《嫁ぎ先の旦那様に溺されています。》一つ屋の下での事(7)

「莉緒、元気ないね? 大丈夫?」

給食を一緒に食べたあと、屋上のベンチで二人して座って休憩していると、穂が話しかけてきた。

「うん」

「……そう」

私の返答に穂が、逡巡してから小さく頷く。

そのあとは、しばらく無言でボーッと、校庭で遊んでいる男子たちを見ていると――、「莉緒って……、大和君の事が好きなの?」と、語り掛けてきた。

「よく分かんない」

無意識のに、私の口から出た返答に穂は「よく分からないか……」と、呟くと手に持っていたフルーツ牛を飲んだあと、小さく溜息をついていた。

「――あ……」

「どうかしたの?」

何も考えずに、穂の問いかけに答えていた事に気が付き、思わず聲がれていた。

その事に私は――、

穂! 私がボーッとしている時に酷いっ!」

「ごめんね。でも、莉緒はもうし素直になった方がいいと思うよ? たぶん、大和も……」

「大和も?」

「ううん。何でもない……」

何故か分からないけど、穂がすごく辛そうな表を一瞬見せたような気がする。

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「そろそろ休憩時間終わるし教室もどろ!」

穂は、それだけ言うとベンチから立ち上がった。

その時には、もう穂の表は何時もと代わりに無かった。

學校が終わったあとは、穂と共に途中まで下校し別れたあとは一人、鳥居を潛り境を通って母屋の方へと向かう。

「ただいま……」

ガラッと音を立てながら玄関の戸をスライドさせつつ、一人――、帰宅の挨拶をするけど答えてくれる人は誰も居ない。

宛がわれている部屋に戻ったあとは巫服に著替えて境を見回しつつ、竹箒で軽く掃き掃除をしたあと母屋に戻り私服に著替えて家事を行う。

夕食の仕度を終えたところで、攜帯電話が鳴る。

「はい。宮です」

持たされている攜帯電話にかけてくる相手なんて、一人二人しかいないけど、名前を相手に知らせるのは禮儀だと思い話しかけると――、「俺だ」と、短く男の聲が聞こえてくる。

「総司さんですか? 今日は、何時頃に帰宅しますか?」

「じつはな、仕事が長引いてしまって帰ることが出來そうにない。明日には帰れると思う」

「……分かりました」

私は二人分用意してしまった夕食を見て、溜息をつく。

高槻さんは男の人なので、たくさん食べると思って夕食の用意をしていたから、私一人で食べるには量が多すぎる。

しかもハンバーグだし……。

「明日は、何時頃に……」

「すまない。仕事だから、また明日に連絡をれる」

そのまま電話が切れてしまう。

私は、ポツンと一人取り殘された家で夕食を摂りお風呂にったあと床についた。

翌日は、休日ということで一人――、朝から境でのお仕事というなの掃き掃除をしている。

「相変わらず寒いよね」

隙間が多い巫服。

それと春一番の風というコンボもありの芯から冷える。

「ばあちゃん、こんなところに來ても誰もいない神社があるだけだぞ」

唐突に聞こえてくる聲。

それは聞き覚えのある聲で――、

顔をふと上げると境の先、鳥居のところに私の馴染である#武田__たけだ__# #大和__やまと__# の姿が。

驚いていると、彼の視線が境の方へと向けられてくる。

その瞳は當然、私が向けている視線と絡み合う。

すると、大和が驚いた表を私に見せてくるけど、きっと私も同じ狀況だと思う。

「どうして、莉緒がこんなところにいるんだ?」

「……や、大和こそ……、ど……、どうして――」

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