その言葉に――、返事をしながら俯く。

本音を言うと學校を卒業するのは、大事な事だって分かっている。

だけど、針のむしろの狀態の教室に行くのは気分が滅るどころか登校するのもきつい。

心の中で何とも言えない気持ちのまま考えていると――、

「莉緒」

「――え？」

俯いていた私の頭の上に、彼が――、その大きな手を置いてくる。

長差が20センチ以上ある彼と私では、當然――、高槻さんを見上げることになるわけで……。

「そんなに學校に行きたくないのか？」

「……」

「そんなに友人関係が拗れてしまっているのか？」

「……それは……」

「すまないな」

「……」

彼は、申し訳なさそうな表で私に聲をかけてくる。

「たかつ――総司さん……」

「……本當は莉緒の友人にもお前と俺の関係を説明して誤解を解くのが早いんだろう。だが――、瑞穂家は力のある家だ。権力もある。調べられて、お前と俺の関係が明るみに出たら問題なる。間違いなく……な」

「はい」

彼の危懼していることは十分に分かること。

何せ、私は18歳になっていないし、そして人もしていない。

本來なら親の保護が必要な年齢で、婚約者としての立場でないなら人男と一つ屋の下で暮らすのすら問題になってしまう。

もし、ここの神社の土地を廃棄処理場にしようとしている人達に、私と彼との関係がバレたら間違いなく私と高槻さんが神社を守ろうとしている計畫は破綻してしまう。

そして、というのは知っている人數がないほど洩する可能はない。

「私も理解しています。それに親友ですけど、いまは喧嘩していますから……下手に教えたら、友人経由で話が拡散してしまう可能もあるので、いまのままが良いと……」

最後まで言い切る前に、私は――、聲が震えてしまう。

それは、巫舞を奉じる年末まで――、あと8か月近く穂と大和に本當のことを伏せる事になるのだから。

そんな長い期間、學校で誤解されたまま……、たった一人で通うことは出來るのか？　と、考えてみれば、とても辛い。

「――！？」

を噛みしめて何でもないですと笑おうとしたところで、高槻さんが私を抱きしめてくる。

「そんな辛い顔をするな……。――と、いうのは無理があるな。本當にすまない」

その言葉に、今までのことが繋がる。

理解してしまった。

「どうして総司さんが、最初に神社の事に関して何も言わなかったのか分かりました。それは、私が積極的に関與しないように――、無理に仕事という形で神社の仕事を手伝わせることで私が総司さんのせいにするためだったんですね」

「……」

「私を一度、遠ざけようとしたときも、私の意思で神社を守ろうとしたら、私が辛くなるかも知れないって思ったからですよね？」

「……」

「本當は、総司さんが全部を――、私からの負のもけれようとしていたから――」

「莉緒、それ以上はいい」

「――でも……」

「そういう言い方をしていたら――、今のお前は自分が悪いと自分自を責めていることに気が付け。そういうのは、俺が背負うから気にすることはない。學校での事も、俺が悪いのだから、自分が悪いように言うのは止せ」

「……はい」

彼が、真っ直ぐに私を見ながら語り掛けてきたので私は思わず頷いてしまった。