ブランドを買っていた時から薄々と気が付いていたけど、もしかしてお金持ちだったりするの!?

そうじゃなくて! お父さんに8ケタのお金を貸せるほどのお金を持っているってことだから、きっとじゃなくて! 間違いなくお金持ちだと思う。

「それじゃ洗濯しますね」

「ああ、頼む」

上の空で答えてくる高槻さん。

何をそんなに一生けん命になってしているのか分からないけど、私が口を出す事でないと思い、籠を取りに一度洗面所へと戻る。

そして再度、高槻さんの服を洗濯籠にれたあと――、

「そういえば櫟原さんの服は、どこにあるんですか?」

「櫟原は、仮眠では部屋を使う事はあるが、基本的に此処――戸沢村で宿を取っている」

今、聞いたらいけない事を聞いた気が……。

つまり、母屋に普段は暮らしているのは私と高槻さんだけという事になる。

これ以上は、意識しているように思われるのも癪なので、無言で居間から洗面所へ移する。

そして――、最新の洗濯機に洗いれて洗剤をセットした後にボタンを押す。

あとは全自でやってくれるはず。

家には無かったけど、最新のはすごく便利だと思いつつも、もう夕飯の時間なのですぐに臺所へ向かう。

幸い、香辛料などもは櫟原さんにお願いしていて、冷蔵庫にっている。

洗濯が洗い終わる間に夕飯を作り終え――、

「高槻さん、夕飯が出來ました。――ところで櫟原さんは?」

「アイツなら、大事な用事が出來たから今は不在だ。何か用事があったのか?」

「――いえ。三人分のお皿の用意が必要かと思って――」

「そうか。それじゃ夕食にするか」

「はい」

食事を摂る場所は、高槻さんが仕事をしている囲爐裏のある部屋ではなく隣の部屋。

つまり食堂と隣接している部屋。

作った料理を並べたあとは、二人して黙々と食事を摂る。

「風呂の事だが、先にっておけ」

「はい」

昨日から、お風呂にっていなかったから、しでも早くお風呂にりたかった私は素直に頷く。

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