《嫁ぎ先の旦那様に溺されています。》すれ違う思い

翌日も何時も通り、神社での仕事と、朝の家事を終えて學校に到著。

昇降口で靴をいだあと、上履きに履き替えたあとは廊下を歩き教室にると、親友の穂は先に登校していた。

カバンを機の橫に掛けながら「おはよう、穂」と、話しかけると、彼の視線が私に向いてきて――「ねえ? 莉緒」と、し不機嫌な様子で返答してきた。

「どうかしたの?」

「その指って何?」

「――え?」

穂が指差すのは、私の右手の薬指に嵌められていた指

「え? じゃないよね? それって、何?」

「婚約指だけど……」

「婚約指って、莉緒は何なのか知っているよね?」

「……う、うん」

え? どうして、穂が怒っているの? 意味が分からないんだけど……。

「――ッ!」

していると穂は、私を睨んできたあと一言も話さずに前を向いてしまう。

どうして怒っているのか分からない私は、穂に事を聞こうとしたところで、ホームルームが始まってしまい聞くことが出來ない。

それどころか、一日――、穂に避けられていて口も聞いてくれない。

お晝時間になり、何時もは穂と一緒に食事を摂っていたのに、今日は一人。

食事を終えたあとは、居た堪れなくなり教室を出た。

屋上では、一人フェンスに寄りかかりながら座り溜息をつく。

どうして穂が、あんなに怒っていたのか皆目見當がつかないので、改善すらできない。

「はぁ……。ほんとにどうしよう……」

どんな時でも、私のことを庇ってくれた穂と喧嘩になるなんて、思ったよりもショックで、何も手がつかない。

それでも、刻一刻と時は刻まれ――、屋上に來てから10分くらい経過したところで、校に続く扉が音を立てて開く。

視線を向けると、そこに立っていたのは穂。

一瞬、彼と視線が合うけど気まずさから私は顔を背けるけど、目の前に近づいてきた穂は、「莉緒、どういうつもりなの?」と、怒りを押し殺したような聲で話しかけてきた。

「え? どういうつもりって……」

「あんた! 昨日は、駅ビルで男とデートしていたって……、クラスの連中から聞いたけど本當なの?」

「デートというか買い……」

「それで、その指を買ってもらったってこと?」

「う、うん」

「大和の見舞いにも來ずに男とデートしていたの?」

「どうして、大和の名前が出てくるの? 大和は、関係ないでしょう?」

そう答えた瞬間、乾いた音が聞こえてきたかと思うと、しばらくしてから穂に頬を引っ叩かれた事に気が付いた。

「――え? ……み、穂?」

「あんたの事! 見損なったわ! もう友人でも親友でもないから! 二度と、話しかけないで!」

それだけ言うと穂は、私が「待って!」と言っても無視して屋上から去って行く。

一人、ポツンと取り殘された私は、ビンタされた頬に手を當てながら、立ち盡くした。

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