《嫁ぎ先の旦那様に溺されています。》高槻家の親戚(4)

待ち始めて1時間ほどが経過した頃、見慣れた黒いベンツが校門からし離れた位置に停まると運転席から櫟原さんが下りてくる。

「思ったより早く學校が終わったのですか?」

「はい」

私は頷く。

実際は、まだ授業中だけど校門からは教室の様子を見ることは出來ないので、たぶんバレる事は無いと思う。

「そうですか。それでは、し余裕が出來たと言う事ですね」

櫟原さんは、私の話を聞いて何かしら考えごとをしていたみたいだけど、深くは追及してくるような事は無かった。

車で神社に戻ったあとは、母屋に向かうけど誰もった様子が無い事から、高槻さんが言っていたように境だけを見たのかも知れない。

買ってもらった服に著替えたあとは、櫟原さんが待っている車まで戻る。

すぐに車は発進――、しばらく走ったあと駅前の呉服店の駐車場に止まり、櫟原さんに促されるような形で車から降りたあとは、店の中にる。

「櫟原さん。今日は、ドレスコードとかって聞きましたけど」

「はい。日本料亭での會食となりますので、著と言う事になります」

そうなんだ……。

そういえば、私は著とかは巫服は例外として著た事がない。

一応、お母さんから著方は教えて貰っていたけど、著は持っていなかったから、すごく久しぶりなじ。

店員さんに春を意識した著を用意してもらったあと、著付けとヘアメイクを一緒にしてもらう。

時間は、かなり掛かってしまったけど予定よりもし余裕が出來たと櫟原さんは言っていたので時間的には余裕があるのかも知れない……と、思っていました。

「宮さん、思ったよりも時間が掛かってしまいましたので急ぎましょう」

用意が終わったあと、すぐに車に乗り高槻さんや、彼の親戚が待つ日本料亭へ向かう。

車が到著した場所は、山形駅前。

そこから近い場所みたい。

「こんなところがあるんですね」

「はい。創業200年の老舗ですので――」

車を停めた場所は、緑に囲まれている。

駅前とは思えない。

「それでは、宮さん」

櫟原さんにエスコートされて店り、お店の人に案された場所は、奧まった部屋。

室許可を櫟原さんが取ってくれたあと室ると、そこには高槻さんと60歳くらいの老婆の姿が目にってきた。

私は、「失禮します」と、頭を下げる。

「莉緒、ここに……」

どうやら、私は高槻さんの隣に座る形になるようで――。

私は、靜かに頷き彼の隣に座る。

「ほう、そちらが貴方の婚約者ですか?」

開口一番に話を切り出したのは老婆であった。

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