《嫁ぎ先の旦那様に溺されています。》一つ屋の下での事2(4)
「やっぱり、私は行かないわ」
「そう……」
どうして穂が悲しそうな顔をする。
それは、やはり友人として小さい頃からの付き合いがあったからだと私は思う。
だけど、いまは神社を守らないといけないからと私は自分に言い聞かせて、「うん。ごめんね」と言葉を返す。
「ううん、いいの。大和にも、莉緒は來られないことを言っておくから」
「ありがとう」
私と穂が話している間にホームリームは終わり一日の授業が始まる。
大和が登校していない以外は、いつもと変わらない學園生活が始まり、何事もなく一日が終わる。
生徒指導室に呼ばれるかも知れないと心のどこかで思っていたけど杞憂だったようで――、私は安心して穂と共に校門に向かうと、すでに車が停まっていた。
「いつもすいません」
「お気になさらず。これも仕事ですので」
挨拶をわしたあと、後部座席のドアを開けてくれる。
車に乗ったあとは、神社までの帰路を辿り――、到著したあとは階段を昇り終えると――、
「えっと……」
いつもは閑散としていた境に何人もの人影があった。
「総司さん、これは一――」
その人影の中に高槻さんの姿を見つけた私はそっと近寄ると聲をかける。
「戻ったのか。社務所の手直しで宮大工の手配をしたところだ。いまは図面を確認して、これからの事を相談していた所だが、莉緒にも見てもらいたい」
「――え?」
「高槻神社の社務所を知っているのは莉緒だけだろ?」
「知っているというか、かなり前のことですので記憶も曖昧ですよ?」
「それでも構わない。図面だけでは分からないこともあるからな。仕事著に著替えてきてくれ」
「はい」
彼の指示どおり、母屋に戻り巫服に著替えたあとは大工の方と高槻さんをえながら社務所の手れについて會話をする。
だいたいの見取り図、そして思ったよりも老朽化が進んでいたことで立て直し案が決まった時には、日も沈みかけてきた。
「今日は大変でしたね」
解散後、夕食の用意。
食事を摂った後は二人して囲爐裏前でお茶を飲みながら會話をする。
「そうだな。だが――助かった。細部までは分からないことがあるからな」
「ありがとうございます」
「…………そういえば、下校時には何か気分が沈んでいたようだと櫟原から報告をけていたが――、何かあったのか?」
「えっと……友達が風邪を引いたらしくて休んでいたいので……」
「それで見舞いに行くかどうか悩んでいたということか?」
「はい」
平たく言えばそうなると思う。
「相手は、この前の同級生か?」
「同級生?」
「東間さんと言ったか?」
「いえ、そちらではなくて――、大和の方です」
「大和? ああ……」
彼は、眉間に一瞬皺を寄せると――、「出來れば、他の男は苗字で呼んでもらえると助かる」と、話してきた。
「それって……」
「一応、面上は俺の元に嫁ぐことになっている。それなのに、旦那以外の男の名前を苗字以外の名前で呼ぶのは誤解を招く可能があるからな」
一瞬、嫉妬? と、思ってしまったけれど高槻さんがそんなことを思うことは無いと思い私は頷く。
「それでは、これから社務所に置くお守りなどについて話しを聞きたいがいいか?」
「それって……參拝客の相手をするのは――」
「もちろん莉緒だな」
うわー、私の仕事が増える!?
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