《嫁ぎ先の旦那様に溺されています。》一つ屋の下での事(2)

「アイロンというのは、服の皺をばすです」

「ふむ……。――で、莉緒はソレが必要だという訳か?」

「はい。あると便利ですので」

「そうか」

「それでは、櫟原に用意させよう」

「ありがとうございます」

そのあとは夕食を摂る。

黙々と靜かに時間だけが過ぎていき――、

「莉緒は、他に何かしいモノなどはないのか?」

しいものですか?」

「そうだ」

「借金が増えるからいいです」

しいモノを伝えて買って來たモノが、私の借金に加算されたら何時まで経っても返済が終わらない。

「……」

無言になる高槻さん。

何だか視線を私から逸らして思案している様子だけど――、

「別に、お前がしいモノではない。家事などで必要なという意味だ」

はい! そういうことだと思いましたよ。

お金を貸している人に、何かしいモノ=プレゼントを贈るなんてありえないと思ったし!

それよりも家事で必要なものか……。

「家事ですか……」

そう聞かれると必要なはたくさんある。

特に、ここの母屋はリフォームが終わったばかりと聞いていたけれど、それ以上に生活がまったくないのが問題なわけで!

そのおかげと言っていいのか微妙なところだけど、穂の家にあるような調理や乾燥機などと言ったものがない。

――ただ無くとも支障は無いと思うけれど、雨の日には乾燥機があった方が便利だし、家の中で干しておくと気でカビなどが生えやすくなるからほしい。

まぁ、以前のアパートにはそんなモノはなかったけど。

それよりも家事について必要なを聞いてくるということは――、

「総司さんは、家事はされたことは無いんですか?」

「そうだな」

夕食を淀みながら摂りつつ答えてくる高槻さん。

「家事を手伝ったりとかは――」

「ないな」

つまり、母親は専業主婦だったと言う事?

でも、それにしても今どき家事手伝いをした事がないなんて……、それになによりアイロンを知らないなんて思わなかった。

よっぽど大事に過保護にされていたのかも?

だから、尊大で俺様系なじに育ってしまったと――。

「お前、今――、かなり失禮なことを考えていなかったか?」

「いえ! 全然っ!」

即、否定しておく。

肯定なんてした日には、暴言が飛んできそう。

「……明日は、大型ホームセンターに買いにいく。その時までに必要なを書きだしておいてくれ」

高槻さんは一人、食事を摂り終えると囲爐裏のある部屋――、彼の寢室の方へ向かってしまった。

たぶん、もう寢るのかも知れない。

私も食事を摂り、食を洗ったあとはお風呂にる。

一日の疲れを取ったあとは自室へ。

布団にったあとは、すぐに眠気が襲ってきた。

きっと常時、仕事モードだから疲れが溜まっていたのかも……。

――翌朝になり、目を覚ました私は朝早く起きて仕事著に著替える。

そして、何時も通り境で竹箒を使い清掃を行い、類の洗濯をし――、お風呂場と手洗い場を掃除し朝食を作る。

高槻さんを起こしたあとは、一緒に食事を摂り學校まで車で送ってもらった。

「莉緒、おはー」

教室にり自分の席に座ったところで、親友の穂が話しかけてきた。

穂、おはよう」

「あれ? なんだか疲れている?」

「そんなことないよ?」

朝早くから起きて境の清掃から家事をこなしたから実は眠いけど、それは言ってもどうにもなら事だから誤魔化す。

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